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世界の環境関連ニュース(2022年4月第4週)

LG化学、LGエナジーソリューション社と硫酸ニッケルの供給契約を締結した北米(本社カナダ)のリチウムイオン電池のリサイクル企業である「Li-Cycle社」が、Veolia(ヴェオリア)社の硫酸ニッケルの製造技術(HPD®結晶化技術)を採用する事を発表しています。この技術は2023年に稼働予定の米国ニューヨーク州のローチェスターの工場で利用する予定です。同技術はリチウム等の精製に使われる触媒を利用したものとなります。
https://bit.ly/3EAe7F8
https://bit.ly/36B1c9o

欧州ではタクソノミーに(天然)ガスと原子力を含めるかどうかで議論が白熱しています。欧州委員会の委員であるマイレッド・マクギネス氏(アイルランド)がガスと原子力を「グリーン」に分類するという計画を進めていますが、欧州議会で大きな反対にあっている事が報じられています。昨年より議論がありましたが、ウクライナの戦争を機に欧州議会の一部政党からも賛成が出ており、国によって立場が異なる為に、引き続き反対意見が継続しそうですが、含まれる方向にやや動き始めているようです。
https://bit.ly/3rKWvkC

大手ファーストフードチェーンの「マクドナルド」は、米国のジョージア州の28個所の店で、リサイクル材とバイオベースのプラスチックを50:50で混合したカップをテスト導入する事を発表しています。このカップは、Pactiv Evergreen、INEOS、Neste、LyondellBasellとのパートナーシップにより製造するものです。トライアルで使用するものは、透明なプラスチックカップとなります。マクドナルドによれば、このトライアルの透明カップは以前のものと同様に作られており、消費者が気付かず使用できる、としています。
https://bit.ly/3OtYymY

気候変動対策を政策の重要課題として取り組み、巨額のクリーンエネルギーインフラ投資予算を進めてきた米国の現政権がガソリン価格の高騰で岐路に立っている報道が目立つようになってきました。中東産油国は現米政権とは距離を置き、増産の話し合いにも応じない方針で、重質系の原油が出るベネズエラも過去の制裁から協力しない方針です。重質系のロシア産原油を精製し、供給してきた米国西海岸地域のガソリン価格は、ロシアの原油禁輸措置後、1ガロン(3.8L)で5.5ドル~6.5ドルを超えてきています。現政権が発足時には石油掘削プロジェクトの凍結をいくつも行ってきましたが、ここにきて急激に掘削計画とリグ増加を許可しはじめています。11月の中間選挙では民主党がかなり不利と言われており、レイムダック化した場合、気候変動対策に大きくブレーキが掛かりそうです。
https://www.nbcnews.com/politics/white-house/soaring-gas-prices-test-biden-climate-change-rcna24874

もう一つ、現政権にダメージがあるスキャンダルが、大統領の次男のハンター・バイデン氏の事業と個人に対する税金、マネーロンダリング、そして外国のロビー活動法に違反したかどうかを連邦政府が調査している事です。ハンター・バイデン氏は、過去にウクライナ、ロシア、中国の企業から過去にアドバイザー契約で数十億単位の資金を提供されており、その資金の流れに関する納税調査も含まれています。
https://www.cbsnews.com/news/hunter-biden-documents-paternity-tax-returns/

ドイツ政府が資金提供する自動車メーカーと電池生産者のコンソーシアム(BMW、ユミコア、BASF等が参加)は、欧州内のバッテリーと二酸化炭素排出量を追跡する「バッテリーパスポート」を開発する事が発表されています。パスポート開発の為に、政府はコンソーシアムに820万ユーロ(878百万ドル)の資金を提供します。既に改正予定の電池指令とフレームワークでは、2024年から炭素排出量を開示、2027年以降は炭素排出制限準拠を設定、リサイクル原材料の含有量の開示、更に2030年以降はコバルト、リチウム、ニッケル、及び鉛のリサイクル材料の必要最小含有量を利用する義務が生じます。これらを追跡する為のものです。元々ドイツはロシアのガス利権の掌握と中国の電池利権の利用を目論みていましたが、戦争を機に方向転換が迫られています。
https://reut.rs/3vbeLWD

口に入る「油(オイル)の争奪戦」が始まっています。先週末にインドネシアが一時的にパーム油の輸出禁止措置を4月28日から計画しているというニュースが流れ、既にひまわり油(ウクライナ生産地)の価格が上昇している中で、他の食用油の価格の上昇にも繋がっています。インドネシアではパーム油の国内流通価格を下げるという目的での禁輸となるようです。PKSには若干の影響があるかも知れません。欧州では外食産業や食品工場で使用する各種の食用油の高騰がエネルギーや石油価格の上昇と相まってよりインフレを加速している状況です。
https://bit.ly/37B0Joo

欧州の各メディアでも頻出している話題は世界的な株価、コモディティーの下落です。相場的な短期的な動きなのか、もう少し長めのトレンドになるか見解が入り混じっています。米国では今年の成長率が1%台になる可能性も指摘され始めました。北京のロックダウン予測だけでなく、欧米のインフレと米国の金利上昇、食料価格の上昇による新興国への影響の顕著化、更にマクロン大統領の再選で欧州がロシア石油の禁輸へより強い動きを見せる可能性がある事から、全面安になっているようです。
https://reut.rs/38nAemk

ベルギーのKU Leuven(大学)の調査報告が各方面で報じられています。この報告書は、欧州の非鉄業界機構であるEurometauxが、同大学に依頼し発行されたものです。報告書は、EUが「グリーンディール」の目標を達成するには、今後最大35倍のリチウムと26倍の希土類金属が必要になる、という内容を含んでいます。それ以外にも欧州域内だけでニッケルは倍、コバルトは3.3倍以上が必要になる、としています。これに対し2040年頃からリサイクルが金属需要を満たす為に助けになる、としており、リサイクルの重要性を強調しています。ウクライナ戦争によりエネルギーのロシア依存を排除する為の1つの喫緊の課題としてクリーンエナジーと輸送の電化があり、ある程度不況でも政府主導でこの流れは変えられないので、非鉄の需要は当面続きそうです。
https://bit.ly/38k9enA
https://bit.ly/38fjYDL
https://bit.ly/3vcrNmH

中国の鉄鋼協会が鉄鋼の国際価格が上昇しても輸出に回さず内需向けに出荷を優先するよう通達を出しているようです。3月出荷は鉄鋼上昇でトレーダーを中心に増加していた模様です。
https://bit.ly/3vfVB1E

米国のコロラド州デンバー市が、「持続可能な資源管理計画(SUSTAINABLE RESOURCE MANAGEMENT PLAN)」を発表しています。同計画の目標は、今後5年間でリサイクルと堆肥化を2倍にすることです。 2027年までに廃棄物の転用率(リサイクルや堆肥に転用)を50%に、2032年までに70%にする事が目標となります。
転用率が50%になると、温室効果ガスの排出量が約3,000,000トン削減される、としています。コロラド州は安価な埋め立て費用とリサイクル・インフラが不足している為、廃棄物転用率は全米平均の35%を下回っています。2018年には17.2%、2020年は、わずか15%でした。環境汚染問題から、米国でも徐々に廃棄物の埋立て処理を少なくする方向性が出てきています。
https://bit.ly/3xPPX8k
https://bit.ly/3kvfYlD

サーキュラーエコノミーに焦点を置いたEVが発売される事がフランスの大手自動車会社ルノーより発表されています。新型のメガーヌ E-TECH Electricは最初からサーキュラ―エコノミーを念頭に置いて設計されており、車輛全体の90%がリサイクル可能で、再生プラスチックを28Kg以上利用している、という事です。ルノーは昨年Flins市にある同社の工場を丸ごと中古車・廃車の再生工場とする事を発表しており、RE-FACTORYプロジェクトとして進められています。2021年から2024年に掛けて、RE-FACTORYでは、以下の4部門が立ち上がる予定です。Re-Trofit(レトロフィット)、Re-Energy(リ・エナジー)、Re-Cycle(リ・サイクル)、Re-Start(リ・スタート)、この4部門の活動により、車両の寿命全体をサポートできるようになります。サーキュラーエコノミーの主要な要素である、供給、エコデザイン、機能の経済性、メンテナンス、再利用、再製造、そしてリサイクルを達成していきます。同社はリサイクル事業によって2030年には11億ドルの収益を上げる事を目論んでいます。バッテリーだけでなく、耐候性や耐久性への対応に用いられる白金類、統合ECUに使われる貴金属類等、駆動系に使われる希土類等の量を考慮すると、原材料だけでも高価になる為、EVのサーキュラ―エコノミーへの取組は経済的にも理に適うようになりそうです。
https://bit.ly/3OF5nCo

Euractiveによると、ドイツがポーランドの援助を得る事によりロシア産の石油の禁輸賛成に回る可能性が高くなっている事が伝えられています。これにより、近々に発表される予定の欧州によるロシアへの6番目の制裁パッケージに何らかの形の石油禁輸措置が入る可能性がある、という事です。しかし、既にインドはバーゲンで1500万バレル以上のロシア産原油(石油)を購入しており、実効性が高い制裁を課しても、一部は他に回る可能性があります。欧州委員長がインドを訪問しており、バイデン政権もインドを取り込みに入っており、中立と是々非々を保つインドが多少のキーポイントになりつつあるようです。
https://www.euractiv.com/section/energy/news/germany-very-very-close-to-independence-from-russian-oil/

英国のバーガーキングの幾つかの店で、容器包装に再利用可能なものを使い、店内でデポジットシステム(返却時に返金)を試験運用する事が報告されています。再利用可能なパッケージを使う商品は10種類で、WhopperとCrispy Chickenバーガーも含まれています。客はトレイを返却すると商品購入時にトレイを利用する為に支払った1ポンドの保証金が戻ってきます。2022年4月26日から2022年9月5日まで、Ipswich地区の4つの店とNewmarket地区の1店で試験運用となります。この試験運用が成功した場合、システムをより広く展開する事を検討する可能性がある、としています。バーガーキングはファーストフード店としてデポジットシステムの試験運用を昨年もおこないましたが、商品類を増やしています。
https://bit.ly/38xWbiI

ソーシャルメディアのツイッターが、気候変動に対する懐疑的な広告(気候変動を否定する内容の広告)を禁止する事を発表しています。これは、(言論の自由:Free Speechを推進する)イーロンマスク氏がツイッターを買収する前に行われます。今年の初め、TwitterはEU気候協定に参加しました。パリ協定に従って、欧州連合内の場所で行う事業は再生可能エネルギーに完全に移行するという事が含まれています。米国では、気候変動の議論は科学の問題というよりも政治問題となっており、リベラル派と保守派で見解の大きな相違を示しています。マスク氏はTwitter買収時に以下のコメントを残しています。『言論の自由は機能する民主主義の基盤であり、ツイッターは人類の未来に不可欠な問題が議論されるデジタルタウンスクエアである』『また、新機能で製品を強化し、アルゴリズムをオープンソースにして信頼を高め、スパムボットを打ち負かし、すべての人間を認証することで、Twitterをこれまで以上に改善したいと考えています。Twitterには大きな可能性があります。会社と協力することを楽しみにしています』。人権活動家は、マスク氏がツイッターを買収する事で、ヘイトスピーチ、偽情報、誤報が以前よりも早く広がり、政治的反対者や疎外されたコミュニティに悪影響を与える可能性がある懸念を示しています。これに関連してIndependent紙が報じていますが、前米大統領だったドナルド・トランプ氏が立ち上げたソーシャルネットワークの「Truth Social」がTwitterを抜いて米国のIPhoneのダウンロードアプリのトップになっているという事なので、この手のソーシャルメディアが果たす政治的影響力の大きさも理解できます。PinterestやFacebookなども、気候変動の誤報の配布(気候変動否定論)を抑制するポリシーを導入しています。ソーシャルメディアによる「検閲的行為」は(影響力が大きく民意を動かしやすい為)現在、欧米で激しい議論となっています。
https://bit.ly/39mENxF
https://yhoo.it/3Kj4onV

NGOのReclaim Financeとそのパートナーが調査した内容が欧州の幾つかのメディアで取り上げられています。(超)大手多国籍資産運用会社の30社が新規の石炭プロジェクト開発と石油およびガス会社に持つ資産(投資額)の合計は、それぞれ820億ドル(約10兆円)、4680億ドル(58.5兆円)に上り、気候変動対策の為に投資慣行を根本的に変更しておらず、石炭、石油、またはガスの投資を削減していない実態が明らかになっています。
いずれの資産運用会社も、ポートフォリオ内の企業に石炭、石油、ガスのプロジェクトをやめることを要求していない、という事も含まれています。調査対象の資産運用会社30社のうち25社は、 2050年までに気温上昇を1.5℃以下にし、2050年までに排出ネットゼロに向け投資を支援するという「ネットゼロアセットマネージャーイニシアチブ(NZAM)」のメンバーです。化石燃料への資産運用が多いランキングは、一番下のリンクのレポートの15ページ目にあります。欧米では企業によるグリーンウォッシングが大きな問題となり始めています。
https://bit.ly/3vJCqww
https://bit.ly/3y0ZsBB
https://bit.ly/36WKTnG

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