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世界の環境関連ニュース(2022年07月第4週)

ドイツのタイヤリサイクル企業である「Pyrum Innovations AG」がドイツ南部のバイエルン州でスクラップタイヤを熱分解リサイクルする合弁会社を設立したと発表しています。『Revalit GmbH』という社名で、処理能力は年間2万トンの廃タイヤで、2024年に操業を開始する予定です。同企業は4社による合弁で、残りの3社はMCapital GmbH、Textor GmbH、Auer Holding GmbHとなり、それぞれが25%の株式を保有します。
https://bit.ly/3PNBgZ4

Pyrum Innovations AGは、最近、Schwalbe(シュワルベ)ブランドで有名な自転車用のタイヤメーカーであるRalf Bohle GmbHと提携して自転車用のタイヤ・トゥー・タイヤのリサイクルに乗り出す事を、フランクフルトで開催された世界最大の自転車見本市Eurobikeで発表したばかりです。
https://bit.ly/3PNBgZ4

今後巨大な産業の商圏となると言われている持続可能なメタノールとそれを燃料とする海運業のニュースです。既に世界最大のコンテナ船会社であるデンマークのマースク社はメタノール燃料が利用可能な船舶を2024年までに8船利用できるように進めており、海洋及びエネルギー機器の大手サプライヤーであるフィンランドのWartsilaは、2023年にメタノール燃料を利用できる新型エンジンの販売を発表しています。世界のメタノールの生産は過去10年でおよそ2倍の9,800万トンに達し、更に2050年には年間需要が5億トンに達する可能性が示唆されています。現在、バイオメタノールを含む再生可能メタノールの生産は年間わずか20万トンに過ぎず、全体の0.2%しかありません。メタノールは伝統的に酢酸やホルマリン(ホルムアルデヒド)の原料でしたが、近年エチレンやプロピレンの原料としても使用されるようになり、それらが原料または中間素材となり、プラスチック、合成繊維、接着剤、塗料、及び医薬品等に広く利用されるようになり、急激に需要が増しています。しかし99.8%は化石燃料(主に天然ガスと石炭)が原料の為、グリーン化が大きなテーマとなっている原料の1つです。
https://bit.ly/3OxIjnP

韓国の大手リチウムイオンバッテリー製造メーカー3社が共同で欧州政府に意見書を提出しています。意見書の提出を行ったのは、LG Energy Solution、SK On、Samsung SDIの3社と韓国電池産業協会の代表者です。欧州委員会は電池業界から意見を集めた後、早ければ来年にも規制を制定する予定です。意見書では、欧州のバッテリー規制法案が原料のリサイクル率を高く設定し過ぎていると指摘しています。現在の欧州規制草案ではEUでバッテリーを製造する企業は、2030年からの原材料のリサイクル材含有比率に準拠する必要があります。2030年のリサイクル含有率は、コバルト12%、リチウム4%、ニッケルが4%です。2035年以降、必要な比率はコバルト20%、リチウム10%、ニッケルが12%で、それ以降に、更に引き上げられます。意見書では、現在の規制案の数値では、収集した廃電池と新しく製造した電池の両方を数年以内にリサイクルしなければならない状況に追い込まれる可能性があり、韓国電池メーカーのコスト負担が増えるだけでなく、数年以内に欧州の電池工場を正常に稼働させることが出来なくなる可能性がある、としています。
https://bit.ly/3J1Ih6z

英国で重要なリサイクル材に関する政策提案が発表されています。英国政府がポリシーペーパー(政策白書)を発行し、「地政学と物流の混乱」から英国のサプライチェーンを保護する為に、「重要な鉱物のリサイクル」を促進する規制を検討する事になりました。7月22日にビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)が「コミットメント」として発表したもので、重要な材料のバリューチェーンを最大化する為の鉱物戦略となっています。今後、市場の技術が高度化するに従い、重要な鉱物資源への依存度が高まります。これらは、電子機器、電気自動車用バッテリー、風力タービン、医療機器などの製造に使用されます。しかし、それらの鉱物資源の多くは偏在しており地政学や物流の混乱での影響を大きく受けます。BEISは国内のリサイクル能力を高め、リサイクルを促進し、鉱業の環境影響を軽減し、国家安全保障を強化しようとしています。リサイクルを促進する為の規制は、今年後半に予定されている廃電気電子機器(WEEE)の規制に関するDefra協議、及び拡大生産者責任(ERP)を含む使用済みバッテリーに関する協議を通じて調査される予定です。廃棄物は原料として資源ナショナリズムの範疇に入る事になる動きです。
https://bit.ly/3vhrlDo

イギリスでCosta CoffeeとMcDonald UKが、高速道路のサービスエリアにて両社で利用される飲み物カップのリサイクルプログラムを行うと発表しています。これは、英国内の30サービスエリアにて実施予定で、高速道路のサービス会社であるRoadchefとの協力で行います。これは、英国のUnisan UKが設計した分別収集ボックスを利用し、分別収集されたカップとフタを、契約しているリサイクル会社に送り、再びカップやフタにするという取り組みです。マクドナルドUKは、2030年までにレストランやオフィス全体で、2040年までにバリューチェーン全体でネットゼロになることを誓約しています。欧州では多国籍企業にとってESGは企業評価に直結する為「目に見える」カタチのキャンペーンが宣伝される傾向にあります。
https://bit.ly/3PY9sS3

久々にアル・ゴア米元副大統領が米紙のトップニュースとなったので、今の米国の左右の報道の違いを知る良い機会かと思い取り上げます。NBCテレビのMeet The Pressのインタビューで気候変動危機と米国の民主主義の危機を訴えた内容が報じられ、中道から左派系のメディアではそのまま強調された内容が報道されています。英国でもGuardianがカリフォルニアの山火事と絡めて気候変動を大々的に取り上げています。これに対し右派系のFox NEWSはホストアンカーのJESSE WATTERSが、アル・ゴアによる気候偽善の例をあげています。アル・ゴアは250万ドルの家を持ち、月に3万ドルの光熱費を払い、温暖化で海面上昇の危機を大々的に訴えているにも関わらずカリフォルニアの海岸部に900万ドルの別荘を購入し、気候変動のドキュメンタリー映画の興行収入で5000万ドルを得て、自身が20%所有していたケーブルチャンネルCurrent TVを(気候変動に前向きでない) カタールの首長が資金提供したアラブのニュースチャンネルAl-Jazeeraに売却して1億ドルの資金を得て、更にグリーン企業にのみ投資する17億ドルの投資ファンドを立ち上げたばかりであり、彼は(気候変動を利用して)「スティックアップアーティストのようにお金を稼ぐ」、と皮肉っています。
https://abcn.ws/3cDdMYq
https://fxn.ws/3PGvGrR

欧州で30年以上前に設立され、政治的なロビー力もある「Transport &Environment」が欧州政府による食用作物から得られるバイオ燃料政策を「ヨーロッパの最も愚かな気候政策」として非難しています。バイオ燃料はゼロエミッション燃料と規定され、気候目標を達成するためのツールとなっています。欧州では毎日1万トンの小麦を(バイオ燃料として)車で燃やしています。欧州連合で消費される大豆油の内、3分の1は自動車やトラックで使用されています。ウクライナに対するロシアの戦争によって食料供給が悪化し、深刻な食糧不安に直面している人々の数は世界で3億4500万人になりました。EUのバイオ燃料は、大手石油会社によってますます支配され、バイオ燃料生産者の一団に利益をもたらし、輸入が増加し当初目論んだ通り、EUの農家に利益をもたらしていません。同サイトではこうした経緯を「ヨーロッパ独自の気候政策とそのグリーン燃料法の結果」としています。 かつてTransport &Environmentの強いロビーもあり欧州からパーム油の輸入が減少したように、食料農作物からのバイオ燃料生産に課する規制がなされる可能性があります。
https://bit.ly/3BhSwBF

グリーンスチールを製造する為に必要なグリーン水素についてReChargeが最新レポートの内容を記載しています。これは業界団体であるHydrogen Europeが発行したレポートによるもので、平均的なEUの製鉄所(高炉)が脱炭素に必要なグリーン水素を製造する場合、1.2GWの電解槽と4.5GWの太陽光発電が必要になります。しかも1.2GWの電解槽はほぼフル稼働しなければならず膨大な投資となります。更に電解槽で利用する電力は再生可能エネルギーから得る必要があり、太陽光(や風力)は安定しない為に必要量の数倍の電力生産能力が必要となる可能性があります。EUの高炉の溶銑の総生産能量は年間約1億300万トンです。水素ベースのDRI/EAF[直接還元鉄/電気アーク炉]に切り替えると、年間最大1億9600万トンのGHG排出量を節約できる可能性がありますが、その為には最大370TWhの追加の再生可能エネルギー発電が必要になる、としています。恐らくこれだけの量のイオン膜交換式電解槽に使われるイリジウム等の希土類金属は供給が追い付かず、事実上実現が難しいと言えます。水素のエネルギー利用についてはEuropean Scientistsを代表とする科学者は「ばかげている」と一蹴していますが、政治家が描く水素社会はバラ色という面白い現象が起きています。欧州だけでもこれだけの量なので、世界で行う事は物理的に不可能で、カーボンニュートラルにするには航空業界同様クレジットの活用が不可欠な事とよりスクラップ充填率を高める可能性が高いと言えます。
https://bit.ly/3b5yCiU

欧州で2030年までに段階的に完全廃止される予定であった石炭が、その欧州で再び増加する計画です。ドイツ、フランス、イタリア、オランダ等、欧州のいくつかの国では、エネルギー需要を満たす為に石炭火力発電所を再開することを計画しています。欧州委員会は「予期せぬ」状況と呼び、石炭生産能力を当面維持する可能性を発表しています。石炭は欧州が選択できる唯一手頃な価格でアクセス可能なエネルギー源です。この選択が企業のESGスコアに悪影響を与える懸念が同時に起こっていますが、良い代替手段が実際にはほとんど無いというのが実情です。更に特定の環境プロジェクトに資金を提供する持続可能性連動債とグリーンボンドは、金利の上昇と景気後退の可能性の見通しにより打撃を受けており、ここ数ヶ月は低調が続いています。
https://bit.ly/3vl8qaO
https://reut.rs/3S5vJ25

欧州がエネルギー危機の中、European Waste Management Association(FEAD:欧州廃棄物管理協会)は、廃棄物のエネルギー利用がエネルギー危機の緩和に役立つ事を伝えています。FEADは廃棄物を利用した発電と熱によってエネルギー支援が可能であり、地域の冷暖房ネットワークへのエネルギー供給を「多様化」し、廃棄物由来のエネルギーの展開を加速する事が出来る、としています。特に、分別収集された無害廃棄物からのエネルギー回収は「サーキュラーエコノミーに実質的に貢献する活動」として認識するよう、EU政府に求めています。FEADは、更にリサイクルコンテンツ目標、グリーン公共調達基準、金銭的インセンティブ等の、リサイクル市場を促進する「公的支援」をEUが実施することを望んでいます。
https://bit.ly/3oxYuqG

同じような論調の記事がここ数日報道されていますが、無料のウェブ版で似た内容のリンクを送ります。投資専門のサイトであるGuru Focusが記載しているもので「ESG投資が失敗し続ける理由」(流行語に基づく投資は持続不可能であり、すぐに焦点を失います)、というタイトルの記事です。代表的なものとしてESGファンドの1つであるBlackRockのBlackRock Impact US Equity Fundが最近、石油&ガス会社であるExxon Mobilを保有可能にする等、中身の「リブランド」を行っている事を指摘しています。これは迅速なリターンを求める投資家の存在とグリーンウォッシングの規制強化によるもので、ESGファンドが当初想定した程のリターンを短期に成しえなかった事が大きな理由としています。中身を変える事で表面上のブランドを再定義するという事は、投資家の行動にも少し変化が出ているという事です。
https://bit.ly/3JbHEXU
https://bit.ly/3cRtTlr

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