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NEWSCONの気になるNEWS(2024年2月第2週)

弊社ともNDAを締結しており、廃棄物の画像AIによる選別技術を開発するRecycleye社は英国のSWEEEP Kuusakoski社にてWEEE(電気電子機器廃棄物)検出用のAI選別システムの商業利用を開始した事を発表しています。NIRでは検出不可能なモノが選別できる点が優れています。WEEEをプラスチック、鉄、非鉄、電池から画像解析により選別するものでコンベア上を流れた物体が画像データとして蓄積されていく為、使う毎に精度が上がるという特徴があります。2年前よりこのトライを続けており、数万点に及ぶ画像データベースを既に持っており、今後も新分野の技術として開発が進められる予定です。同時に日本最大のロボットメーカーのFUNAC社が同社のAIピッキングロボットの独占契約を延長しています。
https://recycleye.com/sweeep-kuusakoski-ai-weee-sorting/

GSは少し前から強気ですが、世界のヘッジファンドの一部も今年の銅関連株に強気の姿勢を見せています。ファンドはコモディティの中で銅株のエクスポージャーを増やす動きを加速させています。理由は既に高品位の鉱脈が限られており、今後銅鉱石品位の低下が起こること、鉱山問題による銅の供給減、更に需要増がリンクし、銅価格と関連株が「劇的に上昇する」との読みになっています。背景のもう1つの要因はS&Pグローバル・クリーン・エネルギー指数が20%以上も下落し、風力や太陽光などの従来の「グリーン移行資産」よりも「銅」の方が遥かに有利な投資先であるとの認識が高まっている事があります。
https://www.mining.com/web/hedge-funds-ramp-up-copper-bets-as-supply-shocks-reverberate/

ブルームバーグNEF(BNEF)の分析によると2023年に電解槽によるグリーン水素への投資が世界で3倍に増加したにも関わらず、稼働率は僅か生産能力の10%であった事が判明しています。グリーン水素プロジェクトへの支出は2023年には2022年比で3倍の104億ドルに増加しました。投資の殆どは中東と欧州で行われています。電解槽による水素製造は電気エネルギーを大量に消費する事から全くコストに合わず、以前より欧州でも科学者は反対の姿勢を続けています。再生可能エネルギーを使った電解槽でのグリーン水素の製造は非現実的であり、それを利用して高炉の脱炭素化を進めるというシナリオは当初から科学者の間では疑問視されていました。ただし、失敗の情報はメディアでは全く出てこなく、投資家への情報のみ流れているのが現状です。
https://www.hydrogeninsight.com/electrolysers/hydrogen-electrolyser-factories-are-only-operating-at-10-capacity-on-average-bnef/2-1-1591720

紅海でのフーシ派による欧米貨物船への攻撃に対して、米国軍と英国軍がフーシ派の拠点に攻撃を何度も行っています。しかし、これらの攻撃はフーシ派による船舶攻撃にあまり効果が無いと報じられています。その詳細をBBCが分析しています。一部の中国企業はフーシ派との安全航行の保証を取り付けています。ロイズ・リスト・インテリジェンスによると、11月末以降に紅海を通過する全船舶に占める中国関連海運の割合は13%から28%に急増しています。またアナリストの分析では、ロシアの石油を積んだタンカーは、フーシ派による船舶への攻撃にほとんど中断されることなく、紅海を航行し続けており、競合他社よりもリスクが低いという事が示されています。今後サウジアラビアが正式にBRICSに加盟した場合、世界の石油の47%はBRICSから産出される事になります。BRICS内で石油の取引決済に米ドルでは無くBRICSの通貨がより多く使われるようになると、ドルへの圧力(ドル安)は一層強まるとの懸念が始まっています。紅海の運航も含め、色々な勢力図に変化が確実に起きています。
https://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-68159939.amp

ドイツの連立政権の一部で気候変動政策を推進してきた「緑の党」は、選挙に向けて、気候変動目標を大幅に譲歩するマニフェストを準備しています。具体的には気候中立性目標を5年延期し、ガスと石油の段階的廃止の一部を削除する予定です。2030年迄の石炭の段階的廃止は維持するものの、化石燃料に関するそれ以外は全て緩和する見込みです。マニフェストの最終版は2月4日に採択される予定です。
https://www.euractiv.com/section/elections/news/german-greens-push-to-water-down-eu-partys-climate-targets/

英国政府は先進国では恐らく初となる廃棄物によるマネーロンダリングへの取組を強化する「経済犯罪課」を環境庁内に設置しました。廃棄物犯罪に関する環境庁の全国調査では英国の廃棄物全体の18%、年間3,400万トンが違法に管理されていることが判明しています。廃棄物犯罪は利益の為に処理コストを抑え活動するもので、経済犯罪となります。廃棄物犯罪課の特徴は見えにくい廃棄物関連の犯罪を分析する為に金融調査官、金融情報官、金融犯罪アナリスト等の高度なスキルを持つスタッフで構成されている点です。非グリーンリストの無許可輸出は確実に経済犯罪に含まれてきますので要注意です。
https://bit.ly/3UyLnXz

中国は現在、不動産業界の不況をカバーする為にITやグリーン産業への投資と輸出を加速しています。その影響もあり、安価な中国製太陽光パネルが大量に流入し始めている欧州では欧州太陽光発電製造評議会(ESMC)が過去1ヵ月で2度の緊急声明を発表し、欧州政府に即時の対応措置を求めています。現在、欧州には推定1億4,000~1億7,000万個のPVモジュールの在庫があります。これは中国から輸入される補助金付きの太陽光発電モジュールの供給過剰が原因で欧州品が大量に売れ残り在庫が急増しています。この中国品の供給過剰は、中国政府による産業政策の結果で太陽光発電パネルの価格暴落の最大の原因となっています。ESMCは政府による緊急措置が無ければ「欧州の太陽光パネル製造ラインを閉鎖する用意がある」と警告し、セーフガード導入の調査を直ちに行うよう請願しています。
https://esmc.solar/news/

英国では登録車両のEVが100万台となり、2024年から各メーカーが販売する新車の内、22%はゼロエミッション車(EV)となる規制が発効しています。しかし昨年後半よりEV販売の伸び率が減速した為、英政府は公立学校、大学、保育園、アカデミーにEV充電器の購入と設置に掛かる費用の最大75%を補助する制度を発表しています。政府はEVシフトの為に既に20億ポンド(約3700億円)以上を支出していますが、未だに新車登録に占めるEVの比率は15~16%に留まっています。皮肉な事に、この政府発表があった当日に英国自動車製造貿易協会(SMMT)は2024年のEV市場シェアの予測を昨年10月の22.3%から21%に下方修正しています。
https://www.gov.uk/government/news/rollout-of-electric-vehicle-chargepoints-to-be-accelerated

日本製鉄による買収が話題のUSスチールですが、2023年Q4は赤字で終了しています。純損失が8,000万㌦、前年同期の純利益は1億7,400万㌦でした。2023年通の純利益は、8億9,500万㌦となっています。この結果は2022年の通年の純利益25億2,400万㌦から約65%の減益となりました。買収を巡っては大統領選挙戦の1つの話題にもなっている事から、審査が1年以上続く可能性が指摘されています。先週末には前大統領のトランプ氏が「当選時には買収を阻止する」という発言を行い、更に労働組合、民主・共和両党の一部の議員からも買収に対する反発を受けており、ますます政治問題化しています。万が一、米政権が取引を破棄した場合、USスチールに何が起こるのか、また従業員約1万5000人の雇用が保証されるのかは不明です。米国の産業の中で鉄鋼産業は最も保護の恩恵を受けている産業の1つであり、今後が注目されています。高齢化で国内市場が縮小する日本企業は新たな収益源の為に海外に進出せざるを得ないというプレッシャーが高まっており、投資が比較的安全な同盟諸国へのシフトが鮮明となっています。日本の対米国直接投資は2022年に27兆円と巨額に上りますが、中国への投資は僅か1兆4000億円にまで減っています。同盟国からの投資を受け入れる「フレンドショアリング」を推進してきた米国で日本製鉄によるUSスチールの買収問題はフレンドショアリングの政策転換になる可能性も指摘され始めています。
https://investors.ussteel.com/

中国のデフレスパイラルには抜本的解決が必要との見方が市場に広まっています。海外勢は1月に中国株を25億㌦売り越し、6ヶ月連続での資金流出となりました。中国株はこの半年で20%下落していますが他の世界の株価の平均下落率は5%でした。中国国内の小規模投資家も外国株ファンドを争って購入している状況です。現在、中国株を割安と考え投機する動きがありますが、これは中央政府の支援を期待したものです。中央政府の支援は大企業寄りで非常に不均衡の為、アナリストは、国有企業をロング、中小企業をショートにするよう推奨しています。過剰生産能力から工業生産部門の物価が下がり続けており、この状況が続く限りはデフレのスパイラルを抜本的に解決する為には消費刺激策が必要との見方で一致しています。2015年の中国ショックでは不動産と公共事業が回復の牽引役となりましたが、今回はIT、バイオ、グリーン産業などの高度産業に投資を増しています。しかし消費刺激が無いと回復が難しいとの見方が優勢を占めるようになり、株価が反応し続けています。
https://www.reuters.com/world/china/chinas-tumbling-prices-push-some-exporters-brink-2024-02-04/

インド最大の大富豪Gautam Adani(ゴータマ・アダニ)が孫会社として所有するKutch Copper Ltd(KCL)は2029会計年度(2029年3月)迄にインドでの銅生産を100万トンに引き上げる予定です。投資は2段階に分けられており、第1段階は12億㌦を投資したグジャラートの新工場で毎年50万トンの銅、約25トンの金、250トンの銀、1.5トンの硫酸、25万トンのリン酸を生産します。生産開始は今年3月末からです。第2段階では追加の50万㌧の工場新設を計画しています。今後5年で計100万トンの銅の生産をする工場がインドで立ち上がるという事は銅資源(銅精鉱の)需要が世界で急増する事になり、価格にも影響が出ると思われます。

2つ目はビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、レイ・ダリオ、ジャック・マー等、世界のビリオネア億万長者が支援する米カリフォルニアの金属探査会社KoBold Metalsがザンビアで広大な銅鉱床を発見したと発表した事です。ザンビアはアフリカではコンゴに次ぐ銅鉱床があると言われている国で発見されたザンビアのミンゴンバ銅鉱床は「世界最大の高品位大規模銅鉱山の一つになる」と発表されています。この話が革新的なのは、何故上記の様な世界の億万長者がKoBold Metalsに出資しているかという点です。同社は人工知能(AI)を使用して「地殻のGoogleマップ」を作成し、そのマップを解析する事で銅、リチウム、コバルト、ニッケルの新しい鉱床の発見に役立てている事です。この技術が有用になれば、地政学を回避して新な資源鉱脈を発見し易くなるという事です。
https://www.mining-technology.com/news/adani-to-open-1-2bn-copper-gujarat/?cf-view
https://www.cnbc.com/2024/02/05/bill-gates-backed-miner-discovers-large-scale-copper-deposit-in-zambia.html

米国のIRA(インフレ削減法)に対抗する様に1年前に提案されたEUの「ネットゼロ産業法」は立法手続きの最終前の段階を終了しています。ネットゼロ産業法は米国のIRAのように名前と中身があまり一致しておらず、事実上のEU域内の規制緩和と補助金を主体とする新しい法律です。対象がグリーンやネットゼロとなっていますが、実態はそれらの産業の雇用創出、保護、補助金の提供になります。欧州政府は着々と保護政策を進めており、確実に国際貿易に影響が出る事になります。
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2024/02/06/net-zero-industry-act-council-and-parliament-strike-a-deal-to-boost-eu-s-green-industry/

欧州議会と欧州理事会はESG格付けプロバイダーの規制に関して合意に達しています。この新規制によりESG格付けプロバイダーは欧州市場規制当局(ESMA)の権限下に置かれます。格付プロバイダーは、規制当局の認可と監督を受けて格付けに使用される方法論や情報源などの透明性に関して、規制に準拠することが求められます。EU外に設立されたESG格付けプロバイダーはEU認定プロバイダーによる承認を受けるか、直接認定されるか、または基準に基づいて「同等性がある」という決定を受ける必要があります。EU内で格付けプロバイダーとして営業する為にはプロバイダーの出身国の当局及びESMAとの間の対話が必要となります。一見何の関係も無さそうですが、実はこの規制は非常に大きな意味があり、ESGに関して民間の格付け機関をEU当局が規制するという初めての試みだけではなく、自由裁量を減らし、EUが認めた基準でしか格付のランク付けが出来ないという事になります。
https://bit.ly/3Uwnfoi

中国非鉄金属工業協会(CNIA)は欧州の国境炭素調整メカニズムの導入により、中国から欧州連合へのアルミニウム製品の輸出量が2023年に30%減少したと発表しました。炭素国境調整メカニズム(CBAM)は昨年10月から段階的に開始されています。CBAMは2026年迄は炭素税を徴収しませんが、EUの輸入業者は、鉄鋼、セメント、アルミニウムなどの対象輸入製品の生産中に含まれる温室効果ガス排出量を報告する義務が生じます。中国はアルミニウムの世界最大の生産国であり、かつ輸出国ですのでドミノ効果が今後アジアでも表れる可能性があります。CBAMは炭素を基礎とした保護貿易政策の側面もあり、今後、中国だけでなく他国にも影響を与える事になります。
https://www.zawya.com/en/projects/bri/chinas-export-of-aluminium-covered-by-eu-carbon-tax-down-30-in-2023-ai325uyv

欧州政府は2040年の排出量削減目標を1990年比で90%とする事をほぼ固めました。しかし猛烈な反対にあっている農業分野は除外し、当面は欧州委員会から法的拘束力のない「勧告」として発表される予定です。正式な立法への提案は6月の欧州議会選挙後に提出される見込みです。理由は反対派が多く、選挙で反対派に利用されない為です。今後、大きな問題となる分野として鉄鋼やアルミニウム等のエネルギー集約型産業があげられています。それらの産業は後15年余りでGHG排出を90%削減しなければならず、具体的な技術やロードマップはありません。EUのグリーンディールは環境規制による過剰な負担に不満を抱いている農民、産業界からの反発が日増しに強まっています。その為、今後の立法プロセスでは議論が二極化することが確実となっています。
https://www.euronews.com/my-europe/2024/02/06/brussels-recommends-new-eu-climate-target-a-90-cut-of-all-greenhouse-gas-emissions-by-2040

銀の調査機関である米国のシルバー協会はプレスリリースを発行し、今年の世界の銀需要は過去2番目に多い12億オンスに増加すると予測しています。この需要増が実現すれば価格は10年振りの高値に達する可能性があります。銀の価格は金と同様に金利と逆相関する傾向があります。貴金属には利息がつかない為、金利が高くなると金や銀の需要が打撃を受け、債券等の代替投資と比べて魅力が薄れます。今年は銀製品の需要が9%増加し、宝飾品の需要が6%増加すると予想しています。インドで宝飾品購入が急増する事と、家庭用電化製品の需要回復が牽引役となります。
https://www.silverinstitute.org/global-silver-demand-forecasted-to-rise-to-1-2-billion-ounces-in-2024/

リサイクル工場の建設会社大手Bollegraa(蘭)は、AIスタートアップのGreyparrot(英国)に1,280万ドル(約18億5,000万円)の資金提供を行い、Greyparrotの株式を取得しています。BollegraaはMRF(材料回収施設)とリサイクル工場の「ターンキー」プロバイダーの世界最大手の1つで近年AI研究の為にイノベーション テスト センターを開設しています。2021年にはオランダに拠点を移し、AI分析とサイクル機械の統合に取り組む為の「社内AIチーム」を募集していました。一方のGreyparrotは2019年に設立されたコンピュータービジョンのスタートアップ企業でAIの開発と都市廃棄物管理への応用に5年を費やし、「廃棄物インテリジェンス」システムを構築してきました。AI(学習機能)とビジョンシステムを使い廃棄物を分別する取組は人件費の高騰と労働力不足に悩む先進国の大手廃棄物管理企業が参画する非常に注目度の高い分野となりつつあります。
https://techcrunch.com/2024/02/07/greyparrot-bollegraaf/

米国のBIG3の一角であるフォードモーターは決算発表で「EVが成長すると信じているが、コストが従来の自動車と一致するまでは消費者への広範な普及は起こらない」と指摘し、EV戦略の再考を明かしました。戦略の見直しにはバッテリーの垂直統合が含まれます。フォードは中国CATLとミシガン州に合弁バッテリー工場を建設予定でしたが、一旦停止しています。同社は需要に合わせて設置生産能力を調整し、次世代EVの発売を延期する可能性について更に検討しています。当面ハイブリッド車とトラックの販売に注力する計画です。フォードのEV部門はEV1台当たりの損失が2023年Q2に32,350㌦、Q3に約 36,000㌦、Q4には約47,000㌦に上昇していました。2024年もEV部門は赤字事業にとどまると予想しています。米国のEV潮流の変化を象徴するフォードの動きとなっています。
https://www.cnbc.com/2024/02/06/ford-reassessing-ev-plans-including-vertical-battery-integration.html

日本は来月、デジタルノマドビザを開始する予定です。EU加盟国を含む49カ国の国民に最長6カ月の滞在を認めるビザとなります。
高齢化社会の中で経済と国際競争力を高めることを期待し、外国人に門戸を広げる政策となっています。現在200万人以上の外国人が日本で働いており、これは過去最高です。デジタルノマドは高度なスキルを持つ専門家、特にIT分野で働く人々を対象としています。ビザの申請者は少なくとも1,000万円(62,672ユーロ)の年収を持っている必要があります。また民間の健康保険にも加入する必要があります。
https://www.euronews.com/travel/2024/02/05/always-wanted-to-live-in-japan-a-new-digital-nomad-visa-is-launching-next-month

イタリアの全国紙であるIl Messaggeroは、仏マクロン政権がルノー・グループとライバルのステランティスを合併する計画を検討していると報じました。この合併は中国やドイツの自動車メーカーとの熾烈な競争に対抗するもので規模拡張を目指しているものです。ルノー・グループの主な市場は欧州で、一方のステランティスは、他地域でのプレゼンスも持ち合わせています。ルノーは日産に対する支配力とルノー・日産・三菱アライアンスの範囲を縮小しています。最近ではロシアのウクライナ侵攻後、第二の市場であるロシアからも撤退し、ロシアの自動車メーカーであるラーダ株も売却しました。先週ルノーはEV部門の成長鈍化とボルボと吉利からスピンオフしたポールスターを含む一部のEVメーカーの評価下落により、EV部門の一部である子会社アンペアのIPOを中止したばかりでした。
https://www.carexpert.com.au/car-news/france-thinking-about-stellantis-and-renault-merger-report

LME(ロンドン金属取引所)は中国、ロシア、ドイツの一部の企業が生産する亜鉛、アルミニウム、銅の一部のブランド商品の納入を停止する事を発表しています。詳細についての説明はありません。LMEは環境人権団体のロンドン・マイニング・ネットワークから英国高等裁判所に訴訟を起こされたばかりです。訴訟理由はインドネシア西パプア州のグラスベルグ鉱山で人権非保護と環境破壊によって生産されている金属を取引している為です。原告側は「汚れた金属」の世界的な販売を可能にすることでマネーロンダリング対策と犯罪法による収益に違反していると主張しています。ロンドン・マイニング・ネットワークは訴訟が成功すれば金属取引所で取引する金属を上場する際の規則の見直しをLMEに強制する可能性があると述べています。つい最近、新疆ウイグル自治区で人権蹂躙と環境汚染により生産されたアルミニウムで製造された中国の車に対する批判論文を世界を代表する人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch: HRW)が発表したばかりでした。こういう流れは連続して出てくる為、どこかで圧力が産み出されている可能性があります。
https://www.lme.com/en/News?sc_camp=E648FC72E35D4937B619F85539637517

欧州最大の鉄鋼メーカーアルセロール・ミタルは2023年Q4の財務結果を発表し、営業損失が約20億ドル、純損失が約30億ドルと発表しています。通年での純利益は約9億2,000万ドルを確保しています。同社は直近になり経営環境が悪化している事を明らかにしています。また資本配分の優先事項として電炉部門を拡大することを約束しています。今後も鉄スクラップを利用する電炉への投資は継続する事が明確に示されています。
https://corporate.arcelormittal.com/investors/results

コンテナ船大手のMaerskは2023年Q4の決算を発表し、今後、新造船の就航数が大幅に増加する為、「重大な供給過剰問題」が発生すると指摘しています。この増加は2024年中には始まり、2025年から2026年に掛けて影響が大きくなると指摘しています。現在、紅海の混乱でコンテナ価格が上昇、過剰生産の中国はアジア向け輸出を増加させている事もあり海運株は比較的好調でした。アナリストは新造船の就航数よりも南アを迂回する航行時間の延長と運賃の上昇の方が影響が大きいとの認識でした。しかし今回の決算発表はその逆を示すものとなっており、コンテナ価格の下落を誘引する状況が生まれる事を示しています。Maerskは2024年の見通しは、2023年よりも更に厳しくなると言及しています。パンデミックにより世界の海運業の利益が増加、その為2022年には新規船舶の注文が急増していました。それらの新造船は今年後半から就航数が増加する予定です。
https://www.maersk.com/news/articles/2024/02/08/apmm-delivered-solid-2023-financial-results-in-a-difficult-environment

著名なウォールストリートの投資家Kyle Bass(カイル・バス)が、CNBCのインタビューで、現在と今後の中国に関する見解を述べています。バスは史上最年少でベア・スターンズの取締役になり、サブプライムローン問題ではクレジット デフォルト スワップを購入した事で危機を予測し大儲け、日本に関連する所で言えば日本マクロ・オポチュニティー・ファンドを2012年から立ち上げて、これも異次元緩和後に円安で大儲けしています。ハドソン研究所のチャイナ センター諮問委員会の元委員でもあり、中国通としても知られています。そのバスが中国の債務危機について非常に強い警笛を鳴らしています。中国は米国がサブプライム危機に陥った時、当時の米銀行が保有していたレバレッジよりも3.5倍多い(銀行の)レバレッジを保有しており、更に中国は資本主義的な銀行業務に携わって僅か数10年しか経験が無い為、回避が非常に困難と予想しています。地方政府の債務(市場)は13兆㌦(1900兆円)レベルに膨れ上がっており、既に2021年以来、約7兆ドルの損失を被っています。恒大集団とカントリーガーデンの僅か2社の負債は5000億ドルを超えていますが、2008年の金融危機で米国の銀行システム全体が失った金額は約8000億ドルです。いかに不動産セクターによる債務規模が大きいかという事が示されています。
AGメタルマイナーはこうした中国の天文学的な(不履行の可能性のある)債務が世界1位の銅生産&銅消費国の中国で起きた事により今後、銅価格にどのように影響を与えるのかを分析しています。
中国政府は不動産セクターのマイナスをEVとグリーンセクター産業(主に再生可能エネルギー関連)とそれらの輸出により埋めようとしています。この政策は銅価格にとってはプラスに動きます。しかしEVとグリーンセクターの成長が中国の不動産市場からの銅需要の減少を上回ることが出来るかどうかが最大の焦点です。その焦点のポイントとなるものは欧米を始めとした中国に対する保護貿易政策であると纏めています。単なる需給バランスだけでなく、政策的な動きを分析する必要が有ると言えます。足元では中国の1月のEV販売台数は前月比37%の減少、消費者物価も前年同月比で0.8%下落し、14年振りの低下率でデフレが継続している事が示されています。
https://www.businessinsider.com/china-economy-crash-real-estate-collapse-property-market-evergrande-bass-2024-2?amp
https://agmetalminer.com/2024/02/07/copper-mmi-copper-prices-today/


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