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NEWSCONの気になるNEWS(2024年5月第1週)

世界で投棄されるプラスチック廃棄物について、ボランティアの国際チームが5年間、84ヶ国、計1,870,000個以上のプラスチック廃棄物を収集し調査した結果が発表されています。報告書によると、世界のプラスチック廃棄物汚染の半分以上は60社未満の多国籍企業の商品で、約25%はたった6社の製品群である事が判明しています。この調査結果を受けてパッケージの種類や仕様(使い捨て含め)はブランドが決める為、大量のゴミの原因の1つはブランドの責任であると述べています。世界の食品会社は約10社が寡占しており、様々なブランドを持っています。
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adj8275

欧州ではタイヤリサイクルに熱分解技術を行う企業が徐々に増え始めています。北欧のスカンジナビアン・エンバイロ・システムズ社(SES)は廃タイヤからの熱分解油を生成しています。タイヤの熱分解処理における問題は生成した熱分解油を製品として使えるものに精製する事です。フィンランドの石油化学会社Neste OyjはSESで生成された熱分解油を処理し、プラスチック材料や化学薬品用の高品質の原材料を生産した事を発表しています。Nesteはこの精製技術がプラスチック以外の熱分解油にも応用できる事を立証する事で、リサイクル材料の拡大を目論んでいます。
https://www.neste.com/news/neste-successfully-concludes-its-first-processing-run-with-pyrolysis-oil-from-discarded-tires

昨年より何度か話題にあがり中国内で議論されていた「関税法」が、中央政府によって承認されました。12月1日に発効される予定です。この法律の最大のポイントは貿易相手国が中国からの輸出品に関税を掛けたり、不当なセーフガードを導入した場合に反撃できる事を法律として定めた事です。更に税制上の優遇措置により貿易協定に違反する国に反撃する事も含まれており、幅広い規定となっています。他国の税制優遇措置とは文言には出てきませんが、米国のIRAや欧州のネット産業法を暗に示すものとなるようです。中国の関税法の導入について専門家は「それは核兵器のようなものだ。核兵器を持つことの目的はそれを使用する事ではなく、他人が自分に対して同じものを使用するのを阻止することだ」との見解を示しています。つまり相手と同じ手段を持つ事で抑止力を働かせる事です。
https://npcobserver.com/legislation/tariff-law/

米国が産業と社会のグリーン化を進める為に導入したIRAでは2025年1月1日から外国懸念企業規則(FEOC:foreign entity of concern)が順次適用され、中国製のバッテリーやバッテリー材料を使用したEVはIRA税控除の対象から外されます。韓国のアン・ドクグン通商大臣は「この措置が完全に実施された場合は税額控除の対象となるEV車が米国で無くなる」との懸念を示しています。現在、電池用黒鉛の99%以上、負極に使用される人造黒鉛の69%以上は中国企業が製造しています。アン通商大臣は「何らかの免除や移行期間を作らない限り、米国のEV税控除制度全体が崩壊するだろう」と述べています。韓国の電池メーカー3社(LG、SKオン、サムスンSDI)は何れもIRAに基づいて数十億ドルを受け取っており、2030年迄に北米の総電池容量の44%を占めると予測されています。中国抜きで電池は製造できないという現実と地政学的な政治決定により、米国のEVは来年から岐路に立たされる事になりそうです。
https://www.ft.com/content/7a7ba474-7068-46fc-89da-19d87e83f9d3

フォードがQ1の決算を発表し、事前予想を上回る増収・増益となりました。しかしEV 部門は税引前損失が13億2,000万ドルまで拡大し、これは前年同期比の損失5億9,800万ドルから倍増しています。増収・増益は、EV部門の損失以上にハイブリッドと大型ピックアップトラックの売れ行きが好調だった為、と説明しています。決算発表では今後、幾つかのモデルのEV計画を延期する事でEV部門の損失を減らす考えを示しています。フォードのEV部門の損失拡大は、欧米自動車メーカーの現状を端的に表す結果と見なされています。
https://www.marketwatch.com/story/ford-keeps-ev-losses-in-check-stock-jumps-4-8d77e5bc?mod=home-page

現在、中国政府が米ドル債を売却し金準備を増やしています。またBRICS間でのドル決済を減らす試みも行われています。そのような情勢の中、ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油取引の決済に米ドルではなくデジタル通貨を使用することを計画しています。ベネズエラは現在BRICSへの加盟を申請している国の1つです。ベネズエラの動きは米国と同盟国による制裁に対応したもので、同国の中南米諸国への貿易が困難になっている事を受けての対応となっています。産油国がドル決済を止めない理由の1つはドルを他国で運用できる事です。米国は元々中東産油国が原油を販売した利益で米ドル債を買う事で7シスターズ以降、石油利権をOPECに委譲しても潤ってきました。しかし2000年10月以降、当時のイラクが戦争でユーロ建て決済に切り替え、様々な要因で(主にユーロが高金利だった為)、膨大な利益を上げました。こうした経緯から西側はロシアや南米産でもドル決済を行うよう、強化してきており、現在に至っています。米ドルと原油価格が反相関なのはこの為です。この構造的なシステム(Oil Dollar System)が、仮に後10年位で変わり始めるとすれば、それは世界貿易にとって歴史的な出来事になりそうです。
https://www.investopedia.com/articles/forex/092415/oil-currencies-understanding-their-correlation.asp

CATLは北京の自動車展示会でエネルギー密度が1kg当たり205Wh、現状の最高性能品を8%上回るLFP(Shenxing Plus LFP)を発表・展示しました。メーカー発表値ですが、600kmの走行距離に必要な充電時間は約10分、走行距離を充電時間で割ると1秒毎に1kmの充電となります。新型LFPはサイズによりフル充電で1,000kmの航続距離が可能で、その充電時間は約16.6分としています。この性能はカタログデータの為に様々な走行条件を考慮していないとは言え、既にNMCの時代は終わりの始まりとなる可能性が高いと言えます。
https://www.pv-magazine.com/2024/04/29/catl-presents-ev-battery-with-1000-km-range/

オーストラリアの大手BHPグループによるアングロ・アメリカン社の390億ドルでの買収提案に関して、アングロ・アメリカンは入札金額が過小評価であるとして、この提案を拒否しました。この否定に対してBHPはアングロ・アメリカンに対する提案の改善を検討していると伝えられています。業界では銅を巡る供給不足を逆手に買収による企業規模拡大で鉱山開発を進める為の取組と見られています。26日にはこの情報を受けてファンド勢が一斉に買いに走る場面もありました。業界では衝撃的なニュースとして伝わっており、現在の鉱山とマイニングの世界情勢を反映しています。
https://www.bbc.co.uk/news/articles/c89zyxy4p4yo

ドイツ最大の鉄鋼グループThyssenkruppは鉄鋼事業の20%をチェコのエネルギー企業EPCGホールディングスに売却した事を発表しています。欧州の中でも特にドイツの鉄鋼業は大きな岐路に立たされており、鉄鋼部門の損失への対応と見られています。同社は安価な海外製品の流入、高い電気料金、インフレや高金利が重なり、過去4年間で営業損失を出す結果となってきました。同社はつい最近、今年の生産量を前年比で150万?200万トン削減し、年間900万?950万トンとする計画を発表したばかりでした。こうした欧州鉄鋼業の実情から鉄スクラップへの業界のロビー活動が一層強化される可能性があります。
https://www.thyssenkrupp.com/en/newsroom/press-releases/pressdetailpage/ad-hoc-statement-in-accordance-with-art.-17-mar-thyssenkrupp-and-ep-corporate-group-enter-into-strategic-partnership-253009

国際リサイクル局(BIR)はプラスチックのケミカルリサイクルについて意見書を発行しています。意見書ではマテリアルリサイクルを優先し、ケミカルリサイクルはマテリアルリサイクルを補完する役割を担うべき、との考えを示しています。この意見書の理由の1つはケミカルリサイクルが大量のエネルギーを消費する為、温室効果ガス排出量が多く、バージン材の製造を上回るものもある為と説明しています。BIRの意見書の発行のもう1つの理由は、より品質のよい単一材料のプラスチック廃棄物がケミカルリサイクル業者に奪われる可能性が高いという裏事情があります。プラスチックのケミカルリサイクルは石油化学メーカーを中心とした多国籍企業が出資する場合が多い為です。欧州議会の環境委員会は最近、プラスチックリサイクル材を新製品に利用する際の含有量計算に「マスバランス方式」を採用する事を止める修正案を採択しています。欧州で起きたこれらの事例からプラスチックのケミカルリサイクルに関しては今後世界的に影響が出るものと推測出来ます。
https://www.bir.org/news-press/news/item/bir-publishes-position-paper-on-chemical-recycling-mechanical-recycling-must-take-priority-and-be-incentivized

カナダで開催されているプラスチック汚染に関する国際条約交渉はプラスチックの生産量に関する規制を設けるかで対立し、年末に予定される最終多国間交渉までに小規模な部会を立ち上げる計画です。今回の多国間交渉では、化石燃料のロビー活動家の人数が政府関係者を上回ると伝えられる等、野心的な目標の設定に反対する勢力が交渉を遅らせていると伝えられています。国際条約は国内法より優先される為、この条約によってプラスチックリサイクルへの投資が加速するものと考えられてきましたが、実際には地政学的な緊張と分断により当初想定されていたものからはかけ離れた状況となっています。
https://uk.finance.yahoo.com/news/plastic-treaty-talks-behind-schedule-163359211.html

「EUが中国製EVの関税を30%に設定しても、中国EV企業は利益を上げる事ができる」と調査会社が報告しています。中国BYDのEUでの販売益は、中国での販売益に比べ11倍大きい事が判明しています。その為、仮にEUが中国製EVに30%の関税を導入しても十分に利益を残す事が可能です。これはBYD以外のメーカーにも同様な事が言え、中国EVメーカーが欧州市場を魅力的でないと判断する関税率は40-50%と計算しています。BYDの様に電池から製造する垂直統合メーカーでは、この値が更に高くなります。しかし現在のWTO規則では、このような高率の関税は事実上不可能な為、恐らくEU政府はEU域内の自動車メーカーを保護する為に別の手段を用いると分析しています。関税以外の手段とは環境や安全保障に基づく制限を設ける事です。米国は既に経済と地政学の両方の安全保障を理由に事実上中国製EVを排除しています。しかしフランスやドイツの産業は中国市場からの利益が大きく、一筋縄ではいかないようです。5月には中国の国家主席がフランスを訪問します。中国の首席が最近会っているのは、ドイツとフランスのトップとなり、G7の2ヵ国がどの様な舵取りをするかで、欧州のEV市場の行方も変わりそうです。国内では飽和状態と過剰生産能力で問題を抱える中国EV産業も、EUの動向次第で大きな影響が出ると予想されています。
https://fortune.com/europe/2024/04/29/eu-unwinnable-price-war-chinese-evs-byd-cars-11-times-more-profitable-in-europe-than-in-china/

米国政府のバランスシートは猛烈なペースで拡大し続けており、過去僅か2ヵ月で2,740億ドルと急増しています。最近、米国の政府債務に関する警告は多くの著名投資家から発せられています。ここ2週間は雇用市場が弱含んでいる事から経済の弱さも指摘され始め、年末迄に失業率上昇の可能性も懸念されています。一部のエコノミストによれば米国経済は既に低迷し始めており、(選挙年という事もあり)政府が成長を下支えする為に債務の増加を想定しています。それはGDPの60%を国有企業が占めていた、かつての中国経済と似ていると強い言葉を発しています。仮に一部の欧米エコノミストの予測の通り、年末迄に米経済がある程度ハードランディングする可能性がある場合、ドルの価値にも影響が出る可能性があります。膨張する政府債務の利払い増加は利下げ圧力の1つの要因でもあります(米利下げ⇒円高)。
https://www.geopoliticalmonitor.com/cbo-hints-at-future-us-sovereign-debt-crisis/

欧州鉄鋼協会EUROFERは2004年のEUの鉄鋼消費量予測を前年比5.6%の伸びから3.2%の伸びへと下方修正しています。サプライチェーンの混乱、エネルギー価格と生産コストの上昇、ウクライナ戦争の影響により、鉄鋼需要の深刻な停滞期が2022年第2四半期に始まりました。この負のサイクルは2023年の第4四半期まで続きました。2024年には産業の見通しと鉄鋼需要の改善により、この指標はある程度回復すると予想されていましたが、当初の想定よりも低くなる見込みです。2023年にEU鉄鋼メーカーの鉄鋼生産量は2022年比で7.4%減少し、1億2,630万トンとなりました。鉄鋼はあらゆる産業の原材料である為、全体としては引続き低調な状況が続くものと見られています。
https://www.eurofer.eu/press-releases/steel-market-outlook-deteriorates-further-in-aftermath-of-worse-than-expected-recession

EV大国、環境大国と宣伝しているノルウェーですが、年金機構や社会インフラの一部(多く)は北海油田の化石燃料事業の利益に依存している事は既知の事実です。ノルウェーのエネルギー大臣は5億7,200万ドル規模の新しい北海油田・ガス田の開発計画を受け取りました。大臣は「この開発は地域社会に多大な価値をもたらすだろう」と前向きな発言をしています。この計画はブラージュ油田の延命を行う開発が主体となっています。
https://www.regjeringen.no/no/aktuelt/tok-imot-utbyggingsplan-for-olje-og-gassfeltet-bestla/id3036869/

2023年に中央アジア(カザフスタン、ウズベキスタン等の5ヶ国)の最大の貿易相手国はロシアから中国となりました。つい最近、カザフスタン、中国、ロシアの3ヵ国は「共同輸送ハブ」の建設を開始しました。これはモスクワ近郊のセリャティノ駅に建設され、カザフスタン、中国と鉄道で輸送をリンクするものです。2022年に欧米がロシア制裁を強化してから、EUと中央アジア5ヶ国との貿易取引額は大幅に増加し、特に自動車、船舶、おもちゃのEUからの輸出は31,000%と急増しました。これらは「裏口貿易と」呼ばれ、ロシアとの迂回貿易の実態を示してきました。しかし今年に入って事態を重く見た欧米政府は、銀行取引の監視強化に乗り出し、事態は大きく変わっています。中国の一部の大手銀行は先月以来、米国の制裁対象を避ける為にロシア関連取引を制限したり、業務を停止したりしています。これまで欧米の制裁後にロシアで成長してきた中国銀行の業務は大きく逆転し始めています。中国建設銀行と中国農業銀行は、ロシア子会社による資産の減少を報告しています。ロシアの銀行家は中国で禁止されている暗号通貨での支払いが唯一の選択肢になるかもしれないと述べています。ロシアと利害関係のある中国企業を代表する南東部の貿易団体の責任者は「中国とロシア間の取引はますます地下ルートを経由するようになるだろう」と述べています。今までロシア産金属の大きな受け皿となっていた中国の動きが変わる可能性があります。少し前には銅製品を「スクラップ」と偽り、ウイグルを経由して第三国に輸出する手段を用いた事が報道されたばかりでした。ロシア産金属の市場からの締め出しは、価格上昇の要因及びスラップ需要の増加となる可能性があります。
https://www.businessinsider.com/china-russia-trade-relations-shipments-us-financial-sanctions-threat-crypto-2024-4

中国共産党政治局は金利や銀行預金準備率等の金融政策と積極的な財政政策によって経済支援を強化する計画です。この報道だけで恐らく金属価格にも影響が出ると思われます。新華社通信は、経済の持続的な回復と改善には依然として多くの課題に直面している為、柔軟に対応するという政治局の意図を伝えました。債務問題に対応する為、早期に超長期特別国債を発行し、必要な財政支出を維持する予定です。特別超長期国債の発行額はおよそ1兆元規模と伝えられています。同時に中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議を今年7月に北京で開催する事も決定しています。これにより経済へのテコ入れを行う見込みです。しかし専門家の一部にはこの様なテコ入れでも現在の中国の債務問題や経済構造を変えるには十分で無いとの分析もあります。
https://www.hellenicshippingnews.com/china-to-step-up-support-for-economy-flexibly-use-policy-tools-politburo-says/

世界のCO2排出量の約8%を占めるセメント産業は新たな素材による低炭素化が可能になるかも知れません。カンラン石を硫酸に溶解し生成した化合物からシリカと硫酸マグネシウムを分離した後、マグネシウムスラリーにCO2を吹き込む事で「ネスケホナイト」と呼ばれる鉱物を形成します。この工程でCO2が吸収されます。コンクリート混合物中の通常のセメントの35%をこの工程で生成したシリカで置き換えると、シリカの製造工程でCO2を吸収できることから「カーボンニュートラルなセメント」が生成され、40%以上になるとカーボンネガティブになると推定されています。現在の建築基準ではセメントの最大55%をこの種の材料で代替することが認められていますが、試験に使用できる量は未だ十分に確保されていません。カンラン石は地球のマントルの主要成分の1つであり、埋蔵量は全ての大陸にあります。カンラン石をセメントに変えるプロセスの特許を取得しているのは英国企業のSERATECHという会社です。
https://www.seratechcement.com/our-technology

米国上院議会は未だ制裁の対象としていないロシア産の濃縮ウランの輸入禁止を可決しています。米国によるロシアのウラン輸入量は米国需要全体の24%を占めており、ロシア製濃縮ウランに年間少なくとも10億ドルを支払っています。上院による可決以前にホワイトハウスはロシアのウラン資源への依存が「米国経済にリスクをもたらす」と警告していました。しかし、この禁止により新たな供給先を探す事は困難で濃縮ウランのコストは最大20%上昇する見通しです。原子力発電を行う国にとって今後、米国の様にロシア産の濃縮ウランを制裁対象とした場合、供給先が絞られ価格ドミノが起こる可能性が高いと見られています。安価で安定したエネルギー源ですが、米国のこの制裁措置は他国にとっても大きな意味を持ちそうです。
https://www.usnews.com/news/top-news/articles/2024-04-30/us-senate-approves-bill-to-ban-russian-uranium-imports

アルミニウム・メーカーによるスクラップ処理施設への新たな投資は既に珍しくなくなりました。欧州最大規模のアルミメーカーであるノルウェーHydroは、英国の北スウェールズのリサイクル施設に1億8,000万ノルウェークローネ(約22億円)を投資します。Hydroは2030年に向けてリサイクル分野への成長投資を強化するという目標を掲げており、今回の投資もその1つです。スクラップ施設を強化する事で現在購入しているリサイクルスクラップを減らし、直接廃棄物からスクラップを利用できるようになります。この増強で年間約3万トンの材料を確保する事になります。これは地域リサイクラーにとっては大きな出来事になると思われます。
https://www.hydro.com/en-GB/media/news/2024/hydro-invests-nok-180-million-in-new-scrap-sorting-facility-in-the-uk-to-increase-low-carbon-aluminium-capability/

プラスチックの生産量制限とリサイクルへの警告を強く行っている団体に「国際汚染物質除去ネットワーク」があります。同団体は、プラスチックリサイクル品に含まれる有害化学物質について調査しており様々なデータを挙げています。例えばプラスチック製の殺虫剤容器がリサイクルされると、リサイクルされた材料に有毒な殺虫剤が混入する可能性があります。それ以外でもリサイクル工程で他のプラスチック廃棄物からの有毒物質が混入するケースがあります。特に新興国でリサイクルされるプラスチックには顕著にこの傾向があります。同団体はアルゼンチン、マレーシア、タイ、セルビア、ネパールを含む13ヶ国から28の再生プラスチックサンプルを入手しテストしました。その結果、500種類近くの化学物質が確認された事を報告しています。この問題は今まであまり認識されていませんでしたが、欧米では徐々に認識されるようになっており、今後、話題に上がる事があると思われます。
https://www.ipen.org/policy/toward-a-plastics-treaty

米国の国立環境保健科学研究所(NIEHS)はマイクロプラスチック及びナノプラスチック(MNP)の人体への影響について、専門家による最近の研究結果を載せています。MNPに曝された場合、出生直後の赤ちゃんの健康状態を評価する「アプガーテスト」のスコアが若干低い傾向があります。しかしMNPへの曝露と健康状態の悪化との間に因果関係があるかどうかは不明であり、これらの物質が人間にどのような影響を与えるかを解明するには、まだ多くの研究が必要です。しかし一定の状況では悪影響がある事が発表されています。冠動脈のバイパス手術を受けた患者の組織を収集し、動脈プラークにMNPがある人は、MNPが無い人に比べて心臓発作、脳卒中、または死亡のリスクが著しく高いことが発見されています。人が何らかの形でMNPを摂取すると腸で吸収され、血流に入り、様々な働きをするという事は分かっています。今後こうしたMNPの人体への影響が判明してくるにつれて、規制が連動する可能性が高いと見られています。
https://factor.niehs.nih.gov/2024/5/feature/4-feature-microplastics-and-nanoplastics

トリノで開催されたG7環境大臣会合では、4月30日の声明でプラスチック汚染に関する初の根本的な問題解決に取り組む必要性が訴えられました。この声明では「プラスチックの1次ポリマーの生産と消費を必要に応じて抑制することを目指します。プラスチック汚染を無くす為にプラスチックのライフサイクル全体を通じて野心的な行動をとることに尽力し、世界に同様の行動をとるよう呼びかけます」と述べられています。具体的な数値目標は示されませんでしたが、生産量の抑制に言及した事は大きな進歩と言えます。
https://www.lemonde.fr/en/environment/article/2024/05/01/plastic-pollution-g7-calls-for-curbing-alarming-production-but-must-still-convince-china-and-the-gulf-nations_6670040_114.html

米国財務省は約200の人や団体を対象とした新たなロシア制裁を発表しました。また米国国務省は、制裁回避や回避に関与したり、ロシアの化学兵器・生物兵器計画や防衛産業に関連したりした80以上の団体や個人に制裁を課しました。これらには中国企業も含まれています。国務省の制裁はロシアのエネルギー、金属、鉱業が収入を得る事を阻止する事が狙いになっています。財務省もまた引続きロシアの軍事サプライチェーンを抑制する強い意志を示しています。欧米はエネルギー危機や原材料のサプライチェーンの分断で制裁を「段階的」に行ってきました。ここに来て、ある程度の目途が立った事もあり、かなり強力な制裁となっています。イエレンやブリンケンの訪中は米国による中国銀行への制裁を事前に警告する意味もあったようで、この問題は1週間前から報道されていました。今後、西側市場からロシア産の原材料やエネルギーが締め出されるだけでなく、ロシア産の原材料やエネルギーをディスカウントで購入していた国や企業からロシアへの代金支払いを行う銀行にも制裁が行われる危機感が増しています。その為、多くの銀行が取引を躊躇しており色々な意味で原材料とエネルギー価格には影響が出そうです。
https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy2318#Annex1

ナトリウムイオン電池のパイオニアである米国のNatron Energy社はミシガン州の工場で量産を開始したと発表しました。また韓国科学技術院(KAIST)の研究者らは、超急速で充電できるナトリウム電池の設計に成功したと発表しています。これらの進歩はナトリウムイオン電池が「卓上の理論」から実用化のレベルに達しつつある事を示しています。中国では既に一部のEVでのテストも行われています。ナトリウム電池の特徴の1つはリチウム電池に比べて充放電時間が短いことです。その為、エネルギー密度が小さい不利点を充電速度で補う事が考えられます。Natron Energyはこうした特徴を活かし、当面は風力や太陽光の蓄電システム、データセンター向けのソリューションに開発を定めています。ブルームバーグNEFによるとナトリウム電池は2030年迄に蓄電池市場の12%を占めるようになると予想されています。ナトリウムイオン電池は火災の危険が少なく、高価なコバルトやリチウムを必要としない等の利点があり、引続き注目を集めています。
https://natron.energy/

ロンドン金属取引所(LME)は、同取引所が扱うアルミニウムに関してEUの国境炭素調整メカニズム(CBAM)に対応する要件を規則に取り入れる協議を開始しました。CBAMでは生産やバリューチェーンにおける炭素排出量の報告要件を定めており、この要件に適用させる事が目的となります。同時にLMEはディスカッションペーパーを発行し、LMEの持続可能性アジェンダを更に発展させ為の提案について意見を求めました。LMEは全てのアルミニウム品目(一次アルミニウム、アルミニウム合金、NASAACを含む)の生産者に対して2025年3月から「検証済み」の排出量データをLMEのデジタル認証登録簿であるLME passportにアップロードするよう提案しています。これはアルミ市場にとって非常に大きな出来事です。LMEの提案が採用されれば、EUへ出荷(輸出/取引)するアルミの生産時排出量のスコープ1と2について、デジタルパスポートに入力する必要が生じます。
https://www.lme.com/about/Responsibility/Sustainability/Advancing-sustainability-in-the-global-metals-industry

UAEとオマーンは320億ドル(約5兆円)という巨額なメガグリーンプロジェクトに合意しました。このパートナーシップにはエミレーツ・グローバル・アルミニウム(EGA)、エミレーツ・スチール・アルカン(ESA)が含まれ、今後この地域のグリーンメタル製造に大きく貢献する事になります。昨年9月にはUAEの鉄鋼メーカー数社のコンソーシアムが同国の工業都市ウム・アルクィーンに4つの製鉄所を建設する計画があると明かしています。この工場群は「スチールセンター」と呼ばれ、サイズは13万平方メートル、最先端のリサイクルと生産技術を使用して、高品質の鉄鋼製品を量産する計画です。今後数年でUAEへの鉄スクラップの流入量は増えると見込まれています。
https://www.yemenonline.info/gulf-news/8108

BHPによるアングロ・アメリカンへの買収提案をキッカケに、銅の新たな「スーパーサイクル」論が浮上し始めています。銅の需要は今後数十年に渡り高い水準が維持される事は確実視されています。しかし鉱脈の探査から鉱山開発、更に精鉱から銅の生産までの時間は最低でも数年単位、多くは10年単位となるだけでなく、非常にコストがかかります。その為、需要に見合う供給を確保する事が益々困難な状況と見られています。既存の供給元では利用できる純粋な銅鉱山が限られています。様々な理由により2012年から2020年にかけて、銅産業の設備投資額は40%以上減少しました。商品の世界で約30年毎に起こる価格の「スーパーサイクル」の1つの要因は、何年にもわたる過少投資と、その後の社会変化による需要の伸びです。この根本的な要因に合致しているものが、今の銅が置かれている状況です。現状のグリーントランジッションが計画通りに進められた場合、銅は2030年までに年間約6百万㌧もの供給不足があるとの予測も出始めています。その場合には銅価格が2030年には1万5000ドルの大台に乗ると算出されています。
https://www.telegraph.co.uk/business/2024/05/02/world-poised-on-edge-new-copper-supercycle/

家庭用品の多国籍企業でプラスチック削減に最も取り組む企業の1社であるユニリーバは、プラスチック削減目標の更新を行っています。バージンプラスチックの使用を2026年に30%、2028年に40%削減し、硬質プラスチックは2030年迄に軟質プラスチックは2035年迄に全ての包装品が再利用可能、リサイクル可能、または堆肥化可能となります。同社は現在、2025年迄に包装材にリサイクルプラスチックを25%使用することを推進しています。
https://www.unilever.com/news/news-search/2024/how-were-aiming-for-greater-impact-with-updated-plastic-goals/

欧州委員会は中国の大手EVメーカー3社に警告文を送付しています。欧州委員会は中国のEVに対する不公正な補助金や援助の調査を実施しています。中国EVメーカーのBYD、SAIC、Geelyに宛てた書簡は何れも4月23日付で、この3社が補助金、事業運営、サプライチェーンに関する十分な情報を提供していなかった為に送付されています。3社は何れも公正とは認められない補助金を受領しており、欧州の自動車メーカーに対してEU市場で不当に優位な立場であるとの疑いから捜査を受けていました。欧州政府による中国のEV調査は夏休み前には終了すると見られており、結果は10月頃に発表される予定です。現状では欧州政府が中国製EVに対して、何等かの措置を取る可能性が極めて高く、上記の情報はフランスのマクロン大統領と習近平国家主席が会う直前にリークされる等、政治的に敏感な対応となっています。中国にとっても最も大きな問題は、欧州政府が中国のEVが不公正な補助金によって競争力を獲得したという「事実」を世界に発信する事です。これが前例となり他国も中国EVに対して「不公正な競争力」を理由とする事が出来るようになります。
https://www.politico.eu/article/china-electric-vehicle-uncooperative-probe-european-commission-letters/



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