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世界の環境関連ニュース(2022年1月第4週)

昨年11月に世界最大級のタイヤリサイクル業者であり年間2億本以上の廃タイヤをリサイクルする米国の「Liberty Tire Recycling」と業務提携した「Bolder Industries, Inc.」が、同じ米国ヒューストンにある『Tauber Oil Co(タウバーオイル)』と20年のマーケティング契約を結んだ事が報じられています。廃タイヤ由来のオイルを製造するBolder Industriesから、年間約200万バレルの供給を独占的に受けます。既に供給先ではありますが、廃タイヤが石油化学ビジネスの一端に「長期的」に入るという事が画期的な事と言えます。
https://www.recyclingtoday.com/article/bolder-tauber-scrap-tire-oil-offtake-agreement-recycling/

欧州でバイオエネルギーの持続可能性規則強化に関する議論が続いています。Euractive によると、スウェーデンが主導する加盟10ヵ国(ブルガリア、チェコ、エストニア、フィンランド、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、スロベニア、スウェーデンのエネルギー)が連盟で、バイオエナジーの持続可能性基準の改訂(強化)に「反対する」書簡を発行している事が伝えられています。理由はバイオエネルギーの持続可能性規定の改訂(強化)が、森林の管理コストを大幅に増やす為です。この問題は利害関係者が多く、森林バイオマスは化石燃料よりも温室効果ガス発生が多い事は既に欧州委員会の科学レポートでも正式に認めていますが、規制強化や廃止の方向に進む事はありませんでした。
https://bit.ly/351jnE0

ダボス会議が開かれていますが、世界経済フォーラムがファッション業界のサーキュラ―エコノミーについて議題に挙げています。ここ1-2年はエレンマッカーサー財団もこの分野に力を入れており、今後変化が現れる業界になりそうです。現代の繊維業界は「ファストファッション」によって形作られており、そのビジネスモデルは大量の生産(在庫)と供給(過剰)によって成り立っています。ダボス会議でこれ程議題に上がる事から、今後この分野への規制がかかる可能性があります。
https://bit.ly/3ArYv4v

ペットボトルを中心とする包装廃棄物回収の為の小型プラントプロジェクトのニュースです。 ペプシコビバレッジノースアメリカが『Closed Loop Partners(NY拠点)』に3500万ドルの資金を提供してClosed Loop Local Recycling Fundを設立します。この資金の目的は、現在リサイクル施設にアクセスできない多くの自治体向けにモジュラー型の小型リサイクル施設を供給する事です。プラスチック選別リサイクル1施設を設置する為に現在3000万ドル近い投資が必要ですが、このファンドによって、150万ドル程度のモジュラー型の小型リサイクル施設を作る事です。それにより、多くの自治体にリサイクル施設が備わるよう促します。
https://bit.ly/3rHingc
https://bit.ly/3GYMHZU

米国NBCニュースの世論調査結果が反響を呼んでいます。 ポイントは、過去の中間選挙(2006、2010、2014、2018年)で、その前300日以内の世論調査委で中間選挙に興味があるか?という質問に対しその回答がYesの場合、民主党が共和党(あるいはその逆)に二桁以上の差があった方が中間選挙で勝利を収めている、という事実です。今回の調査では民主党支持者が47%、共和党支持者が46%と民主党が支持率では1ポイント上回っていますが、中間選挙への興味では、共和党が61%に対して、民主党は47%しかなく過去のデータからは共和党有利と出ている事です。NBCはCNNと並び左系のMediaとして有名ですが、今回の結果をかなり深刻に報道しています。気候変動対策、グリーン投資、化石燃料の削減といった現民主党の政権(政策・法案)が中間選挙以降にレイムダック化される可能性を示唆しています。 世論調査では米国民の72%以上が現在のアメリカは間違った方向に進んでいる、という評価をしています(これは歴史上最大の比率です)。既にビルドバックベター法案も現状のままでは可決が不可能な状況になっており、中間選挙いかんでは、脱炭素やグリーンインフラ投資にも影響が出る可能性があります。
https://nbcnews.to/3fTWCE8

欧州でrPET価格が過去最高レベルに達し、英国でプラスチック包装税がスタートする事から、プラスチックリサイクル材の調達確保に向けた動きが活発化しています。英国でも最大手の廃棄物管理会社の1社である「Biffa」が、英国の大手ボトルメーカーの『Esterform Packaging』と6,000トンの大型rPET供給契約を結んでいます。英国の包装メーカーは、今年4月1日より施行されるプラスチック包装税により、製品に少なくとも30%の再生プラスチックを使用する必要があります。EUはPETボトルに2025年から少なくとも25%、2030年から少なくとも30%の再生プラスチックを含めることを制定しており、ペプシコやブリトビッチなどの企業は、2022年までに欧州市場で販売されるボトルから全ての未使用プラスチックを排除することを約束しています。現在、無色のrPETフレークの価格は、欧州で1トンあたり1,600〜1,700ユーロと高額になっています。
https://www.biffa.co.uk/media-centre/news/2022/biffa-secures-recycled-plastic-deal
https://www.esterform.com/new-house-blending-boosts-rpet-usage/

米国サウスカロライナ州で1月20日に固形廃棄物政策、及び管理法に関するS525 法案が両院総会で可決されています。この法案の施行は州知事の承認を待つ事になりますが、ポイントは法が施行された場合、高度なリサイクル(例:プラスチックケミカルリサイクル)を固形廃棄物処理ではなく製造として再定義する事になります。高度なリサイクル施設は、施設の許可書が発行される前、又は稼働する前に「経済的責任」、つまり経済的に事業が成立する事を示す責任を負います。今まで高度なリサイクルについては定義が無く、この法案によって、高度なリサイクルが定義付けされ、より投資を得やすくする狙いがあります。リサイクル=廃棄物管理という一般的に普及している定義内での規制から、新たに高度なリサイクルという定義が法的に成立する事による変化となります。全米でこの種の法律を持つ15番目の州になる、と伝えられています。
https://www.scstatehouse.gov/sess124_2021-2022/bills/525.htm
https://bit.ly/3fYKguF

ファッション業界(繊維業界)への規制の動きが本格化する気配が高くなっています。英国の競争市場局(CMA:Competition and Markets Authority )は、昨年10月13日に「消費者向けのグリーンクレームコード」を発表しており、虚偽のグリーン宣伝(クレーム)=いわいるグリーンウォッシングを2021年末までに終わらせる事を伝えています。違反の場合は罰則が適用される事になります。A Changing Markets Foundationが発行したレポートでは、英国とヨーロッパのファッション業界での合成繊維の使用を調査したところ、分析された46のブランドのうち60%がグリーンへの取り組みについて誤解を招く、または単に虚偽の主張をしていることが報告されています。これらの中には、有名ファッションブランドが含まれます。今後、業界もグリーンウォッシング調査の対象となるようです。
https://www.greenqueen.com.hk/fashion-greenwashing-under-investigation/
https://bit.ly/35aNNUn
https://changingmarkets.org/portfolio/fossil-fashion/

EUがウクライナに対する緊急融資と助成金の両方で作られた財政支援パッケージを発表しています。同パッケージは、ウクライナが紛争に入った場合の資金調達ニーズに対応する為のものです。この問題は地政学だけでなくエネルギー問題も含んでおり、かなり欧州では敏感になっています。コモディティや市場のボラティリティにもかなり影響がでそうな雰囲気になっています。
https://bit.ly/3fXhKcI

ロシアのウクライナ侵攻懸念問題でロシアが資源の多くを生産する白金類(パラジウム、プラチナ)とアルミ、それに加え鉄鋼の貿易についても懸念が起こっています。鉄鋼についてはベラルーシやロシア産の銑鉄の流通ルートに制裁の影響が出る可能性がある事が伝えられています。既に白金類は上昇し始めています。それ以外にもボラティリティの高い相場になる事も懸念事項として伝えられています。また、欧州の40%の天然ガスはロシア国営企業のガスプロム1社から供給されており、その40%の内、8割近くが旧西ヨーロッパ諸国に渡っており、エネルギーに対する懸念も起こっています。
https://markets.businessinsider.com/news/commodities/russia-ukraine-tensions-market-volatility-vix-energy-oil-metals-troops-2022-1

幾つかの専門メディアで伝えられていますが、スイスの世界最大級の鉱業、及びコモディティ取引業者である「グレンコア(Glencore)」が、モロッコの鉱業会社である『マナゲム(Managem)』と年間約1,200トンのリサイクルコバルト、及び水酸化ニッケルと炭酸リチウムの5年間の契約を締結する事が伝えられています。マナゲムが所有するモロッコのGuemssa地区にある湿式製錬所(CTT湿式精錬所) でリサイクル電池からコバルトを生産するパートナーシップが含まれます。このパートナーシップは、リチウムイオン電池をリサイクルしたブラックマスからコバルト、ニッケル、リチウムを回収する為にCTT精錬所を改修し、商業利用を評価する実現可能性調査を条件としています。
https://www.glencore.com/media-and-insights/news/glencore-and-managem-set-up-partnership

米国プラスチック協定(US Plastic Pact:加盟企業・団体100社以上)が「問題のある不要なプラスチック材料リスト」を1月25日に公開しています。このリストはプラスチック包装にのみ適用され、医療関連の実験や研究で使用されるプラスチックは含みません。このリストの定義は、米国プラスチック協定が加盟している英国のエレンマッカーサー財団のグローバルコミットメントのネットワークの一環として制定されています。参加は任意で、団体がリストの承認する意図はありません。リストにはPS/EPS(発泡スチロール)を含むポリスチレン、PVC/ PVDC(ポリ塩化ビニリデン)を含むポリ塩化ビニルが含まれています。今後、リストの材料は2030年までに削減、またはリサイクル可能もしくは堆肥化が求められ、環境負荷に対する持続可能性の保証が重要視されます。
https://bit.ly/3o1xQGF

欧州ではスナック菓子等の小型の軟質包装について動き出しています。英国の大手スナック食品メーカーである「ウォーカーズ(Walkers:親会社は米国ペプシコ)」は、年内にリサイクル材料を使ったスナックやビスケットの包装袋を市場向けにテストする予定と発表しています。現在これらの小型軟質包装の多くは埋め立て廃棄されており、環境負荷が低減されるまで100年以上掛かる場合があります。ペプシコによると、 2030年までに全てのポテトチップスとスナックのパケットに100%リサイクルまたは再生可能な材料を使用する事を目標としており、バージン・プラスチックの使用を削減します。小型の軟質包装については、Euractiveでもリサイクルし易いように設計の標準化をする議論が欧州で始まっている事を伝えています。
https://www.euractiv.com/section/circular-economy/news/flexible-packaging-a-test-case-for-the-eus-recycling-push/

欧米各国に生産拠点を持ち(ベルギー、フランス、スペイン、英国、米国を含む)世界60拠点で活動をするプラスチック包装リサイクルでは大手の1社である「Plastipak社」がPETボトル・リサイクルの能力増強を発表しています。ルクセンブルクのPETリサイクル工場の能増により年間生産能力が136%増加します。欧州ではrPETの需要は日増しに増加しており、早くから投資を行っている数社への供給依頼は2020年夏以降急激に増えています。同社はスペインのトレドにある工場内に新しいリサイクルラインを設置する事を最近発表したばかりでした(英国のPlastipak社には数回コンタクトした事があります)。
https://www.plastipak.com/plastipak-expands-pet-recycling-capacity-in-luxembourg/

米国ノースカロライナ州の合成繊維製造とリサイクルを行う「Unifi Inc.(NY証券取引所上場)」が、米国の大手スーパーマーケットであるウォルマート社に累計でPETボトル10億個分の自社が製造するリサイクルPETプラスチック「REPREVEリサイクルパフォーマンスファイバー」を販売した事を発表しています。2019年にウォルマートは、2025年までにプライベートブランドの繊維製品に50%のリサイクルポリエステル繊維を利用するという目標を発表しています。このリサイクル材の利用により節約される水、電力、化石燃料、排出削減される炭素量がHPで記載されています(ただし、欧州ではこうした環境負荷低減の主張に対し、信憑性や誇大広告の問題が議論として起こっており、英国では去年より規制が掛かっています)。
https://unifi.com/news/unifi-announces-walmart-1b-bottles-repreve-milestone

米国のジョージア州で北米最大規模のLibリサイクル工場への投資を発表した「Battery Resource社」が社名変更を発表しています。新社名は『Ascend Elements』です。同社の主要株主の1社は英国のジャガー&ロバ―(親会社はインドのTataグループ)で、既に北米ホンダとカソード材料を提供する契約を結んでいます。同社の特徴は、特許である「Hydro-to-Cathode™」という工程を使い、前駆体とカソード活物質を生産する事です。2023年には追加施設を開設する計画も進行中です。元々同社は米国マサチューセッツ州のウースター工科大学の研究員が設立した会社で10年の歴史があります。同社は今後の拡張の為に、既に9000万ドル(約105億円)を調達しており、本格的に商業利用に乗り出す為にブランド化の一環として社名を変更しています。
https://ascendelements.com/

グリーン水素生産のコストが予想を超える可能性が高いというニュースです。 「Clean Energy Wire」が1月27日付け同サイトに状況を上げています。ドイツの連邦地球科学天然資源研究所( BGR )は、クリーンな水素生産に必要な主要原材料が不足する事で、今後グリーン水素は、予測より高価になる可能性があると警告しています。特にイリジウムとスカンジウムで供給リスクがある、としています。現在スカンジウムの75%以上が中国で生産されており、2位のロシアを遥かに凌ぐ量となっており、年間総生産量は推定14〜16トン、これに対しグリーン水素用の電解槽の2040年に使われる需要量が年間24トンになる、としています。インジウムは更に深刻で、スカンジウムよりも遥かに希少であり、生産量は南アフリカのシェアが80〜85%、次にロシア、2020年の総生産量が約8トンにも関わらず、2040年には34トンが必要になる、としています。現在インジウムの大幅な増産は不可能で、この数量を満たす事が難しいと報告している事が伝えられています。
https://www.cleanenergywire.org/news/metals-needed-hydrogen-production-could-get-scarce-german-authority-warns
https://www.euractiv.com/section/energy/news/metals-needed-for-hydrogen-production-could-get-scarce-german-authority-warns/

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