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NEWSCONの気になるNEWS(2025年12月第2週)

ベースメタル全般に強気基調が続いています。SP Angel のデイリーレポートによると、銅価格は過去1カ月で約8.3%、過去12ヵ月で約28%上昇し、11,000ドル/トン前後でのもみ合いを経て過去最高値を更新しています。 最新ではLME銅が1万1,647ドル/トンと前日比で上昇し、アルミ、ニッケル、亜鉛など他のベースメタルも堅調な動きを示しています。 貴金属も高値圏を維持しており、金は約4,218ドル/オンス、銀は58ドル/オンス近辺と報告され、安全資産・インフレヘッジ需要の強さがうかがえます。
https://www.share-talk.com/sp-angel-todays-market-view-friday-5th-december-2025/

ロイターのエコノミスト調査では、100人超の回答者の内、大多数が12月9〜10日のFOMCで政策金利が25bp引き下げられると予想していると報じられています。 調査では108人中89人(約82%)が追加利下げを見込んでおり、先物市場でも同程度(約85%)の確率で織り込まれているとされています。株式・債券・為替市場では、労働市場の減速とインフレの沈静化が利下げ継続を正当化するとの見方が強まる一方、一部当局者はインフレ再燃リスクを懸念しています。 コモディティにとっては、米金利低下とドル安が金等ハードアセットを支え、資源国・輸出企業の資金調達環境を緩和する一方、輸入国のローカル通貨建てコスト増につながる可能性があります。
https://uk.investing.com/news/stock-market-news/core-pce-price-index-takes-center-stage-in-fridays-economic-lineup-93CH-4402398

IBMのアルビンド・クシナCEOは、世界のAI関連支出が企業用途やクラウドインフラを中心に「数兆ドル」規模に達すると見ています。一方で、現在のアーキテクチャから人工汎用知能(AGI)が生まれる確率は「ほぼゼロ」と評価したと伝えられています。 この見通しが、データセンター建設ブームと結び付いていると指摘しています。産業用OEMや電力機器メーカーにとっても、高密度AI施設向けの高効率ソリューション需要が中長期的な成長ドライバーになると見込まれます。金属・特殊ガス・ケミカルサプライヤーにとっては、半導体とデータセンタープロジェクト向けの長期供給契約の戦略的重要性が一段と高まります。
https://www.eenewseurope.com/en/ibm-arvind-krishna-trillions-ai-spend-zero-agi/

EUは炭素国境調整メカニズム(CBAM)の拡大や自動車産業支援に関する法的提案の発表を、当初予定していた12月10日から12月16日へ延期する計画です。この提案にはCBAMの適用対象やルールの微修正、及び2035年のエンジン車販売禁止規制に直面する自動車メーカーへの支援策が含まれる見通しです。2026年1月のCBAM本格導入が目前に迫る中、欧州委員会は産業界からの強い反発や懸念に配慮し、規制の一部緩和や簡素化を検討していると見られますが、発表の遅れは企業の対応準備にさらなる不確実性をもたらしています。
https://uk.finance.yahoo.com/news/eu-delay-proposals-carbon-border-103732361.html?guccounter=1&guce_referrer=aHR0cHM6Ly93d3cuZ29vZ2xlLmNvbS8&guce_referrer_sig=AQAAAGMssIwUq7Be_JigV77vpEsfP3ZZDdJuIoj5AeHhDzo5HTsEsRwEvO6pxXeYtHzSQ6rguRswG2wr7R_vFykRk3PLlSOYn2Poq0govehLAPWwMrKAsC9sykIm55OIND0AdQ2PGCoBN5_3cx5kIEdwl0y-pyRJFAN0z82aqhv0B4yN

ビットコイン価格が史上初めて10万ドルの大台を突破しました。これは、投機的な個人投資だけでなく、機関投資家や企業の準備資産としての受容が進んでいることを示唆しています。関連するブロックチェーン技術やマイニング(採掘)企業への投資も活発化しており、電力需要(特に再生可能エネルギーやデータセンター)への波及効果も無視できません。一方で、急激な価格上昇に伴うボラティリティリスクは依然高く、慎重な管理が求められます。
https://www.cnbc.com/2024/12/05/bitcoin-tops-100000-as-monster-2024-rally-reaches-new-heights.html

EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)により、2026年1月から欧州へのアルミニウム輸入に炭素税が課され、欧州産アルミのプレミアムは既に10ヵ月振りの高値へ上昇していると報じられています。コンステリウムCEOは、CBAMが欧州の競争力を損ない、原産地を問わず金属価格を押し上げることで産業顧客にコストインフレをもたらすと警告し、CBAMの撤廃を主張しています。また、スクラップ輸送や供給地の入替により、高炭素アルミ生産が他地域に移るだけで地球規模の排出削減には繋がらないと批判し、最終的には投資の域外移転と欧州アルミ産業の緩やかな衰退を招くリスクがあると懸念しています。
https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/eu-risks-slow-demise-aluminium-industry-if-carbon-tax-not-scrapped-constellium-2025-12-05/

EPA(米国環境保護庁)は公式サイトから気候変動に対する人為的な寄与に関する記述や科学データへのリンクを削除しました。以前のページでは人間活動が温暖化の支配的な要因であると明記されていましたが、更新後は地球の軌道変化や太陽活動といった自然現象のみが要因として挙げられています。EPA広報担当者は、この変更を政府の優先事項に合わせた「定期的な編集」とし、「左翼的な政治課題」からの脱却であると説明しました。一方、専門家はこれが温室効果ガス規制の法的根拠となる「危険認定」を撤回するための布石であり、気候変動に関する科学的事実を隠蔽する試みであると強く批判しています。
https://www.eenews.net/articles/epa-erases-references-to-human-caused-climate-change-from-websites/#:~:text=EPA%20has%20scrubbed%20references%20to,play%20in%20warming%20the%20planet.

中国の貿易黒字は今年最初の11ヵ月で1兆ドルを突破し、新記録を樹立しました。鉄鋼輸出も記録的な伸びとなっています。11月の貿易黒字は1,116億ドルを超え、輸出は前年比5.9%増と予想以上の回復を見せています。これは、対米輸出が29%減少した一方で、EUや東南アジア、オーストラリア等、米国以外の市場への輸出が急増した為です。電子機器や半導体の需要増に加えて、中国企業の生産拠点多角化が功を奏しています。一方で、不動産不況による国内需要の低迷は続いており、銅輸入の減少等に表れています。政府は内需拡大を掲げていますが、経済の輸出依存からの脱却には時間を要すると見られています。
https://www.msn.com/en-us/money/markets/why-did-chinas-trade-surplus-top-1-trillion-for-the-first-time-despite-trumps-tariffs/ar-AA1RX5qN?ocid=BingNewsVerp

銅価格が1トン当り約11,600〜11,700ドル、金価格も1オンス当たり4,200ドル超の新高値圏にあることで、リサイクルへの関心が高まっています。銅は 米ドル安に加え、世界最大の産地であるチリ等の供給減少、AIデータセンター、EV、送配電網拡張による需要増が強い支援材料になっています。更に米FRB利下げ期待によるドル安が追い風となっています。高値更新は、製造業のコストを圧迫する一方で、トレーディング機会を拡大し、新規鉱山投資やリサイクル強化のインセンティブを世界的に高めています。
https://www.marketscreener.com/news/commodities-copper-gets-its-rally-too-ce7d51d3de8df321

インドネシア政府は、森林地域で無許可操業を行う鉱山会社に対する罰金額を正式に設定しました。ニッケル業者への影響が懸念されています。ニッケル採掘企業には1ヘクタール当たり約60億ルピア、ボーキサイト・スズには約10〜12.5億ルピア、石炭には約3.54億ルピアの罰金が適用されます。 これは森林保全と資源ベース産業化を両立させる政策の一環であり、ニッケル精錬や下流加工へ投資を呼び込んできた既存戦略を補完する位置付けです。 EV電池・ステンレス・合金等、インドネシア産ニッケルへの依存度が高いバリューチェーンでは、プロジェクトコスト上昇や開発遅延、資本力のある事業者への集約が進む可能性があります。
https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/indonesia-sets-rules-fine-miners-operating-forest-areas-2025-12-10/

インドネシアは輸出申告に使用される計量単位を標準化する新規則を導入し、税関における輸出記録の正確性向上と監視強化を図っています。 この措置は石炭、鉱物、パーム油等のバルク輸出における数量過少申告や品目誤分類の余地を減らすことを目的としており、実際の船積重量や単位との整合性を高めるものです。 商品毎に細かな運用は異なるものの、輸出企業は社内システム、契約書、物流関連書類を新たな標準単位に対応させる必要があり、短期的には事務負担が増加します。 中長期的には、輸出関税やクオータ、環境関連規制の執行を強化し、資源輸出からの財政収入最大化や、付加価値向上に向けた国内加工優先政策を後押しする狙いがあります。
https://www.internationaltaxreview.com/article/2fp8qg3lxdlg2iznqsetc/sponsored/indonesian-tax-roundup-standardisation-of-export-units-strengthens-customs-compliance

国連の主要な環境報告書「地球環境概観」が、米国やサウジアラビア、ロシア等の反対により、政策決定者向け要約なしで公表される異例の事態となりました。この報告書は、気候変動や汚染を防ぐ為に化石燃料からの脱却や補助金削減を強く提言していましたが、これらの国々が科学的知見の受け入れを拒否した為です。共同議長のロバート・ワトソン氏は、プロセスが一部の国に「乗っ取られた」と批判しています。通常、政府間合意を経て出される要約文書がないことは、報告書の影響力を弱める懸念があります。米国は、化石燃料増産を掲げ、国際的な脱炭素の動きに強く抵抗し続けています 。
https://www.bbc.co.uk/news/articles/c1w9ge93w9po

欧州の再エネ率が上昇しています。EUでは2025年第3四半期に再生可能エネルギーシェアが49.3%に達し、2024年第3四半期の47.5%から3.8ポイント増加しました。太陽光発電が再生可能エネルギーミックスの38.3%を占めてトップとなり、風力が30.7%、水力が23.3%と続きました。国別ではデンマークが95.9%で首位、オーストリアが93.3%、エストニアが85.6%と続く一方、マルタ、チェコ、スロバキアは22%未満にとどまりました。
https://ec.europa.eu/eurostat/web/products-eurostat-news/w/ddn-20251211-1

リチウムイオン電池パック価格が1キロワット時あたり108ドルの記録的低水準になっています。 リチウムイオン電池パック価格は2025年に1キロワット時あたり108ドルの記録的低水準に下落し、2024年の水準から8%減少しました。アナリストがEVと内燃機関車の価格パリティの転換点と考える100ドル/kWhの閾値に業界を近づけています。リン酸鉄リチウム(LFP)電池は現在、市場シェアの35~40%を占めており、2020年の6%から増加し、中国メーカーのBYDとCATLがエネルギー密度よりもコスト削減を優先していることが要因です。ニッケル・コバルト・マンガン(NMC)化学は約55%のシェアで依然として主流ですが、より安価な代替品からの圧力に直面しています。
https://about.bnef.com/insights/clean-transport/lithium-ion-battery-pack-prices-fall-to-108-per-kilowatt-hour-despite-rising-metal-prices-bloombergnef/

メキシコは2026年1月1日から、中国を含む自由貿易協定未締結国からの1,400品目以上に最大50%の関税を課すことになります。対象は金属、自動車、衣料品、家電製品等で、タイ、インド、インドネシア等数十ヵ国が影響を受けます。シャインバウム大統領は国内生産促進の為に必要だと説明しています。中国商務省は貿易相手国の利益を著しく損なうと批判し、是正を求めました。この措置はトランプ大統領がメキシコに高額関税を課すと脅している時期に実施され、両国は現在、鉄鋼・アルミ関税やフェンタニル対策、水利用協定を巡り交渉中です。米国はメキシコ最大の貿易相手国となっています。
https://www.reuters.com/business/retail-consumer/mexicos-senate-approves-tariff-hikes-chinese-other-asian-imports-2025-12-11/



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