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NEWSCONの気になるNEWS(2022年11月第3週)

自動車業界にとってはインパクトのあるニュースです。11月10日、欧州委員会が自動車の排ガス規制の新基準で2025 年 7 月 1 日から実施予定のユーロ7を提案しました。 トラックとバスは 2027 年 7 月 1 日からの適用予定です。特徴は乗用車&バン用の基準ユーロ6と大型トラック&バス 用の基準ユーロVIをユーロ7に統合する事です。ユーロ7では、新たに亜酸化窒素の排出、ブレーキからの粒子状物質の排出、タイヤから出るマイクロプラスチックの排出規制が加わります。NOx排出量は35%削減、排気マフラーからの微粒子は13%削減となります。特にディーゼル車に厳しい基準はNOx排出量が80 mg/km⇒ 60 mg/kmになる事です。ただし、プラグインハイブリッド車等の環境対応車に有利となる条項も含まれています。欧州では2035年からゼロエミッション車のみの新車販売が議論されています。欧州の規制は世界の諸地域の基準に反映される為、自動車産業大国にとってはインパクトのある問題です。欧州の自動車業界は懸念を示しています。
http://bit.ly/3NYWEei

貴金属やレアメタルを多く含む、電子機器廃棄物を巡りリサイクル業界が政府に意見書を出しています。欧州廃棄物管理協会 (FEAD) と欧州電子機器リサイクル業者協会 (EERA) がバーゼル条約の改正における電子機器廃棄物の輸出入についての共同ポジションペーパーを発行しました。今年6月のバーゼル条約締約国会議(BC COP15)で付属書の改訂が決定し、電子機器廃棄物を非OECD諸国に輸出する場合、広く「インフォームドコンセント」条件が適用される事になりました。インフォームドコンセントとは、電子廃棄物が有害・無害に関係無く「輸出国の通知と輸入国の事前承認」を必要とする事です。欧州ではバーゼル条約の付属書IIに記載された物品は非OECD諸国への輸出が原則禁止されます。このポジションペーパーは、今よりも輸出入が厳しくなる規制に対して、曖昧な解釈の排除と手続きの煩雑さを除くよう政府に求めています。欧州だけでなく世界の廃棄物管理・リサイクル業者は自由貿易の中でバリューチェーンを構築してきた為、越境の規制強化に対して業界を上げて緩和措置を求めるという傾向が続いています。逆に金属製錬企業と需要家は電子機器廃棄物を資源と見ており、資源の輸出規制には賛成しています。
http://bit.ly/3E2SVHQ

欧州の多数の包装業界組織が共同で声明を出しています。欧州では包装及び包装廃棄物指令(PPWD: Packaging and Packaging Waste Directive)の改定案を巡り、包装製品のメーカーと廃棄物管理会社を巻き込んで、大きな議論となっています。改定案は、2030 年までにすべての包装材をリサイクル可能か再利用可能にするという目標を含み、リサイクル可能の定義は、重量の 95% がリサイクルできる、という条件が規定される予定です。さらに、リサイクル可能な基準と包装材の種類による「ネガティブ リスト」も検討されています。プラスチックのみならず紙の包装材も含まれます。欧州では実質PETとPPがプラスチック包装のリサイクルの主役で、その他の包装用軟質プラスチックはバーゼル規制で非OECD諸国への輸出が禁止されて以来、飽和状態で問題化されています。改定案は包装業界にとって技術的な課題が多すぎて対応が困難との見方が優勢です。意外と知られていない実態です。
http://bit.ly/3g0Emgb
http://bit.ly/3UvBgQ7

現在エジプトで開催されているCOP27から、ちょっとした裏話です。COP会議は気候変動対策、化石燃料の廃止を推進する会議ですが、実は今回の会議には、石油・ガス産業のロビイストが636 人も参加しており、この人数は、前回のCOP26を 25%上回っています。会議で最も注目されている議題は、気候変動に大きな影響を与えてきた先進国による途上国への賠償基金の設立です。これは、経済規模が大きい先進国が排出する温室効果ガスの量が途上国よりもはるかに多いにもかかわらず、インフラが脆弱な途上国で気候被害がより甚大になる為に途上国側から賠償基金を要求されているものです。これに対し、欧州も米国も暗に賠償基金の設立に反発しています。石油・ガス業界にとっては、再生可能エネルギーインフラの乏しい途上国での新しい石油・ガス・プロジェクトが禁止される事を阻止する狙いがあり、このような多数のロビイストを送り込んでいる、との報道です。ロシアの石油とガスに膨大な資金をつぎ込み、大量のディーゼル燃料と木材をロシアから購入して自国で掘削・伐採をしてこなかった欧州ですが、脱化石燃料と声高に推進してきたその脱炭素政策は、ここにきて世界的なエネルギー高騰を招いた事から信頼性の問題が浮上していると言われ始めています。
http://bit.ly/3G8H8dV
http://bit.ly/3toEeKk

世界最大級の市場調査サービスを展開するResearchAndMarkets.comがリサイクル繊維市場の調査レポートを新たに販売しました。 世界のリサイクル繊維市場は、2022 年の推定64 億 1000 万ドルから2027 年までに 86 億 1000 万ドルに達し、年率 6.07% で成長すると予測されています。市場拡大の主な動機は「CO2 排出量、水、エネルギー消費量の削減」としていますが、課題として「素材の違いによる衣服の仕分けの複雑さ」を挙げています。繊維リサイクルとマイクロプラスチックの問題は、サーキュラ―エコノミーの次の主要な分野と見られており、今後、規制が強化される見込みです。
http://bit.ly/3UHvifq

スウェーデンのファッション大手企業H&Mが今年2度目の「グリーンウォッシング」訴訟に直面している事が伝えられています。 7月に米国ニューヨーク州で起こされたものと同様の訴訟が米国ミズーリ州の連邦裁判所で起こされています。 訴訟の主な理由は、「コンシャス チョイス」と呼ばれるコレクションが持続可能な衣料品類との誤解を招く宣伝をしている、というものです。欧米のファッション大手ブランドの一部は、二酸化炭素排出量の大幅な削減や繊維から繊維へのリサイクルを意味する言葉を宣伝活動に利用していますが、実態が伴っていない事が最近指摘されています。
https://bit.ly/3Gb6W9i
http://bit.ly/3O1sya5

EV化に向けバッテリーで使用するリチウム、ニッケル、コバルトの供給懸念はすでに広く知られていますが、負極活物質のグラファイトの分析予測を調査機関であるRystadenergyが掲載しています。現在、天然グラファイトと合成グラファイトの2種類が利用されています。需要の急増から合成グラファイトが現在の78%のシェアから2025年には 87% に達すると予想されています。ESG評価では天然の方がはるかに勝りますが、需要増と品質基準を満たすために合成グラファイトへの投資が加速しています。ただし、欧州資本のバッテリー工場ではESGの観点から天然黒鉛を原料に使用する計画が多く見られます。2つのグラファイトには特徴があるので、ぜひ覚えておきたい情報です。
http://bit.ly/3tuweHU

欧州委員会が2022年秋の経済見通しを発表し、「転換点にあるEU経済」との見解を示しています。 2022 年のEUのGDP成長率は 3.3%、2023年は0.3%と予測しています。インフレ率は2022年が9.3%、2023年も7.0%と高止まりし、財政赤字は対GDP比3.4%から2023年には3.6%に拡大する、としています。コスト高、供給のボトルネック、資金調達条件の厳格化、高まる不確実性により、2023年Q1まで状況悪化が続くと見られています。
http://bit.ly/3TAEnFa

中国人民銀行(PBOC)と中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)から金融機関への通知が出され、ローン返済の延長を含む、不動産業界への支援が概説されたとの情報があり、14日に中国の不動産関連株が急上昇しています。この通知は「低迷する不動産市場に対する最も包括的な支援策を導入するもの」と受け止められています。中国鉄鋼業の需要家の大きなセクターである不動産業への支援となり、鉄鋼需要にも影響がありそうです。
http://bit.ly/3WYI9ex

世界貿易の減少に伴いコンテナの過剰供給が拡大している事が伝えられています。最も大きな原因として、需要の低迷と小売業者の在庫をあげています。北米と欧州では在庫が豊富で企業の注文が低下している事が挙げられています。また欧米ではブラックフライデーとクリスマス商戦に向けて国内の運送会社が出荷能力を削減している為、小売販売業者も海外からの注文をキャンセルしていると伝えています。11月下旬から12月上旬にかけて、世界の主要航路で14%の航海がキャンセルされ、港でのコンテナ余剰問題を引き起こしています。特に太平洋を横断するコンテナ配送料が急落している事が伝えられています。
http://bit.ly/3GevfTT

米国の生産者物価指数(PPI)が予想の0.4%を下回り0.2%であった事からインフレ懸念が更に緩和された事が伝えられています。ただし、FRBのラエル・ブレナードとクリス・ウォーラーの発言は異なり、ブレナードは「利上げを緩和する可能性がある」と述べたが、ウォラーは、「市場は過度に楽観的であり、利上げに備える必要がある」と述べています。
http://bit.ly/3TFYxhb

新興EVメーカーが原材料価格の高騰で手持ちのキャッシュを大幅に減らしているという情報です。米国カリフォルニア州のLucid GroupとRivian Automotiveは共に新興EVメーカーで、市場から多額の資金を得て事業を開始しました。最近発表された四半期決算で、両社共に大幅な手持ち現金の減少が報告されています。原材料の高騰、長い製造時間による予約キャンセルが主な要因です。米国に上場する英国EVメーカーArrival SAも現金不足で人員削減の可能性が高い事が伝えられています。最近まで世界的な金融緩和でマネーが流入しやすかった新興EVメーカーですが、経済環境の変化で困難な状況となっています。90年代のドットコムバブルの再来か?とも伝えています。
http://bit.ly/3Eyl0bN

EV用リチウムイオン電池の原材料は価格の高騰だけでなく供給懸念もあり、ナトリウムや硫黄などの安価でより豊富な材料を代替とした電池の開発が本格的な注目を集めていると伝えられています。主に米国とヨーロッパの新興企業によって開発が進められています。現在主流のNMCやLFPの電池材料では欧米メーカーは中韓日メーカーに大きく遅れており追い付く事も難しい事から、より化学的なアプローチで革新的な材料の開発を目指しています。
http://bit.ly/3twpfOA

米国の鉄鋼大手Nucor Corpが国連(UN)の24/7カーボンフリーエネルギーグローバルコンパクトに参加すると発表しました。大手の鉄鋼メーカーとしてこの取組に参加する最初の企業となります。電力会社と協力し、24時間365日再生可能エネルギーにアクセスできるようにします。同社は今年4月に小型原子炉の開発企業であるニュースケール・パワー・コーポレーション(NY証券取引市場: SMR)と共同出資計画を発表しています。
http://bit.ly/3Ajfjf6

欧州連合の銀行、証券、保険の監視機関がグリーンウォッシングを精査する取り組みを発表しています。2024年5月末までにEUの法案作成機関である欧州委員会に最終勧告を出す予定です。グリーンウォッシングに関してはEUと英国で規制強化の動きが始まっており、いずれ他地域も同じ動きになると見られています。
http://bit.ly/3AlrnMS

EUの統計データを扱うEurostatがEUの2022年Q2の温室効果ガス発生量を発表しています。前年同期比3%増、CO2換算にして 9億500万トンです。増加は経済活動(GDP)の伸びによる影響と分析しています。部門別では、「製造」(23%)、「電気、ガス」(19%)、「家庭」(17%) 、「運輸と倉庫」(14%)、「農業」(13%)の順となっています。2022年Q1と比較するとGDPはわずかに伸びていますが、排出量は減っています。
http://bit.ly/3TFDdIH

11月11日にロンドン金属取引市場(LME)がロシア産金属の取引を「当面」継続するという正式発表を行いました。その発表が波紋を呼んでいる事をReuterが伝えています。LMEはディスカッションペーパーを発行し42個の意見書を得ています。意見は真っ二つに割れ、22個は現状通り、17個は即時取引停止を求めていました。回答者の内、北米は禁止、アジアは現状維持、欧州は均等に分かれていた、としています。回答者の唯一の共通点は「ニッケルは継続する」というものです。純度の高いロシア産のニッケルに今後の「電化」市場が依存している事が推測できます。LMEにとってのジレンマは、ニッケルよりはるかに大きなアルミ市場です。LMEとしてもロシア産を禁止すれば結果的にアジアの取引所を助ける事になり「国際指標」の地位も危ぶまれる事から、ロシア産金属の取引禁止を行う事は無い、と見る関係者も多かったようです。
http://bit.ly/3tAluYI

旧ユーゴスラビアのセルビアとコソボの緊張が高まっています。元々6月にコソボ政府が車のナンバープレートを変えるよう義務化した事に端を発しており、コソボに住むセルビア人の車や家が放火されています。ロシアはセルビアを支援し、西側諸国はコソボを支援しています。セルビアは2012年にEU加盟候補国となりましたが、コソボとの関係が正常化しない限り加盟は難しく、また、最近も欧州の対ロシア制裁には加わっていません。一部では、西側諸国とロシアの場外乱闘と呼ばれています。
http://bit.ly/3Gpn2w2

米国のリチウムイオン電池リサイクル企業であるRedwood Materialsが幾つかのニュースを発表しています。 1つ目は独自動車大手のAudiと提携して、家庭で使われている電気製品の廃リチウムイオン電池の回収を開始します。両社は既にAudiのEV廃バッテリーのリサイクルで協力しています。この取組の狙いは、EVが廃車になり大量の廃バッテリーが集まるまでかなりの時間が掛かる為、家庭用品から廃電池を集める必要がある為とみられています。 2つ目はパナソニックが米国カンザス州に設立する予定のバッテリーセル新工場向けにカソード材料を供給する事です。この新工場は2025年に稼動予定です。今年成立した米国のインフレ削減法では、EV購入時に補助金を得る為には原材料を米国または米国とのパートナー国から一定比率調達する条件が付けられています。この法律を機にリチウムイオン電池リサイクルへの投資が加速しています。実はこの調達比率条項を進めたのは民主党上院議員のジョー・マンチンで、彼が賛成しないと民主・共和50対50の上院では法案が通らず、マンチンの賛成の為にわざわざこの条件を加えました。石油産業から多額の援助を受けるマンチン議員の狙いはEV化を遅らせる事で、現実的に相当難しい条件をつけています。リサイクルに投資資金が流れるという意外な結果となっています。
https://www.redwoodmaterials.com/news/

COP27から3つのニュースをお伝えします。 BRICSの代表が「国境炭素税」に反対する共同声明を出しています。欧州連合は炭素国境調整メカニズムという輸入税を提案し2026 年から炭素集約型の製品であるセメントや鉄鋼などの製品に課税を計画しています。声明では炭素国境税が一方的な措置で市場の歪みをもたらし、国連気候協定の署名国間の信頼を悪化させる、としています。また過去1年間で先進国の化石燃料の消費が「大幅に増加」した事実を挙げ、先進国の二重基準は気候の公平性と正義を両立させない、と批判しています。
http://bit.ly/3hJa4il

前回のCOP26で採用された「段階的な石炭の使用削減」を拡大し、今回のCOP27ではインドが「段階的な化石燃料の削減」を要求していました。しかし、これが最終的な合意文章の草案から削除された事が伝えられています。実はインドが石炭だけを差別しないよう提案した事には戦略があります。途上国は安価なエネルギーとして石炭を使用しており、先進国は高価な天然ガスや石油製品を大量に使っています。石炭だけを削減対象にしている現在の状況では途上国だけが不利益となります。インドの提案が削除され、日本が化石賞を言い渡される、という所にCOP会議の政治的側面を垣間見る事ができます。
http://bit.ly/3Glusk0
http://bit.ly/3V5GQst

フランスとスペインが2035年までにガソリン車の新車販売を停止するという事が伝えられています。両国は昨年のCOP26で設立されたゼロ・エミッション・ビークル宣言(ZEVD)に新たに署名し、この約束をしました。欧州政府は2035年からゼロエミッション車のみの新車販売を計画してEU内で交渉中です。
http://bit.ly/3Oe1hkC

英国で新たなプラスチックのケミカルリサイクル工場設立計画が発表されています。投資額は4億ポンドで北東部のTeessideに工場を設立予定です。この工場は再生可能エネルギー企業のクリーン・プラネット・エナジー社とプライベートエクイティ会社のクロスロード・リアル・エステート社とのジョイントベンチャーで設立されます。2025年に予定されるプラスチック廃棄物の国際条約ではマイクロプラスチックと拡大生産者責任が盛り込まれる予定で、欧米では大手化学企業を中心にプラスチックのケミカルリサイクルへの投資が加速しています。
http://bit.ly/3hO69kr

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