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世界の環境関連ニュース(2021年12月第1週)

インドで2013年に創業した比較的新しい金属スクラップ及びEV充電ステーション等を手掛ける「Nupur Recyclers社」が12月13日にIPOを行う事を発表しています。同社は、「無秩序なインドのスクラップ市場を組織化する」という強いビジョンを持っていると、表明しています。シュレッダー亜鉛屑、亜鉛ダイカスト屑、Zurik SS、Zorbaを欧州や北米の会社と提携して輸入しています。ここのところ、旺盛な金属スクラップ需要と高価格に支えられ、欧米でも中小を含めて上場機運が高まっているようです。
https://www.nupurrecyclers.com/press-media.html
https://www.nupurrecyclers.com/investors.html
https://bit.ly/3dfrsFZ

EV販売が加速しているという欧州発のニュースが多いですが、東欧と南欧ではEV販売がインセンティブでも増加していない事を示している記事がEuractiveで伝えられています。EVは豊かな西洋諸国の一部で増加していますが、インセンティブが多くとも、東欧や南欧の国々では価格が高く購入できない事や、インフラが整っておらず、初期費用も高い事から大きな障壁になっているようです。法律で新車販売の完全EV化が義務付けられるギリギリまで完全EV化を急いで推し進めない日系メーカーの慎重な選択の背景になっていると推測できます。
https://www.euractiv.com/section/electric-cars/news/for-many-europeans-the-electric-vehicle-revolution-is-a-mirage/

Bloomberg NEF(BNEF)が今週発表したレポートで、Libの価格はキロワットあたり2020年から2021年にかけて6%低下した、という事です。地域別では中国が最も安く $111/ kWh、米国は中国より40%、欧州は中国より60%高いという事です。中国が圧倒的に安いのは、リン酸鉄Lib(LFP)が多く含まれている為、としています。 2021年にLFPはNMCに比べ30%安価でした。BNEFによる短期的な観測では、材料価格の高騰から世界のLibコストは2022年に$ 135 / kWhに上昇する可能性がある、としています。ガソリン車と同じようなコストにする為には、$ 100 / kWh以下を達成する必要があり、この水準を満たせるかどうかが問題となりそうです。電池単体での30%以上の価格低減は、現実的にはかなり難しそうです。
https://www.mining.com/battery-pack-prices-fall-but-commodity-boom-may-drive-them-back-up-report/

スコットランドで大規模なグリーンスチール用EAFが計画されています。北海油田の精製に使われていた港湾接岸施設をクリーンエネルギーに利用した電炉やコンクリート製造工場にする計画が上がっています。洋上風力と廃棄物からのエネルギー(ごみ発電)を利用するもので、グリーン鉄鋼生産設備の投資額は3億ポンド(450億円)です。北海油田の設備老朽化や更新(中止含む)に伴う解体等で年間100万トンのスクラップが発生する見込みがあるとしています。投資が回収できるかは、炭素価格や炭素税の適用範囲という政治的な決定に依存しそうですので、脱炭素運動はより先鋭化していくと思います。
https://www.insider.co.uk/news/work-starts-ardersier-port-transformation-25590634

欧州最大の銅精錬メーカーである「Aurubis」が決算を発表しています。税引き前利益は過去最高で3億5,300万ユーロ、前年同期比60%増となっています。同社は昨年度初めて年間100万トンのリサイクル材料を処理した、と報告しています。既に北米進出を発表しており、投資額は3億ユーロ、一層リサイクル事業を拡大する方針を示しています。引続き銅需要が旺盛な事から、2022年度の予測ではプレミアムグレードの銅単価の上昇を見込んで予算(見込み)としています。
https://www.aurubis.com/en/investor-relations

来年協議が予定されている国際的なプラスチック廃棄物汚染の条約に強い影響力を持ち、事実上世界のプラスチック・サーキュラーエコノミーの標準を提供している「エレンマッカーサー財団」が提唱する『プラスチック協定』のメンバーであるカナダのプラスチック協定が新たに対数の参加団体を発表しています。欧米では既にこの協定が国や自治体の指針となる所も多く、周辺から固められつつあります。
https://plasticspact.ca/partners-list/

Market Research Future(MRFR)による最新のLibリサイクル市場の予測レポートをMarket Screenerが報じています。世界のLibリサイクル市場は2030年までの平均年間成長率が21.43%にも達するという事です。Libリサイクル産業市場をけん引する代表的な会社名も記載されており、今後リサイクル市場は拡大する事は確実となっています。特にリサイクルの規模と技術では、今後は北米がリードするという予測がなされています。
https://bit.ly/3xYUSlo

米国で「自動車(製品・部品)におけるリサイクル含有量の測定」と呼ばれるガイダンス文書が発行されています。発行したのは環境サプライヤーパートナーシップ(SP)と自動車産業行動グループ(AIAG)で、フォード、GM、ホンダ、Stellantis、トヨタなどの自動車メーカーが協賛しています。同ガイダンスではリサイクル材料がどのようなソースによって出来たものかを示すガイドラインも示しています。用語の定義を始め、どのような解釈であるのかを業界共通のものとして用いる事を目的に作成された、としています。一言でリサイクル材料といっても様々なプロセスがあり、このような持続可能性の定義や解釈を業界で統一するという事が重要視されています。今後、自動車やその部品にリサイクル材料の含有量が義務化される為のステップとなっています。
https://www.supplierspartnership.org/recycledcontent/

米国の大手鉄鋼メーカーの1社が矢継ぎ早の投資をしています。米国鉄鋼大手であり鉄スクラップ業者での1社である「Nucor Corp」が新たに400億円を投資して米国内に鉄筋工場(EAF)を設立します。場所は特定していませんが、南西大西洋地域の州の何れかと発表しています。年間生産能力は43万トンです。この投資はインフラ法案によって増加する鉄筋需要を見込んでいる、としています。Nucor Corpは10月にはリサイクル会社やコイル加工施設会社を買収、11月にはケンタッキー州の工場の能力増強を発表したばかりで、今月に入り配当金を23%増の増額する事も発表しています。米国内でのスクラップ需要が更に増す事が予測されます。
https://www.nucor.com/news-release/#item=18666

欧州ではバイオプラスチックに関して業界内で大きな議論になっています。欧州委員会の合同調査センター(JRC)が発表したもので、同センターの研究結果によって、化石燃料をベースとするプラスチックよりもバイオプラスチックが自然界に優しい訳では無い、という趣旨が盛り込まれています。これに対し、業界は大きな批判を浴びせています。バイオプラスチックを生産する為に農産物や自然界のものを大量に生産、収穫し、更にエネルギー消費が多い事も過去より問題視されていました。ただ、この分野には投資も活発に入り込み始めており、政策に与える影響も大きいと見られています。
https://packagingeurope.com/european-bioplastics-conference-points-to-gaps-legislation/

ベルギーが本社で欧州最大手の金属材料メーカーである「ユミコア(Umicore)」が、フォルクスワーゲンと合併会社を設立する事を発表しています。合弁会社はバッテリーの前駆体とカソード材料、更に陰極材料を生産します。商業生産は2025年から開始し、徐々に増産します。ドイツのザルツギッターにあるフォルクスワーゲンのバッテリー工場向けに供給を行い、2030年には約220万台分のEV車のバッテリーに材料を供給できる生産を行う、としています。現在、欧州でのハイブリッド車やEV車のバッテリーリサイクルの多くはユミコアで行われています。中国以外の大手欧州金属素材メーカーが本格的に前駆体やカソード材料を製造するという事と、自動車メーカーそのものが金属素材メーカーと合併しバッテリー材料を作る(つまり中間業者を除く)という事は、欧州にとっても業界の慣習にとっても大きなニュースです。
https://bit.ly/3ybgYkS

北米で新たに300万本のタイヤリサイクルによる油化事業と発生するカーボン及び鉄スクラップ事業への業務拡大が報告されています。タイヤリサイクルの大手である「Bolder Industries Inc.」が、元々ドイツで開発された化学技術を要しタイヤを油化する「Pyrolyx社」の工場を買収しています。Pyrolyxのドイツの親会社は既に倒産しています。買収した化学工場を改造して、年間約300万本のタイヤをリサイクルし、Bolderの再生材製品であるBolder BlackカーボンとBolder Oil燃料を製造します。発生する多量の鉄スクラップも販売する予定です。
https://www.tyreandrubberrecycling.com/latest-news/posts/2021/december/bolder-buys-pyrolyx-plant/

炭素税が鉄鋼業に与えるインパクトについて、英国のシンクタンクであるチャタムハウスがレポートした内容をEuracitveが伝えています。EUの国境炭素税(調整メカニズム)が本格的に導入される2026年以降(試験運用は2023年から)、鉄鋼やセメントも炭素税の対象になり、排出権取引スキームの炭素排出枠の価格と同等な税金を支払う事になります。既に英国の排出権取引スキームとEUのスキームは「連動」する事で合意していますので、英国内で支払った排出枠に対しEU国境で2重に税を請求されることはありませんが、輸出業者は、生産中に排出された炭素量証明と英国内で炭素を取引した結果を報告しなければなりません。これはかなり煩雑な行為ですし、再生可能エネルギーが遅れている地域では死活問題となりそうです。英国では「Liberty Steel」が復活したり、再生エネルギーパークをスコットランドに整備する計画が発表されるなど、急速にグリーンスチールに向けた投資が進み始めています。
https://www.euractiv.com/section/politics/short_news/steel-industry-faces-eu-carbon-tax-hit/

廃棄物管理のフランス大手「ヴェオリア」がロレアルに再生プラスチックを供給する事を発表しています。ヴェオリアによれば、再生プラスチックはバージンプラスチックと同等の純度があるものを開発しており、FDA対応品の納入も可能としています。ロレアルは包装に使用されるすべてのプラスチックを2030年までにリサイクル可能、又はバイオベースにする事を発表しています。欧州の大手生活用品メーカーはリサイクルプラスチックへのコミットを明らかにしており、リサイクル会社もそれに対応する技術開発を進めています。
https://www.veolia.com/en/our-media/newsroom/press-releases/veolia-loreal-recycled-plastic-circular-economy

フランスの石油資本である「Total Energies(トタル)」と自動車部品材料メーカーである「Plastic Omnium」が自動車部品に使われるrPPの開発供給に関するパートナーシップを結んだ事を発表しています。rPPには20%から100%のリサイクル材料が含まれ、バージン材と比較して炭素発生量が6分の1になる、しています。自動車に使われるプラスチックは耐用年数が長く劣化されたものが多い為、課題を克服し、rPP用に最適化された設計を目指している、としています。やはり石油化学メーカーとプラスチック製造の専門会社がコラボしないと、量産として乗り越える課題克服には難しそうです。フランスのルノーは外装のプラスチック化を推進しており、益々重要性を増してます。
https://bit.ly/31HXvfF

幾つかの専門メディアで取り上げられていますが、欧州の排出権取引制度の炭素価格が11月に記録的な高値となり、75€/トンを超えています。年末までにドル換算で100ドルを突破する可能性がある事も伝えられています。短期的に炭素発生量を大幅に減らす技術を実用化する事は難しく、やはり炭素クレジットによるオフセットが今後も焦点になってきそうです。既にEU ETSは炭素価格の「最低料金」を導入する事を、ドイツが中心となり議論されています。
https://bit.ly/3dCStmV

「Break Free From Plastic」が毎年行っているプラスチック廃棄物の自然界投棄による汚染者ブランド別のトップ10を発表しています。毎年行っているもので、今年は45か国、11,184人のボランティアで330,493個のプラスチック廃棄物を収集し、結果を出しています。今年のトップ10は次のとおりです。
コカコーラ、ペプシコ、ユニリーバ、ネスレ、P&G、モンデリーズインターナショナル、フィリップモリスインターナショナル、ダノン、Mars、コルゲート-パルモリーブ。
https://www.breakfreefromplastic.org/brandaudit2021/
https://waste-management-world.com/a/the-top-plastic-polluters

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