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世界の環境関連ニュース(2021年9月第3週)

タタスチールがオランダの工場で水素利用と直接還元鉄(DRI)の技術を最適化して脱炭素を図る計画を発表しています。同工場は、5月に環境ロードマップを発表しており、今後2年間で臭気汚染を85%削減、2023年までに周辺地域への粉じん排出量を65%削減、2025年までに窒素酸化物、微細粉塵、重金属を削減する為の新しい施設の建設、を発表しています。
https://bit.ly/3nDSQnD

USスチールが新規の電炉工場を作る場所の選定に入ったと発表しています。投資額は30億ドル、電炉は2基です。2022年前半に新工場建設を開始、2024年に生産を開始する予定です。生産能力は年間300万トン。電炉への投資は継続して進んでおり、スクラック利用の自国内消費が増えるものと思われます。
https://bit.ly/2XslPQk

9月に入りLMEパスポートがLMEで実施されています。10月からアルミの倉庫取引で利用される予定で、金属の炭素排出量やその他の調達資格等、持続可能性に関する付加価値情報を自主的に含める事も出来ます。購入者はデューデリジェンスや炭素フットプリント情報の有無を収集する事ができます。2024年からは生産者による情報も含まれるようになります。
https://www.lme.com/en/Trading/Initiatives/LMEpassport

Fast Marketによると、11月からマレーシア政府が、鉄、銅、アルミの各スクラップの「事実上」の輸入禁止措置を取るようです。理由は、輸入スクラップに対する不純物「ゼロ」という厳格な基準を設けるという事で、これにより事実上該当種類のスクラップ輸入が不可能となる、としています。業界の反対にも関わらず、マレーシア政府はこの措置を行う、としています。
https://bit.ly/3AtiHC7

米国の電炉メーカーでスクラップ確保の為のM&Aの動きをArgusが伝えています。Nucor、Steel Dynamics(SDI)、Commercial Metals(CMC)、Gerdau等の主要なプレイヤーは、既に金属リサイクル部門を買収や自社開発で事業に取り込んでおり、現在このような動きが活発化している、というものです。特に米南部のアラバマ州、アーカンソー州、フロリダ州、ケンタッキー州、ミズーリ州、テキサス州での電炉の総製鋼能力が年間975万トンを超える可能性があるとしており、鉄スクラップ需要が増す事が予測されています。
https://bit.ly/3hOHSrF

国際的なメタン排出削減に関するEUと米国の共同プレスリリースが正式に発表されています。このメタン削減に関する国際誓約(Global Methane Pledge)にはEU諸国と、それ以外では8ヵ国が参加していますが、アジアからは1ヵ国もありません。COP26で参加国を増やす見通しです。メタンはエネルギー産業、農業、廃棄物処理業等から発生する為、この誓約に参加する事で受ける制約で、該当産業はかなりのコスト負担になると言われています。
https://bit.ly/3tWdIY8

欧州大手石油会社「PB」と廃棄物管理大手「Brightmark社」がドイツ、オランダ、ベルギーで大型のプラスチックケミカルリサイクル施設を建設する為のMOUを結んでいます。このプロジェクトを通じて年間840万トンのプラスチックを埋め立て投棄からリサイクルに回す事ができる、としています。Brightmark社は、米国ジョージア州で年間40万トンの世界最大のプラスチックケミカルリサイクル工場建設計画を発表しています。この情報は石油化学の大手がケミカルリサイクルに参画という事だけが重要ではありません。今、欧州で現実味を帯びている事として、機械リサイクルによる「複数回」のプラスチックリサイクルの限界です。4-5回リサイクルで加熱時の着色や機械特性の変化があり、機械的なリサイクルでの限界が今後露呈してくる、と見られています
https://bit.ly/3Al9vjj

米国鉄鋼大手「Nucor」も300万トンの新規EAF工場を設立する事を発表しています。下工程は熱間圧延シートの製造工場となります。Nucorは既にルイジアナ州の工場で直接還元鉄(DRI)も製造しており、米国で最もグリーンな鉄鋼メーカーを目指すとしています。
https://bit.ly/3lHfhWw

オーストラリア最大の鉄鋼メーカー「Blue Scope」が、米国事業の多角化を目指し、米国東海岸に電炉(EAF)を建設することを検討していると報じられています。Blue Scopeは、既にオハイオ州のBlue Scope North Star のEAF工場で10億ドルを投資した拡張プロジェクトが進行中です。下記リンクはオーストラリアのFinancial Review紙のものですが、高炉が脱炭素の新技術(主に水素還元)を商業ベースで利用できるのは、2040年代になっても難しいのでは、との見解です。鉱業採掘大手のBHPやリオティントはかなりのインセンティブでこの技術的課題に取り組んで入るが困難だろう、としています。暫くは米国での冷鉄源需要は増加し続けると思われます。
https://bit.ly/39mKKaH

島国のイギリスで、過去数年にわたり脱炭素の為に石油、石炭への補助金停止と再生可能エネルギーの過度なインセンティブで、ガス価格の高騰に伴う電力価格の暴騰が、今大きな問題となっています。特に冬を迎えるこれからの懸念が大きくなっています。政府が石油/石炭発電への助成金を政策として緊急動員する可能性を示唆し始めています。スペインやポーランドでも電力価格が暴騰しており、欧州では急激すぎる政策転換へのコスト高が露呈しています。欧州では、早くも電力を大規模に消費するアルミ産業が懸念を伝えています。アジアでもLNG価格が暴騰しており、昨年の倍以上になっています。エネルギー問題というのは政治的道具と現実がいつも交錯するもので、このあたりは難しい所です。
https://s.nikkei.com/3AtdNFv
https://s.nikkei.com/2XAdPMY

トルコがパリ協定を批准する方針(議会承認必要)を発表しました。トルコはG20加盟国では最後までパリ協定に批准していない最後の1ヵ国です。パリ協定を分かり易く一言で言うと、温室効果ガス削減の国際的協定の元祖であった京都議定書が、パリ協定にとって代わったという事です。年間2,000万トンの鉄スクラップを輸入し、その1.3倍の電炉鋼を生産するトルコは、原子力発電も無く、再生可能エネルギーも限られています。新たに発見された東地中海の天然ガス資源(石炭より炭素減)と同海域権益を巡って、現在ギリシャと軍事演習を繰り返す程に対立が深まっており、トルコにとって脱炭素エネルギー問題は喫緊の課題です。このプランが無く、今までパリ協定に批准していませんでした。鉄鋼製品とセメントが対象品目に含まれる「EU炭素国境調整メカニズム(国境炭素税)」が2023年から実施され、2026年には懲課金制度が始まる為、トルコの製品(特に鉄鋼製品)が最も影響を受けると言われています。今回のパリ協定批准はそれらへの対応です。 ただし、2026年迄に国として(鉄鋼業界がEU ETSと同等)の脱炭素を達成する事は無理だと見られています。2026年迄には、新たに米国で900万トン程度のEAFが稼働し北米からのスクラップ輸出量玉に影響(価格も下げにくい)、トルコ製品がEU輸出で課金支払いが生じて数量が減り、よりトルコ製品がアジアに流れると、アジア産の製品とスクラップのスプレッドは今よりも厳しくなる可能性があります(ベトナムには影響が出るかもしれません)。現在もEUは鉄鋼セーフガードを発動しており(トルコは別にダンピング課税対象)、今年夏に3年間延長する事を決めています。既にトルコ製品がよりアジアに流れ中国の輸出価格に左右されており、EUのセーフガードは韓国鉄鋼業界への影響もあると報道されています。
https://reut.rs/3zr6qNv
https://bit.ly/3zwEfMU

米国の大手飲料メーカーの「ペプシコ」が大胆な持続可能性戦略を発表しています。プラスチック削減、リサイクル率の向上、リサイクル材利用率の向上に留まらず、調達や販売を含めるバリューチェーン全体のカーボンニュートラル化、農業フットプリント、水のオフセットを含む水資源のポジティブ化等、多岐にわたるものです。かなり大胆な戦略で、ビバレッジ業界に与えるインパクトは大きいと思われます。これは、世界展開で膨大な利益がある水とコーラ業界だからこそ出来る事なのかもしれません(「お茶」では無理かもしれません・・・・)。
https://bit.ly/3ktjLAl

日本では名前をあまり知られていないと思いますが、ポーランドの非鉄リサイクラー大手の「Elemental Holding(エレメンタル・ホールディングス:ワルシャワ証券取引所上場)」が米西海岸の非鉄大手の「Legend Smelting and Recycling(LSR)」を買収した事が専門誌で伝えられています。LSRの年間売上高は約2億5000万ドル(270億円)で、西海岸では大手です。エレメンタルは、ポーランド国立研究開発センター(NCBR)によってサポートされた、リチウムイオン電池と基板の湿式リサイクル工場をポーランドで最初に設立した会社です。エレメンタルは、15ヶ国で事業を展開しており、北米への投資はこの買収で1億ドルを超えた、としています。エレメンタルはリサイクル業界でも突出して市場と政府資金を活用して次々に買収・拡大を続けている会社の1つです。
https://bit.ly/3zr4xQV
https://evcilerelemental.com/elemental-holding-sa/

インドがスクラップ供給の為に、船舶リサイクルを倍増する事を発表しています。インドは2019年に船舶リサイクル法を制定し、香港国際条約に加盟しました。今年に入り、政府方針で2024年までに船舶リサイクルの能力を2倍にし、150,000人の雇用を創出、船舶リサイクルのシェアを30%から50%に引き上げることを目標としています。脱炭素もありタンカー市場の低迷で、廃棄タンカー船は主に入札でバングラディッシュとパキスタンの業者に引き渡される事が多いのですが、ここにきて、インドが政策もありスクラップ確保に大型船舶の解体を国の戦略として実施してきています。
https://bit.ly/39KrbcF

米国自動車メーカーの「フォードモーターズ」が本格的にリサイクラーと協業してバッテリーの材料確保に乗り出す事を発表しています。提携先は同じく米国の「Rewood Materials社」です。同社は、先週アノード・フォイルとカソード材料を米国内で生産する計画を発表しています。カソード材料の生産容量は、2025年までに電気自動車100万台に相当する100 GWh分を計画しています。バッテリー材料の大部分を中国・韓国に依存する現状から国内調達を増す方向に動いています。
https://bit.ly/3nYCiXy

複数のメディアでブラジルが炭素削減の為に、自主的炭素市場により脱炭素化を進める法案を可決する見込みである事が伝えられています。ブラジルは、2030年までにCO2排出量を2005年のレベルから43%削減するという目標を設定済みです。立法案では、当初の5年間は自主的な炭素市場を持ち、経済の特定のセグメントに対して緩やかに脱炭素化目標を採用していく、という事です。この法案では、環境保全(植林や森林保全)による炭素クレジットを発行することによりカーボンニュートラルを推進します。2030年までに最大1,000億ドルの炭素クレジットを生み出す可能性があると推定されています。
https://bit.ly/2Zfc1Kb

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