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NEWSCONの気になるNEWS(2025年8月第3週)
米国政府は第232条の関税拡大を実施し、自動車部品や建設資材を含む22の調和関税表章にわたる407の鉄鋼及びアルミニウム派生製品に50%の関税を課します。これは、これまでの関税構造からの大きな変化となります。現代製鉄やポスコ等の韓国企業は、これを受けて既に米国の製鉄所に25億ドルの投資を約束している状況です。自動車メーカーは最も直接的な影響に直面しており、調達チームは北米内の代替サプライヤーの特定に奔走しています。この政策は貿易保護を超えて戦略的なサプライチェーンの回復力にまで及び、特に防衛とインフラ部門で使用される高度な製造機器に多大な影響を与えると見られています。
▶ https://www.ainvest.com/news/steel-aluminum-tariff-expansion-implications-global-metals-markets-supply-chain-resilience-2508/
天津大学の研究者らは、テスラの最先端のEVバッテリー容量の2倍にあたる、1キロあたり600ワット/時以上のエネルギー密度を達成する革新的なリチウムバッテリーを開発しました。「非局在化電解質(delocalized electrolyte)」アプローチという手法を採用しており、現在のリチウム金属電池技術よりも 200-300% エネルギー効率が改善されています。このバッテリーは-60°C でも凍結することなく機能する優れた寒冷地性能を発揮し、ドローンのテストで 25 回のフル充電サイクルを 2.8 倍の飛行時間で完了することに成功しました。この開発は、中国メーカーが世界的なバッテリー技術競争で更に優位に立つことを意味します。この技術が商用ドローンアプリケーションにすぐに展開されれば、大きな市場の変化が起こる可能性があります。自動車アプリケーションは2〜3年以内に可能と伝わっており、世界のEV市場のサプライチェーンへの依存を「再構築」する可能性があります。
▶ https://www.independent.co.uk/bulletin/news/lithium-battery-china-tesla-b2809497.html
マレーシアとタイの通貨で動きがあります。マレーシアのリンギットは対米ドルでほぼ1年振りの高水準に達する見込みで、アナリストは、現在の4.23付近の水準から2025年第4四半期までに1米ドル当り4.15ドルに上昇すると予測しています。この通貨高は、マレーシア国家銀行の利下げとアンワル・イブラヒム首相の28億リンギットの景気刺激策、生産性と財政規律の向上を目的とした進行中の構造改革を期待しての事です。一方、タイは外国人観光客が現地決済の為に仮想通貨をバーツに変換できる18か月のパイロットプログラムを開始しました。取引毎に55万バーツを上限としています。この取組は観光客の減少に対処するもので、タイの計画機関は、2025年の外国人観光客予測を以前の予測から3,300万人に引き下げたばかりでした。
▶ https://www.businesstimes.com.sg/international/asean/malaysia-ringgits-rally-not-over-yet-analysts-eye-rate-cuts
LMEは、これまでに香港の8つの倉庫を認証し、これらの施設が正式に開設されています。銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、ニッケル、錫の6つ主要非鉄金属の世界最大の消費国である中国市場へのLMEの「戦略的ゲートウェイ」となります。このタイミングでの開設は、EVとデータセンター建設に必要な銅に対する中国の需要の急増に対応するものです。これらの倉庫は香港の特別行政区としての地位を活用し、本土市場への近接性を維持しながら国際的な法的枠な取引を可能とするものです。
▶ https://discoveryalert.com.au/news/london-metal-exchange-warehouse-network-2025/
OpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、現在のAI投資市場が「バブル」である事を認め、投資家の過剰な期待とマネーの流入に警笛を鳴らしています。AIは長期的に最重要技術と述べているものの、バブルが行き過ぎている事に言及しています。アポロ・グローバル、アリババの創業者、ブリッジウォーターの創業者も同様の見解を示しており、市場が過熱している事を警戒しています。一方、期待されたGPT-5はアナリストの評価では期待外れで、推測や正確性の問題が残るままとなっています。海外では、AI投資ブームの実態と限界が浮き彫りになっています。
▶ https://www.msn.com/en-us/money/markets/openai-s-sam-altman-says-ai-is-dangerous-bubble/ar-AA1KJBMW?ocid=BingNewsVerp
大手自動車メーカーのステランティスは、ブラジルのサンパウロ近郊に事故車と使用済み車両(ELV)を解体する処理センターを開設しました。同社にとって南米初の施設であり、イタリアのトリノ市ミラフィオーリ地区にある「サーキュラー・エコノミー・ハブ」に次ぐ世界2番目の大型直接操業の解体施設となります。この施設には約260万ユーロが投資されており、年間最大8,000台の車両を解体できる能力を備えています。同社はオイルや燃料などの液体、鋼鉄、鉄、アルミニウム、銅、その他の貴金属などの原材料まで、全てがを再利用するハブとしてこの施設を利用する計画です。
▶ https://www.media.stellantis.com/em-en/parts-services/press/stellantis-opens-circular-autopecas-vehicle-dismantling-center-in-sao-paulo
世界では「水素の誇大宣伝」が終わり、現実路線へ転換し始めています。最近の水素関連の大規模プロジェクト中止は、誇大宣伝バブルが崩壊し、現実的なプロジェクトが生き残る事を示しています。失敗した巨大プロジェクトは経済的に意味がなく、未実証技術や誇大な需要に依存してきました。しかし、現在進行中のプロジェクトは既存産業(アンモニア、精製、製鉄)と結びつき、実際の脱炭素化ニーズに応えています。政策支援も充実し、欧州水素銀行やドイツ政府が現実的なインフラに資金集中しています。水素経済は予測より確実に小規模になります。今後は生き残った所が細々と局地的に行う事業となり、誇大広告による「明るい未来」は消滅しました。
▶ https://oilprice.com/Alternative-Energy/Fuel-Cells/Hydrogens-Hype-Is-Dead-And-Thats-Good-News.html
今まで欧州でプラスチックリサイクルの先導者と見られていた企業が相次いでプロジェクトを中止し始めています。ボレアリス、ダウ、ネステ等の欧州の大型プラスチックリサイクル工場計画が相次ぎ中止となっています。これらの中止により、合計で23.5万トンの年間処理能力が失われることになります。中国の圧倒的な生産過剰能力により、安価なバージン材料との競争激化が続き、多くの欧州プラスチックリサイクル業者は採算が悪化しています。プラスチックリサイクラーズ・ヨーロッパは、政治的行動が必要な「深刻化する危機」と何度も警告を発しています。
▶ https://cen.acs.org/environment/recycling/Key-European-plastics-recycling-projects/103/web/2025/08
SMMが今年のここまでのアルミスクラップ市場の分析をまとめています。 東南アジアのアルミスクラップ市場は2025年に縮小し、地域全体で輸出量が減少しました。マレーシアは7月に「メタル・ストーム作戦」を開始し、輸出許可対する犯罪捜査を開始し、通関時間を通常の3-5日から12-15日に大幅に延長しました。同時にタイ・カンボジア国境の緊張によりアランヤプラテート・ポイペト交差点が閉鎖され、ハタイ・ペナン・ポートクラン経由での高コストな迂回ルートを強制し、輸送ルートに480キロが追加で必要となり貨物フォワーダーは料金を25%引き上げています。一方で地域のリサイクルアルミニウム需要が急増し、以前輸出されていた材料を吸収しました。トレーダーは現在「低ボリューム、高コスト、低回転」に直面しています。今後の本格的な回復には、政策緩和、国境正常化、港湾インフラ拡張、関税調整が必要であり、短期的には不可能と見られています。世界のスクラップアルミニウムの調達パターンが変化を余儀なくしている、と分析しています。
▶ https://news.metal.com/newscontent/103479343/smm-scrap-aluminum-market-analysis-four-converging-factors-in-2025-undermine-southeast-asias-comparative-advantage
中国政府が遂に太陽光パネルの生産能力過剰問題に動き出しました。中国工業省が太陽光発電業界代表と2回目の会合を開催し、過剰生産能力削減と価格競争抑制を指示しました。業界の改革により企業の淘汰を目指します。既に大手企業は2024年に従業員3分の1を削減し、バリューチェーンの損失は400億ドルに達したと伝えられています。中国は世界需要の約2倍の太陽光パネルを生産可能ですが、今後、太陽光パネルの企業が収益を回復させる為には、最低でも生産量を20-30%削減する必要がある、と分析されています。
▶ https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3322512/china-expands-regulatory-arsenal-fight-against-solar-industry-price-wars
GNKセンターが「英国の鉄鋼業界:脱炭素化がなぜ失敗したのか」という記事を掲載しています。英国は脱炭素化を進めていますが、鉄鋼業界は高炉から電炉への転換で遅れています。高い電力コストと投資回収の困難により、政府が介入し、タタ・スチールに5億ポンド、ブリティッシュ・スチールの閉鎖を避ける為、半ば管理下に起いています(資本は未だに中国企業のものです)。電炉転換によりCO2排出量は約70%削減される見込みです。しかし水素技術やCCUS導入には課題が山積みで目途が立たず、2030年までの再生可能エネルギー大幅拡大も困難な状況です。2027年に開始する英国版のCBAM導入により競争力向上(保護政策)を目指すしかない状況です。
▶ https://gmk.center/en/posts/the-uk-steel-industry-how-and-why-decarbonization-has-failed/
AI株への投資が利益を生む可能性はかなり低いというデータが出て市場が反応しています。AI関連大型株が大幅下落し、OpenAI CEOのサム・アルトマンがAI市場をバブルと発言したことが注目されています。バンク・オブ・アメリカの分析によると、米国経済が景気後退から回復期に移行する中、歴史的にこの段階では大型株がアンダーパフォームする傾向があります。現在のAIブームは1990年代のドットコムバブルと類似点があり、「ニフティ50」の大型株が過去10年間で市場を73ポイント上回りました。実際に利益を上げているのはNvidiaやMicrosoftなど機器提供側で、AI開発企業の多くは赤字です。投資家には集中リスクを避け分散投資が推奨される状況となっています。
▶ https://www.dailymail.co.uk/news/article-15020589/Fears-AI-bubble-burst-tech-stocks-tumble-study-warned-artificial-intelligence-investments-zero-returns.html
電池用金属の需要構成は劇的に変化しています。総量需要予測は2025年の1,200万トンから2040年迄に5,300万トンへと4倍になる見込みです。しかし、大部分の需要はエネルギー貯蔵バッテリーで、この分野は昨年EVの23%成長に対して51%成長しました。今年も蓄電分野は40%成長する見込みです。蓄電池はLFPが殆どの為、ニッケル価格は3年間で半減し、コバルトは60%下落しました。EVの普及が遅れる中で定置型貯蔵の重要性がますます高まり、リチウム企業にはチャンスがもたらされています。
▶ https://theoregongroup.com/commodities/copper/battery-metals-demand-set-to-quadruple-by-2040/
アジア太平洋地域の再生プラスチック市場は成長してきましたが、ここに来て逆風が強まっています。コンテナ不足と不安定な貨物ルートが太平洋横断ルートの価格高騰を引き起こしています。こうした物流コストの上昇により、rPET 輸出業者の利益率が低下し、リサイクル材料は窮地に立たされています。容易に入手できるバージンプラスチックに対する競争力が大幅に低下し続けている事も大きな要因です。特に東南アジアのリサイクル市場は安定しておらず、タイや韓国は急速に発展していますが、インドネシアやカンボジアは未開拓のままです。今後、再生プラスチックの使用を強制する強力な規制がこの地域に誕生しなければ、バリューチェーン全体の市場を脅かすと警戒する専門家が増えています。
▶ https://www.opis.com/blog/asia-plastics-recycling-state-of-play/
▶ https://www.ainvest.com/news/steel-aluminum-tariff-expansion-implications-global-metals-markets-supply-chain-resilience-2508/
天津大学の研究者らは、テスラの最先端のEVバッテリー容量の2倍にあたる、1キロあたり600ワット/時以上のエネルギー密度を達成する革新的なリチウムバッテリーを開発しました。「非局在化電解質(delocalized electrolyte)」アプローチという手法を採用しており、現在のリチウム金属電池技術よりも 200-300% エネルギー効率が改善されています。このバッテリーは-60°C でも凍結することなく機能する優れた寒冷地性能を発揮し、ドローンのテストで 25 回のフル充電サイクルを 2.8 倍の飛行時間で完了することに成功しました。この開発は、中国メーカーが世界的なバッテリー技術競争で更に優位に立つことを意味します。この技術が商用ドローンアプリケーションにすぐに展開されれば、大きな市場の変化が起こる可能性があります。自動車アプリケーションは2〜3年以内に可能と伝わっており、世界のEV市場のサプライチェーンへの依存を「再構築」する可能性があります。
▶ https://www.independent.co.uk/bulletin/news/lithium-battery-china-tesla-b2809497.html
マレーシアとタイの通貨で動きがあります。マレーシアのリンギットは対米ドルでほぼ1年振りの高水準に達する見込みで、アナリストは、現在の4.23付近の水準から2025年第4四半期までに1米ドル当り4.15ドルに上昇すると予測しています。この通貨高は、マレーシア国家銀行の利下げとアンワル・イブラヒム首相の28億リンギットの景気刺激策、生産性と財政規律の向上を目的とした進行中の構造改革を期待しての事です。一方、タイは外国人観光客が現地決済の為に仮想通貨をバーツに変換できる18か月のパイロットプログラムを開始しました。取引毎に55万バーツを上限としています。この取組は観光客の減少に対処するもので、タイの計画機関は、2025年の外国人観光客予測を以前の予測から3,300万人に引き下げたばかりでした。
▶ https://www.businesstimes.com.sg/international/asean/malaysia-ringgits-rally-not-over-yet-analysts-eye-rate-cuts
LMEは、これまでに香港の8つの倉庫を認証し、これらの施設が正式に開設されています。銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、ニッケル、錫の6つ主要非鉄金属の世界最大の消費国である中国市場へのLMEの「戦略的ゲートウェイ」となります。このタイミングでの開設は、EVとデータセンター建設に必要な銅に対する中国の需要の急増に対応するものです。これらの倉庫は香港の特別行政区としての地位を活用し、本土市場への近接性を維持しながら国際的な法的枠な取引を可能とするものです。
▶ https://discoveryalert.com.au/news/london-metal-exchange-warehouse-network-2025/
OpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、現在のAI投資市場が「バブル」である事を認め、投資家の過剰な期待とマネーの流入に警笛を鳴らしています。AIは長期的に最重要技術と述べているものの、バブルが行き過ぎている事に言及しています。アポロ・グローバル、アリババの創業者、ブリッジウォーターの創業者も同様の見解を示しており、市場が過熱している事を警戒しています。一方、期待されたGPT-5はアナリストの評価では期待外れで、推測や正確性の問題が残るままとなっています。海外では、AI投資ブームの実態と限界が浮き彫りになっています。
▶ https://www.msn.com/en-us/money/markets/openai-s-sam-altman-says-ai-is-dangerous-bubble/ar-AA1KJBMW?ocid=BingNewsVerp
大手自動車メーカーのステランティスは、ブラジルのサンパウロ近郊に事故車と使用済み車両(ELV)を解体する処理センターを開設しました。同社にとって南米初の施設であり、イタリアのトリノ市ミラフィオーリ地区にある「サーキュラー・エコノミー・ハブ」に次ぐ世界2番目の大型直接操業の解体施設となります。この施設には約260万ユーロが投資されており、年間最大8,000台の車両を解体できる能力を備えています。同社はオイルや燃料などの液体、鋼鉄、鉄、アルミニウム、銅、その他の貴金属などの原材料まで、全てがを再利用するハブとしてこの施設を利用する計画です。
▶ https://www.media.stellantis.com/em-en/parts-services/press/stellantis-opens-circular-autopecas-vehicle-dismantling-center-in-sao-paulo
世界では「水素の誇大宣伝」が終わり、現実路線へ転換し始めています。最近の水素関連の大規模プロジェクト中止は、誇大宣伝バブルが崩壊し、現実的なプロジェクトが生き残る事を示しています。失敗した巨大プロジェクトは経済的に意味がなく、未実証技術や誇大な需要に依存してきました。しかし、現在進行中のプロジェクトは既存産業(アンモニア、精製、製鉄)と結びつき、実際の脱炭素化ニーズに応えています。政策支援も充実し、欧州水素銀行やドイツ政府が現実的なインフラに資金集中しています。水素経済は予測より確実に小規模になります。今後は生き残った所が細々と局地的に行う事業となり、誇大広告による「明るい未来」は消滅しました。
▶ https://oilprice.com/Alternative-Energy/Fuel-Cells/Hydrogens-Hype-Is-Dead-And-Thats-Good-News.html
今まで欧州でプラスチックリサイクルの先導者と見られていた企業が相次いでプロジェクトを中止し始めています。ボレアリス、ダウ、ネステ等の欧州の大型プラスチックリサイクル工場計画が相次ぎ中止となっています。これらの中止により、合計で23.5万トンの年間処理能力が失われることになります。中国の圧倒的な生産過剰能力により、安価なバージン材料との競争激化が続き、多くの欧州プラスチックリサイクル業者は採算が悪化しています。プラスチックリサイクラーズ・ヨーロッパは、政治的行動が必要な「深刻化する危機」と何度も警告を発しています。
▶ https://cen.acs.org/environment/recycling/Key-European-plastics-recycling-projects/103/web/2025/08
SMMが今年のここまでのアルミスクラップ市場の分析をまとめています。 東南アジアのアルミスクラップ市場は2025年に縮小し、地域全体で輸出量が減少しました。マレーシアは7月に「メタル・ストーム作戦」を開始し、輸出許可対する犯罪捜査を開始し、通関時間を通常の3-5日から12-15日に大幅に延長しました。同時にタイ・カンボジア国境の緊張によりアランヤプラテート・ポイペト交差点が閉鎖され、ハタイ・ペナン・ポートクラン経由での高コストな迂回ルートを強制し、輸送ルートに480キロが追加で必要となり貨物フォワーダーは料金を25%引き上げています。一方で地域のリサイクルアルミニウム需要が急増し、以前輸出されていた材料を吸収しました。トレーダーは現在「低ボリューム、高コスト、低回転」に直面しています。今後の本格的な回復には、政策緩和、国境正常化、港湾インフラ拡張、関税調整が必要であり、短期的には不可能と見られています。世界のスクラップアルミニウムの調達パターンが変化を余儀なくしている、と分析しています。
▶ https://news.metal.com/newscontent/103479343/smm-scrap-aluminum-market-analysis-four-converging-factors-in-2025-undermine-southeast-asias-comparative-advantage
中国政府が遂に太陽光パネルの生産能力過剰問題に動き出しました。中国工業省が太陽光発電業界代表と2回目の会合を開催し、過剰生産能力削減と価格競争抑制を指示しました。業界の改革により企業の淘汰を目指します。既に大手企業は2024年に従業員3分の1を削減し、バリューチェーンの損失は400億ドルに達したと伝えられています。中国は世界需要の約2倍の太陽光パネルを生産可能ですが、今後、太陽光パネルの企業が収益を回復させる為には、最低でも生産量を20-30%削減する必要がある、と分析されています。
▶ https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3322512/china-expands-regulatory-arsenal-fight-against-solar-industry-price-wars
GNKセンターが「英国の鉄鋼業界:脱炭素化がなぜ失敗したのか」という記事を掲載しています。英国は脱炭素化を進めていますが、鉄鋼業界は高炉から電炉への転換で遅れています。高い電力コストと投資回収の困難により、政府が介入し、タタ・スチールに5億ポンド、ブリティッシュ・スチールの閉鎖を避ける為、半ば管理下に起いています(資本は未だに中国企業のものです)。電炉転換によりCO2排出量は約70%削減される見込みです。しかし水素技術やCCUS導入には課題が山積みで目途が立たず、2030年までの再生可能エネルギー大幅拡大も困難な状況です。2027年に開始する英国版のCBAM導入により競争力向上(保護政策)を目指すしかない状況です。
▶ https://gmk.center/en/posts/the-uk-steel-industry-how-and-why-decarbonization-has-failed/
AI株への投資が利益を生む可能性はかなり低いというデータが出て市場が反応しています。AI関連大型株が大幅下落し、OpenAI CEOのサム・アルトマンがAI市場をバブルと発言したことが注目されています。バンク・オブ・アメリカの分析によると、米国経済が景気後退から回復期に移行する中、歴史的にこの段階では大型株がアンダーパフォームする傾向があります。現在のAIブームは1990年代のドットコムバブルと類似点があり、「ニフティ50」の大型株が過去10年間で市場を73ポイント上回りました。実際に利益を上げているのはNvidiaやMicrosoftなど機器提供側で、AI開発企業の多くは赤字です。投資家には集中リスクを避け分散投資が推奨される状況となっています。
▶ https://www.dailymail.co.uk/news/article-15020589/Fears-AI-bubble-burst-tech-stocks-tumble-study-warned-artificial-intelligence-investments-zero-returns.html
電池用金属の需要構成は劇的に変化しています。総量需要予測は2025年の1,200万トンから2040年迄に5,300万トンへと4倍になる見込みです。しかし、大部分の需要はエネルギー貯蔵バッテリーで、この分野は昨年EVの23%成長に対して51%成長しました。今年も蓄電分野は40%成長する見込みです。蓄電池はLFPが殆どの為、ニッケル価格は3年間で半減し、コバルトは60%下落しました。EVの普及が遅れる中で定置型貯蔵の重要性がますます高まり、リチウム企業にはチャンスがもたらされています。
▶ https://theoregongroup.com/commodities/copper/battery-metals-demand-set-to-quadruple-by-2040/
アジア太平洋地域の再生プラスチック市場は成長してきましたが、ここに来て逆風が強まっています。コンテナ不足と不安定な貨物ルートが太平洋横断ルートの価格高騰を引き起こしています。こうした物流コストの上昇により、rPET 輸出業者の利益率が低下し、リサイクル材料は窮地に立たされています。容易に入手できるバージンプラスチックに対する競争力が大幅に低下し続けている事も大きな要因です。特に東南アジアのリサイクル市場は安定しておらず、タイや韓国は急速に発展していますが、インドネシアやカンボジアは未開拓のままです。今後、再生プラスチックの使用を強制する強力な規制がこの地域に誕生しなければ、バリューチェーン全体の市場を脅かすと警戒する専門家が増えています。
▶ https://www.opis.com/blog/asia-plastics-recycling-state-of-play/