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世界の環境関連ニュース(2021年8月第5週)

EUでは脱炭素に向けた水素をめぐる議論はまだ続いており、今月米国の2人の科学者が出した研究論文が波紋を広げています。天然ガスを精製(変換)して作られるブルー水素について、ガス業界は脱炭素の重要なエネルギーとしていますが、実際は天然ガスをそのまま燃焼させた方が、変換にエネルギーを必要とするブルー水素よりも20%GHGが少ないというものです。木質バイオマスとブルー水素は、今や業界のロビー活動の負の遺産と言われるような報道が目につきます。日米欧とも過去何回も政府による水素エネルギーPJT(方針含む)を掲げてきましたが、商業ベースで成功した例は、ほぼ無いという事が水素の難しさを端的に示しています。
https://bit.ly/3zp8KFh

政治や感情を排除しデータとハードサイエンスと客観的な事実のみに焦点を当てた議論を展開する「ヨーロピアンサイエンティスト」が地球温暖化(の論文や出版)に対する科学者の「コンセンサス」について面白いデータを展開しています。地球温暖化と、その原因そのものについて言及しているのではなく、それらについて科学者が90-100%コンセンサスを得ているとする理論(や出版物)に対し、コンセンサスの集計方法、データや評価方法に関する様々な悪意のない人為的な操作を明確にしています。これは、このテーマだけでなく全ての事に当てはまるので、一方的なものでなく比較する両論がある事が健全と言えます。
https://bit.ly/3zsxIDS

スイスの乳製品会社「Emmi」がrPPの飲料カップを市場に投入する事を発表しています。同社は化学系の技術会社である「Boreali社」、パッケージを製造する「Greiner Packaging社」と提携しており、ケミカルリサイクルによるrPPを製造、同社のカフェラテであるEmmi CAFFÈLATTEにこのrPPカップを利用しています。 2021年9月から市場に投入し、毎年少なくとも100トンのrPP飲料カップを使用する予定、としています。 将来的に廃棄物の回収が進めば再生プラスチックの量が更に増える予定です。こうしたメーカーが参入するリサイクルはリサイクラーにとっては大きな問題で、高価なPET、PP、ABS、PE等はメーカーが抑えてしまい、低価格なその他のプラスチックだけが集まるという事になりかねません。既に英国ではそのような動きが出ています。
https://bit.ly/3sSYUt9

欧米では今年から廃棄物の流れを変えるような大きな概念の法制度が順次実施される予定で議論(既に実施予定含め)されています。幾つかのメジャーな報道機関によって、この新制度の影響が解説されています。最初に英国とEU、既に米国の14州で法制度化が進みつつあります。その概念は「修理権」法(Right-to-Repair law)というもので、メーカーに修理対応の為のスペアパーツ供給を保証期間を超えて指定するものです。EIUで法制度化しているエコデザインの一部にも盛り込まれています。英国とEUでは家電(食器洗浄機、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、冷凍庫、テレビ、電子ディスプレイ)が対象です。初期はLaptopやスマートフォンは含まれませんが、今後、拡張する事を政府が示唆しています。今まで、製品が修理できるかどうかはメーカーが部品を供給するかどうかで決まり、メーカーの単独意思で競争もなく決められていました。その為、1つの部品を修理する事で製品が継続使用可能だとしても、その1つの部品が入手できなくなり、製品そのものを棄てる事になり廃棄物が増加する原因ともなっていました。この制度により英国とEUでは廃棄物量が減ると言われています。 こうした新概念の法規制は必ず日本にも波及しますので、リユースやリペア市場を狙った新しいビジネスモデルも出てくると思います。欧米では早くも家電や「IT資産処分(ITAD)サービスプロバイダー」に影響が出ると言われています。
https://bit.ly/3gKTBHc
https://bit.ly/3ynVlMF
https://bit.ly/3BqmosA

以前に何度かお伝えしているスウェーデンのアルミメーカーの「Hydro社」が、8月に新規の電力契約やパナソニックを含む戦略パートナーシップ、生産拡張を発表しています。スウェーデンのSjunnenにある押出工場のアルミニウム再溶融能力を50%増加させるため、1,330万ドルの資金調達も行っています。Hydroはアルミメーカーとしては先進的な脱炭素を進めており、2030年までにGHGを30%削減させる事、また既にリサイクルアルミを一定比率含む「低酸素アルミ」を製品に導入しています。スウェーデンは化石燃料による発電が2-3%しかなく、最近は低酸素や脱炭素の製品PJTが多く行われています。アルミは欧州国境炭素税の最初のターゲットになっています。
https://bit.ly/2Wz3dOb

2021年7月にEUで発表された新しい法規制の枠組み(Regulatory Framework)によって、昨年12月に発表された電池指令の具体的なリサイクル率の数値がより精緻化されています。2025年末迄には、廃電池から回収する金属の目標数値は、コバルト、銅、鉛、ニッケルが90%、リチウムが35%です。この数値を達成する為にリチウムイオン電池リサイクルセクターへの投資は年率30%になる見込みという事が示されています。2030年には、リチウム電池の需要は電池そのものが現在の18倍、コバルトは現在の5倍、2050年には電池需要は現在の60倍、コバルトは15倍を超えると予測しています。リチウムイオン電池市場は顕著ですが、欧米と日本の一番の差は「前例が無いからやる(欧米&中国)」と「前例が無いから様子を見る(日本)」という事のようです。
https://bit.ly/3jrllSQ
https://bit.ly/3jqrpv1
https://bit.ly/3zzl8CQ

英国最大のリチウムイオン電池会社を目指す「Britishvolt」が先日鉱業世界大手の「グレンコア(Glencore)」とコバルトの長期供給契約をした事はお伝えしておりました。同時にグレンコアはBritishvoltに出資する事も発表しています。出資比率は非公開です。Britishvoltは1年以内に上場を予定しており、それまでに複数の資金調達ラウンドを言及しています。欧州メーカーであるBritishvoltやNorthvoltは特にコバルト調達についての「デューデリジェンス」とサプライチェーンのフットプリント化を重要視しており、EUやUKで始まるデューデリジェンス法への対応を戦略に盛り込んでいる事が大きな特徴です。
https://bit.ly/3gHUZKL

リサイクル機械システムの大手「Tomra」が欧州のリーバースベンディングマシーンの供給を拡充する事を発表しています。大手スーパーマーケットの「Tessco」がスロバキアで開始された新デポジットシステムの為に同社の機器を利用する事を発表しています。Tomraは既に北欧や西ヨーロッパで同様のスキームに機器供給をしています。機械以上に、このデポジットスキームに合わせて機器を供給できる「体制」を構築している事が同社の強みと言えます。欧州では、全加盟国にデポジットシステムを適用するよう促すイニシアチブを欧州政府が認めており、今後、市場拡大していく見込みと共に、廃棄物の回収スキームだけでなくリサイクルプラスチック製造までのルートがメーカーによって決められる事になります。
https://bit.ly/2WJpGbs

欧米では「Next Big Thing」と言われている車のサブスクリプションのニュースです。欧米では自動車の電動化に伴い2030年までには自動車販売の10%がサブスクリプション化されるとの予測も出ています。米国で車のサブスクリプションを主業とする「Go」が地域を拡大する事が伝えられています。サブスクリプションは通常のリースより20%程度安価で、且つ柔軟性があります。Goは新車専門のサブスクリプション・プロバイダーですが,既にメーカー(ボルボは電動車で)やレンタカー会社もサブスクへの動きをするところが出てきています。個人が所有して廃車になる、という流れに変化が起きると予測されています。
https://bwnews.pr/3t5A9K7
https://www.gosubscription.com/

中国最大=世界最大手の宝山鋼鉄が鉄鋼生産量を下期に減少させる事が伝わっています。政府の措置によるもので、下半期の鉄鉱石価格が下落する、と伝わっています。
https://bit.ly/3DFsqHK

2023年には少なくとも276隻の新規のコンテナ船が就航し、コンテナ不足は大幅に改善するとAFPが伝えています。現在発注されているコンテナ船の数は記録的なレベルで、少なくとも2023年にはコンテナ不足は解消する、と伝えています。但し2021-22年に掛けての増加率は僅か3%という事で、現在の状況が直ちに解消されるという事ではないようです。逆に2023年後半には過剰供給が起こる可能性があります。
https://yhoo.it/2V3NAxE

Simsの子会社である「SIMS Lifecycle Services (SLS)」が、メキシコに拠点をオープンした事を発表しています。SLSはIT資産処分( IT asset disposition (ITAD))を専門とする会社です。これ自体が大きなニュースではありませんが、実は今、欧米では大手IT企業がデータセンターを炭素規制や炭素負荷(コンプライアンス上の)の少ない地域に移す事を既に検討し始めているようです。
https://prn.to/3zuR0Zj

欧州における海上輸送環境報告書(EMTER)が発行され、海上輸送における炭素削減を推進するよう促しています。この動きは、国際貿易におけるコスト上昇を招く可能性があります。炭素以外に酸性ガスである二酸化硫黄の排出量は2019年に163万トンに達し、海上輸送からの世界排出量の16%に相当する、という事です。海運部門は現在EU ETSに含まれていませんが、既にETSに含める方向で徐々に既成となりつつあります。2018年に日本で炭素市場を報道する事は殆ど皆無だったと思いますが、欧州では2018年は世界中の投資家が注目する炭素市場ブームの元年でした。海上輸送の脱炭素化とオフセットは、欧州で今ホットな話題です。
https://bit.ly/3jytrt1

独BMWグループが生産を含む車輌のライフサイクルにおいて炭素排出量を2030年迄に少なくとも40%削減する計画を発表しています。製造に使用するリサイクル材と再利用可能な材料の割合を30%近くから50%に引き上げるなどの対策も実施してこの計画を実現する、としています。欧州の自動車業界では既に何年も前からライフサイクルアセスメントは行っていますが、今回、車両の全寿命に亘って炭素排出量を改善する、としている所が注目されます。OEMのこの動きは当然部品メーカーへの要求に反映される事になり、業界全体が取り組む課題に昇華する事になります。ドイツでは9月26日に総選挙が行われる予定ですが、最近まで今年の大洪水の影響もあり気候変動への関心は高く、争点になっていました。
https://yhoo.it/3BCufTO

スウェーデンで世界最大のプラスチック包装容器リサイクル工場を設立する投資が発表されています。その額は、およそ1000億円です。「Svensk Plaståtervinning社」によるもので、スウェーデン全土からの廃棄物を受け入れ可能としています。工場は脱炭素エネルギーで運用される為、『Site Zero』と名付けられています。処理能力は年間20万トンで当初は4種類、将来は12種類の包装プラスチックを処理する予定です。小国スウェーデンでこのような大型投資は稀ですが、脱炭素系での投資は非常に活発です。
https://bit.ly/38Cq7XI

EUでは照明のラベリングが変更になりました。前月までA++だったエネルギー効率の基準がCレベルになり、大幅にエネルギー効率の敷居値が上がっています。新しいエネルギー効率を表すラベルは既にTVや洗濯機では採用されており、AやBランクを取る事がかなり難しくなっています。EUでは、照明だけで2030年までに年間700万トンのCO2換算のエネルギーが節約される、としています。エコラベルの適用範囲が今後、拡大される予定です。
https://bit.ly/3DIwdE0

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