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NEWSCONの気になるNEWS(2024年10月第3週)
中国政府はShFEをLMEのベンチマークに匹敵する国際競争力を持たせる事を目指していると伝わっています。計画では国際的に金属倉庫の整備を進める予定です。この施策は中国が生産・消費する膨大な量の工業用金属の価格設定により大きな影響力を持つことを目指すものです。ShFEベンチマーク強化は中国企業が現物契約をLME価格にリンクさせる必要性を排除し、市場の影響力を西側から中国に移します。当局は上海の先物取引所で取引するよう外国企業を誘致しようと努めていますが、こうした動きは結果的に世界市場を分断する可能性があります。中国は過去20年間にわたり世界中で鉱山資源を購入してきました。その為、金属価格の決定により大きな発言力を持ちたいと考えています。最大の課題は取引通貨です。人民元からドルへの交換に依然として制限があることが問題です。中国による金属価格インデックスの支配は、言うほど簡単には実現できそうにありません。しかし現物の圧倒的生産・消費量を背景に、今後、影響力を強める政策を進める事は間違いなさそうです。
▶ https://www.reuters.com/markets/commodities/inside-chinas-bid-build-sway-over-global-metals-pricing-2024-10-14/
国連環境計画は11月25日からの多国間協議で草案の大詰めとなっている「プラスチック汚染に関する国際条約」について代表団長の非公式対面会議の情報メモを公開し、それに連動するかたちでOECDも報告書を発行しました。OECDは(条約で議題に上がっているような)適切な政策が実施されれば、プラスチック汚染は2040年迄にほぼ終息する可能性があると結論付けました(かなり政治的意図がある内容ですが)。プラスチックのライフサイクルに対する包括的な政策を世界共通で実施する事により2040年迄に環境へのプラスチックの流出を95%以上削減できる可能性があると述べています。条件としては対策が世界中で実施される事で、内容は廃棄物管理とリサイクルの推進、プラスチックの生産と使用の削減が含まれています。OECDは世界のプラスチック生産と消費が2020年の4億3500万トンから2040年には7億3600万トンへと70%急増すると予測しています。その為、11月の国連環境計画による多国間協議は将来に向けて非常に重要な意味を持つものとなります。
▶ https://www.oecd.org/en/events/2024/10/policy-scenarios-for-eliminating-plastic-pollution-by-2040.html
オランダのPETリサイクル新興企業Ioniqa Technologiesが破産保護を申請しました。プラスチックのケミカルリサイクルを商業利用する事の難しさを端的に示す例となりました。同社の技術はプラスチックのケミカルリサイクルを利用して、色付を含むPETをモノマーへと分解するものです。破産保護申請の最大の理由はPETリサイクルから十分なキャッシュフローを生み出す事ができず、投資回収までに時間が掛かり過ぎる事です。特にバージンプラスチック材料の高品質と低コストに対抗できず、リサイクル材のサプライチェーンが未完成な事が新興企業にとって致命的な問題となりました。欧州の「包装及び包装廃棄物規則」は年内には立法過程がほぼ完了すると見られていますが、現在はまだ規制が整備されておらず、リサイクル材料の利用は一部の大手メーカーに限られている背景があります。
▶ https://ioniqa.com/ioniqa-technologies-b-v-files-for-bankruptcy-protection/
2023年末迄に英国の太陽光発電設備で使われた材料の量は、アルミニウムが推定152,523トン、銅が8,745トン、ガラスが667,947トンでした。英国のエクスター大学はこれらの材料のリサイクルに関する重要性をまとめた報告書を発行しました。報告書では材料や製品が可能な限り長く流通し続けるよう、製品設計、材料の使用、耐用年数終了時の管理を全面的に見直すことを提唱しています。英国のネットゼロ戦略では2035年迄に70GWの太陽光発電容量という目標を掲げており、対策は急務となっています。その為「英国の太陽光発電は重大な岐路に立っている」と警告を発し、リニア経済モデルで運営しながら大幅な成長を遂げた同エネルギー設備を、より循環性の高い経済モデルに移行する事が必要不可欠と結論付けています。欧州大陸でも英国でも太陽光パネルのリサイクルは喫緊の課題となりつつあります。
▶ https://news.exeter.ac.uk/faculty-of-environment-science-and-economy/university-of-exeter-business-school/solar-industry-at-critical-juncture-with-circular-economy-crucial-to-government-target/
一連の経済刺激策の効果が限定的で消費マインドの低下が数値に表れた為、中国政府は、今後3年間で特別国債から更に6兆元(8,500億ドル)を調達する予定です。資金の一部は地方政府の帳簿外債務の返済に充てられる見込みです。このニュースでも中国の株式市場のセンチメントはあまり回復しませんでした。12日に藍芳財政相は「債務を大幅に増やす」と述べましたが、その時点では財政措置の規模や時期に関する詳細は明らかにしませんでした。14日に発表された9月の貿易統計や新規融資統計は予想を下回り、中国が今年5%の成長目標を達成できず、デフレ圧力の回避に苦戦するのではないかとの懸念が高まっています。専門家は今回の6兆元の影響について「2024年と2025年に5%の成長率を達成する可能性は大幅に高まる」と分析しています。一方で「今後数年間、一貫して5%を達成するのは、特に中国が外需の支えにならなければ、依然として困難だ」と分析しています。
▶ https://www.business-standard.com/world-news/china-may-raise-850-bn-in-new-debt-over-3-years-to-spur-growth-report-124101500145_1.html
ワールドスチールが世界の鉄鋼需要の短期見通しを発表しました。中国の需要は2024年に3.0%減少、2025年は1.0%の減少、政府の刺激策で25年はやや上昇の可能性があります。インドは2024年に3.5%、2025年には4.2%に増加する見込みです。MENAとASEANは 2022 年から 2023 年にかけて大幅に減速した後、今年はやや回復すると予想しています。先進国(米国、日本、韓国、ドイツ等)は2024年に2.0%減少、2025年には1.9%に増加すると楽観視しています。EUでの需要の回復、米国と日本での緩やかな回復が期待されています。世界合計では今年0.9%の減少と予測しています。
▶ https://worldsteel.org/media/press-releases/2024/worldsteel-short-range-outlook-october-2024/
2年に1度のパリモーターショーが欧州のEV事情を物語っています。EUの政策立案者や英国政府が予測したような低炭素輸送の新世界からは程遠く、全く逆のことが起きています。率直な物言いで有名なステランティスのCEOカルロス・タバレスは、エンジンとEVの両方への投資期間が長引くことで、業界が打撃を受けていると強い懸念を示しています。パリのショーでは小型EVが盛況ですが、これは単に欧米自動車メーカーが大型車の代わりに小型車を販売することで損失を最小限に抑えようとしているだけだ、という認識が広がっています。EUのビジネスリーダーらは「EUの政策立案者は低炭素経済への移行にどれほどの費用がかかるのかを正確に把握する準備ができていない」と批判しています。中国メーカーは、EUの追加関税をここでも批判しており、価格の上昇による購入者離れを懸念しています。欧米では鈍化が止まらないEVですが、中国だけは販売が突出しており、9月はEV販売台数が前年比47.9%増となり、2ヵ月連続で100万台を超え、新記録を樹立しています。
▶ https://www.reuters.com/business/autos-transportation/chinese-european-automakers-face-off-paris-car-show-2024-10-14/
中国のアルミナの現物価格は10月15日に過去最高値を更新しました。業界筋は今後数ヶ月間、アルミナ価格の勢いが続くと予想しています。上昇の主要因は輸出国のギニアのボーキサイト供給の混乱と中国の生産者の需要の強さです。S&Pは15日の中国国内のアルミナ工場渡価格を1トン当たり4,450元と査定しました。これは価格指標を開始した2010年8月以来の最高値でした。中国への最大のボーキサイト供給国であるギニアからの供給は過去数ヶ月間は悪天候によるものでしたが、現在はギニア税関当局による輸出の阻止により混乱しています。輸入裁定取引の機会がないことからも、中国での供給は枯渇している状況です。中国での生産も水が十分確保できる現在、製錬所が今年一杯は当局から生産抑制命令があるまで生産量を増やす予定です。
▶ https://www.spglobal.com/commodityinsights/en/market-insights/latest-news/metals/101524-china-alumina-price-hits-fresh-all-time-high-set-to-remain-elevated-in-near-term
廃棄物業界にとってはやや厄介なニュースです。英国の放送局BBCは全国から集めた5年間のデータに基づき、廃棄物発電(EfW)はエネルギー単位当たりの温室効果ガス排出量が石炭火力発電と同量であると発表しました。BBCは「この分析には廃棄物焼却炉のオペレーターが記録した実際の汚染レベルのデータが使用された」と述べています。英国の環境サービス協会(ESA)は、廃棄物を埋め立て地から転用することで回避される排出を考慮せずに、EfWの温室効果ガス排出量を他の形態のエネルギー生成と比較するのは「誤り」であるとして、調査結果に異議を唱えています。CIWM(英国廃棄物管理協会)はBBCの分析はいくつかの重要な問題を提起しているが「幾つかの重要な要素が抜けている」との見解を示しています。英国政府当局の環境・食糧・農村地域省の広報担当者はBBCに対して「私たちは廃棄物を削減し、循環型経済に移行することで、より多くの資源を再利用、削減、リサイクルし、排出量目標の達成に貢献することに尽力しています」と政府らしい、回答とは程遠い曖昧な答弁に終始しました。EUでは廃棄物発電所も排出権取制度(EU ETS)の対象とするかどうか、2026年7月31日までに結論を出す事で進められています。
▶ https://www.bbc.co.uk/news/articles/cp3wxgje5pwo
2024年1月から9月までの世界の船舶リサイクル量は前年比で20%以上減少しました。船舶リサイクルは労働コストの問題から南アジア3ヵ国に集中しています。リサイクル率下落の大きな要因は通貨安です。インドルピー、パキスタン ルピー、バングラデシュタカ共に米ドルに対し通貨安で推移し、入札の為のドル調達コストとインフレが重なり、業者の利益を圧迫しました。またパキスタンは米ドルの流動性不足による鉄鋼需要の減少、バングラデシュは悪天候、政治と経済の不安定さ、信用状問題が引き続き市場の重荷となっています。この傾向は今後もしばらく続くものと見られています。インドの船舶リサイクルに関しては若干改善が見られています。
▶ https://www.bigmint.co/insights/detail/global-ship-recycling-tonnage-falls-over-20-y-o-y-in-jan-sept-24-is-market-recovery-in-sight-589754
英国政府は鉄鋼を含む製造業基盤を支援する為に新たな産業戦略および国家繁栄基金を立ち上げます。今回の産業戦略は7年振りのもので、重点分野は先進製造業、クリーンエネルギー、クリエイティブ産業、デジタル技術、金融サービス、ライフサイエンス、専門・ビジネスサービス産業です。英国のインフラ銀行は、国家福祉基金 (NWF) に改組される予定です。NWF はインフラ以外にも権限を拡大し、政府の新しい産業戦略を支援します。NWFの資本の内、少なくとも58億ポンド(1兆1000億円)は港湾、電池のギガファクトリー、グリーン水素、グリーンスチールといった分野に重点的に投入される予定です。最近、英国の鉄鋼業界は政府に対して更なる保護貿易措置を検討するよう要請しました。業界は世界的な鉄鋼生産能力の過剰を背景に、輸入鉄鋼の流入で問題を抱え始めています。
▶ https://www.gov.uk/government/news/industrial-strategy-launch-to-hardwire-stability-for-investors
英国議会は貴族院環境気候変動委員会が発効した報告書「EV戦略:急速充電が必要」について議論します。英国はゼロエミッション車(ZEV)の義務化を既に発表しており、2030年までに乗用車の80%とバンの70%をZEVにすることが求められます。この比率は2035年迄に100%となります。現労働党政権は今度の予算案で現行の税制(EV含む)を変更する意図はない事を伝えています。しかし自動車業界のリーダーの何人かはZEV義務化の変更が不可避であると批判しています。ステランティスはZEVの割り当てを巡って政府と対立する中、数ヶ月にわたって選択肢を検討してきました。パリモーターショーでは英国政府が補助金を増やすか、割当を減らす等の援助を行わない場合、今後数週間以内に英国工場を閉鎖するかどうかを決定すると公式に伝えています。しかし現政府はEV推進を標榜しており、ZEV義務化が前倒しになる可能性もあります。英国は中国製EVへの追加関税も行わない計画で、英国内の自動車産業の空洞化の懸念が広がり始めています。
▶ https://www.thisismoney.co.uk/money/markets/article-13959055/Vauxhall-owner-considers-UK-plant-closures-Decision-weeks.html
中国政府が3年前に導入した「共同繁栄(富裕)」政策により、銀行家やファンドマネージャーらが金融業界の仕事を辞めている実態が報じられています。取引や資金調達、取引成立に対する監視が強化され、景気低迷による株式売買の低迷も重なり、プライベートエクイティやベンチャーキャピタルが枯渇し、株式上場市場が壊滅的な打撃を受け、給与や雇用が削減されている、と伝えられています。公式データによれば、弱体なヘッジファンド運営者を特定するためのキャンペーンにより、過去1年間で数千のファンドが倒産する事になりました。多くのヘッジファンドは株価上昇の恩恵さえ受けられず、空売りポジションで損失を被りました。運用資産規模で10大銀行の1つである招商基金管理は、上級幹部に対して、過去5年間に受け取った報酬の内、新たな「共同繁栄(富裕)」の上限を超えた額を返還するよう求めています。こうした政策もあり(超)富裕層の海外脱出が続き、2023年は約13,800人、2024年には、過去最高の15,200人が流出すると見られています。実は英国でも億万長者の海外脱出が続いており、2024年は推定最大9,500人が英国を離れると見られています。ブレグジット以降、2017年から2023年の6年間の国外脱出億万長者数は、計約16,500人でした。億万長者の純流出数では今年、中国が世界1位、英国が2位です。
▶ https://www.asiafinancial.com/chinas-bankers-fund-managers-ditch-careers-amid-crackdown
世界最大の木質ペレット発電企業である英国のDraxは、カナダの原生林を伐採し発電に利用した事が明らかになりました。FTが内部メールを確認し発覚したものです。Draxは 8月に木材の種類を不正確に記録したとして2,500万ポンドの罰金を課されています。Draxには2012年以来、合計で70億ポンド(1兆3000億円)の公的資金が再エネ補助金として注ぎ込まれてきました。この補助金は2027年に全て終了する為、補助金を延期するか政府と協議中です。環境保護団体は何度も補助金中止を求めてきましたが、Draxは政府関係者や金融組織の主要な天下り先であり、大手金融機関が投資してきた企業の為、そうした声は殆ど反映されてきませんでした。Draxはカナダのペレット企業Pinnacleを買収しましたが、木材価格の高騰、輸送費の高騰、森林伐採規制の強化等により、不正が行われた模様です。環境団体は自然破壊と炭素排出が著しい「輸入」産業用木質ペレット発電は再エネ課金を投資家の配当に変え、自然を破壊しながら「グリーン」と宣伝した、今世紀最大のScamの1つと称しています。
▶ https://www.proactiveinvestors.co.uk/companies/news/1058454/drax-emails-show-wood-fuel-sourced-from-old-canadian-forests-1058454.html
インドの鉄スクラップ輸入量は9月に12%減少しました。2024年上半期輸入量は26%減少し、1-7月では、20%減少しています。これは1つの流れで注視する必要があります。1つは輸入への依存が徐々に低下している事です。国内発生が増えており、2030年までに70%増加し、約4,500万トンになると予想されています。DRI(直接還元鉄)への移行も顕著です。輸入スクラップに比べて価格競争力がある為、鉄鋼メーカーは地元のDRIの使用を増やしています。海上輸送費の高騰も要因の1つです。政府は新しい規制の導入で、スクラップ業者の税徴収強化に取り組んでおり、国内のスクラップ市場の調達パターンが変化しています。
▶ https://www.bigmint.co/intel/detail/india-s-ferrous-scrap-imports-drop-12-y-o-y-in-sep-24-31053
幾つかの欧州の指標が発表されています。通貨ユーロを使うユーロ圏の年間インフレ率は2024年9月に1.7%、前年同月の2.2%から低下ました。欧州連合のインフレ率は2.1%で、こちらも2.4%から低下しています。インフレ率は、20の加盟国で低下、2ヵ国で横這い、5ヵ国で上昇しました。東欧でインフレ上昇が見られ、景気が同地域で回復傾向にある事が伺えます。ユーロ圏の貿易収支黒字は46億ユーロで、前年同月比の48億ユーロから減少しました。欧州全体では17億ユーロの赤字でした。また欧州で最も旅行者が訪れた地域はスペインの島嶼地域であるカナリア諸島、2位はバレアレス諸島、3位はクロアチアの沿岸地域のヤドランスカ・クロアチアした。実はクロアチア沿岸部は物価も安く、気候も良く、日本からの観光客はごく僅かですが、知る人ぞ知る、有名な観光値です。
▶ https://ec.europa.eu/eurostat
米国で大きな物議を醸している環境保護庁(EPA)による石炭火力発電所やガス火力発電所の排出規制ですが、最高裁判所はこの規制を当面維持する判断をしました。EPAの規制は、多くの州や業界団体の要請により、連邦規則の執行を保留するよう裁判が起こされていました。最高裁判所は全米27州と電力会社、業界団体による、下級裁判所での訴訟が続く間、規制の一時停止要求を却下しました。この規則は既存の石炭火力発電所と新規の天然ガス火力発電所に対して、二酸化炭素の回収・貯蔵等を通じて排出量を削減することを最終的に義務付けることになるものです。この規則に反対する人々はEPAが予測した規模での炭素回収・貯留・再利用技術は効果が実証されていないと主張してきました。
▶ https://www.voanews.com/a/us-supreme-court-declines-to-pause-epa-power-plant-emissions-rule/7824943.html
GoogleはAIの利用増加に必要な電力を生産する為に小型原子炉からエネルギーを購入する「世界初」の契約締結を発表しました。Googleはカリフォルニア州のカイロスパワーに6基、又は7基の小型原子炉(SMR)を発注しており 、最初の1基は2030年迄に残りは2035年迄に完成する予定です。SMRはインドの鉄鋼業等、電力消費が多い産業向けに注目されています。Googleの今回の動きは、データセンター向けの低炭素電力を確保するのが目的です。現在、生成型AIとクラウドストレージの爆発的な成長により、ハイテク企業の電力需要が大幅に増加しています。先月Microsoftはスリーマイル島原子力発電所からエネルギーを取得する契約を締結し、5年振りに同原子力発電所を稼働させています。Amazonも今年3月、同じくペンシルベニア州にあるデータセンターの電力を、原子力エネルギーのタレン・エナジーから購入しました。
▶ https://blog.google/outreach-initiatives/sustainability/google-kairos-power-nuclear-energy-agreement/
フランス政府は野心的に掲げたリサイクル不可能なポリスチレン(PS)包装禁止措置を2025年から2030年に延期しました。理由は包装業界に持続可能な代替品を開発するための「時間を与える」為、としています。 この延期は今年末には立法過程が終了する予定の「EU包装及び包装廃棄物規則(PPWR)」に沿う内容となっています。フランスは2020年に廃棄物対策法を改正し、2040年までに使い捨てプラスチックを全廃する事を目指しました。この法律には2025年迄に使い捨てプラスチック包装を20%削減する等の中間目標が含まれているもので、PSはその対象の1つでした。特定のPS代替材料開発し、商業利用できる安価な価格で提供する事の難しさを示すものとなりました。
▶ https://www.karmactive.com/france-delays-polystyrene-packaging-ban-to-2030-amid-eu-regulations-shake-up-what-it-means-for-manufacturers/
▶ https://www.reuters.com/markets/commodities/inside-chinas-bid-build-sway-over-global-metals-pricing-2024-10-14/
国連環境計画は11月25日からの多国間協議で草案の大詰めとなっている「プラスチック汚染に関する国際条約」について代表団長の非公式対面会議の情報メモを公開し、それに連動するかたちでOECDも報告書を発行しました。OECDは(条約で議題に上がっているような)適切な政策が実施されれば、プラスチック汚染は2040年迄にほぼ終息する可能性があると結論付けました(かなり政治的意図がある内容ですが)。プラスチックのライフサイクルに対する包括的な政策を世界共通で実施する事により2040年迄に環境へのプラスチックの流出を95%以上削減できる可能性があると述べています。条件としては対策が世界中で実施される事で、内容は廃棄物管理とリサイクルの推進、プラスチックの生産と使用の削減が含まれています。OECDは世界のプラスチック生産と消費が2020年の4億3500万トンから2040年には7億3600万トンへと70%急増すると予測しています。その為、11月の国連環境計画による多国間協議は将来に向けて非常に重要な意味を持つものとなります。
▶ https://www.oecd.org/en/events/2024/10/policy-scenarios-for-eliminating-plastic-pollution-by-2040.html
オランダのPETリサイクル新興企業Ioniqa Technologiesが破産保護を申請しました。プラスチックのケミカルリサイクルを商業利用する事の難しさを端的に示す例となりました。同社の技術はプラスチックのケミカルリサイクルを利用して、色付を含むPETをモノマーへと分解するものです。破産保護申請の最大の理由はPETリサイクルから十分なキャッシュフローを生み出す事ができず、投資回収までに時間が掛かり過ぎる事です。特にバージンプラスチック材料の高品質と低コストに対抗できず、リサイクル材のサプライチェーンが未完成な事が新興企業にとって致命的な問題となりました。欧州の「包装及び包装廃棄物規則」は年内には立法過程がほぼ完了すると見られていますが、現在はまだ規制が整備されておらず、リサイクル材料の利用は一部の大手メーカーに限られている背景があります。
▶ https://ioniqa.com/ioniqa-technologies-b-v-files-for-bankruptcy-protection/
2023年末迄に英国の太陽光発電設備で使われた材料の量は、アルミニウムが推定152,523トン、銅が8,745トン、ガラスが667,947トンでした。英国のエクスター大学はこれらの材料のリサイクルに関する重要性をまとめた報告書を発行しました。報告書では材料や製品が可能な限り長く流通し続けるよう、製品設計、材料の使用、耐用年数終了時の管理を全面的に見直すことを提唱しています。英国のネットゼロ戦略では2035年迄に70GWの太陽光発電容量という目標を掲げており、対策は急務となっています。その為「英国の太陽光発電は重大な岐路に立っている」と警告を発し、リニア経済モデルで運営しながら大幅な成長を遂げた同エネルギー設備を、より循環性の高い経済モデルに移行する事が必要不可欠と結論付けています。欧州大陸でも英国でも太陽光パネルのリサイクルは喫緊の課題となりつつあります。
▶ https://news.exeter.ac.uk/faculty-of-environment-science-and-economy/university-of-exeter-business-school/solar-industry-at-critical-juncture-with-circular-economy-crucial-to-government-target/
一連の経済刺激策の効果が限定的で消費マインドの低下が数値に表れた為、中国政府は、今後3年間で特別国債から更に6兆元(8,500億ドル)を調達する予定です。資金の一部は地方政府の帳簿外債務の返済に充てられる見込みです。このニュースでも中国の株式市場のセンチメントはあまり回復しませんでした。12日に藍芳財政相は「債務を大幅に増やす」と述べましたが、その時点では財政措置の規模や時期に関する詳細は明らかにしませんでした。14日に発表された9月の貿易統計や新規融資統計は予想を下回り、中国が今年5%の成長目標を達成できず、デフレ圧力の回避に苦戦するのではないかとの懸念が高まっています。専門家は今回の6兆元の影響について「2024年と2025年に5%の成長率を達成する可能性は大幅に高まる」と分析しています。一方で「今後数年間、一貫して5%を達成するのは、特に中国が外需の支えにならなければ、依然として困難だ」と分析しています。
▶ https://www.business-standard.com/world-news/china-may-raise-850-bn-in-new-debt-over-3-years-to-spur-growth-report-124101500145_1.html
ワールドスチールが世界の鉄鋼需要の短期見通しを発表しました。中国の需要は2024年に3.0%減少、2025年は1.0%の減少、政府の刺激策で25年はやや上昇の可能性があります。インドは2024年に3.5%、2025年には4.2%に増加する見込みです。MENAとASEANは 2022 年から 2023 年にかけて大幅に減速した後、今年はやや回復すると予想しています。先進国(米国、日本、韓国、ドイツ等)は2024年に2.0%減少、2025年には1.9%に増加すると楽観視しています。EUでの需要の回復、米国と日本での緩やかな回復が期待されています。世界合計では今年0.9%の減少と予測しています。
▶ https://worldsteel.org/media/press-releases/2024/worldsteel-short-range-outlook-october-2024/
2年に1度のパリモーターショーが欧州のEV事情を物語っています。EUの政策立案者や英国政府が予測したような低炭素輸送の新世界からは程遠く、全く逆のことが起きています。率直な物言いで有名なステランティスのCEOカルロス・タバレスは、エンジンとEVの両方への投資期間が長引くことで、業界が打撃を受けていると強い懸念を示しています。パリのショーでは小型EVが盛況ですが、これは単に欧米自動車メーカーが大型車の代わりに小型車を販売することで損失を最小限に抑えようとしているだけだ、という認識が広がっています。EUのビジネスリーダーらは「EUの政策立案者は低炭素経済への移行にどれほどの費用がかかるのかを正確に把握する準備ができていない」と批判しています。中国メーカーは、EUの追加関税をここでも批判しており、価格の上昇による購入者離れを懸念しています。欧米では鈍化が止まらないEVですが、中国だけは販売が突出しており、9月はEV販売台数が前年比47.9%増となり、2ヵ月連続で100万台を超え、新記録を樹立しています。
▶ https://www.reuters.com/business/autos-transportation/chinese-european-automakers-face-off-paris-car-show-2024-10-14/
中国のアルミナの現物価格は10月15日に過去最高値を更新しました。業界筋は今後数ヶ月間、アルミナ価格の勢いが続くと予想しています。上昇の主要因は輸出国のギニアのボーキサイト供給の混乱と中国の生産者の需要の強さです。S&Pは15日の中国国内のアルミナ工場渡価格を1トン当たり4,450元と査定しました。これは価格指標を開始した2010年8月以来の最高値でした。中国への最大のボーキサイト供給国であるギニアからの供給は過去数ヶ月間は悪天候によるものでしたが、現在はギニア税関当局による輸出の阻止により混乱しています。輸入裁定取引の機会がないことからも、中国での供給は枯渇している状況です。中国での生産も水が十分確保できる現在、製錬所が今年一杯は当局から生産抑制命令があるまで生産量を増やす予定です。
▶ https://www.spglobal.com/commodityinsights/en/market-insights/latest-news/metals/101524-china-alumina-price-hits-fresh-all-time-high-set-to-remain-elevated-in-near-term
廃棄物業界にとってはやや厄介なニュースです。英国の放送局BBCは全国から集めた5年間のデータに基づき、廃棄物発電(EfW)はエネルギー単位当たりの温室効果ガス排出量が石炭火力発電と同量であると発表しました。BBCは「この分析には廃棄物焼却炉のオペレーターが記録した実際の汚染レベルのデータが使用された」と述べています。英国の環境サービス協会(ESA)は、廃棄物を埋め立て地から転用することで回避される排出を考慮せずに、EfWの温室効果ガス排出量を他の形態のエネルギー生成と比較するのは「誤り」であるとして、調査結果に異議を唱えています。CIWM(英国廃棄物管理協会)はBBCの分析はいくつかの重要な問題を提起しているが「幾つかの重要な要素が抜けている」との見解を示しています。英国政府当局の環境・食糧・農村地域省の広報担当者はBBCに対して「私たちは廃棄物を削減し、循環型経済に移行することで、より多くの資源を再利用、削減、リサイクルし、排出量目標の達成に貢献することに尽力しています」と政府らしい、回答とは程遠い曖昧な答弁に終始しました。EUでは廃棄物発電所も排出権取制度(EU ETS)の対象とするかどうか、2026年7月31日までに結論を出す事で進められています。
▶ https://www.bbc.co.uk/news/articles/cp3wxgje5pwo
2024年1月から9月までの世界の船舶リサイクル量は前年比で20%以上減少しました。船舶リサイクルは労働コストの問題から南アジア3ヵ国に集中しています。リサイクル率下落の大きな要因は通貨安です。インドルピー、パキスタン ルピー、バングラデシュタカ共に米ドルに対し通貨安で推移し、入札の為のドル調達コストとインフレが重なり、業者の利益を圧迫しました。またパキスタンは米ドルの流動性不足による鉄鋼需要の減少、バングラデシュは悪天候、政治と経済の不安定さ、信用状問題が引き続き市場の重荷となっています。この傾向は今後もしばらく続くものと見られています。インドの船舶リサイクルに関しては若干改善が見られています。
▶ https://www.bigmint.co/insights/detail/global-ship-recycling-tonnage-falls-over-20-y-o-y-in-jan-sept-24-is-market-recovery-in-sight-589754
英国政府は鉄鋼を含む製造業基盤を支援する為に新たな産業戦略および国家繁栄基金を立ち上げます。今回の産業戦略は7年振りのもので、重点分野は先進製造業、クリーンエネルギー、クリエイティブ産業、デジタル技術、金融サービス、ライフサイエンス、専門・ビジネスサービス産業です。英国のインフラ銀行は、国家福祉基金 (NWF) に改組される予定です。NWF はインフラ以外にも権限を拡大し、政府の新しい産業戦略を支援します。NWFの資本の内、少なくとも58億ポンド(1兆1000億円)は港湾、電池のギガファクトリー、グリーン水素、グリーンスチールといった分野に重点的に投入される予定です。最近、英国の鉄鋼業界は政府に対して更なる保護貿易措置を検討するよう要請しました。業界は世界的な鉄鋼生産能力の過剰を背景に、輸入鉄鋼の流入で問題を抱え始めています。
▶ https://www.gov.uk/government/news/industrial-strategy-launch-to-hardwire-stability-for-investors
英国議会は貴族院環境気候変動委員会が発効した報告書「EV戦略:急速充電が必要」について議論します。英国はゼロエミッション車(ZEV)の義務化を既に発表しており、2030年までに乗用車の80%とバンの70%をZEVにすることが求められます。この比率は2035年迄に100%となります。現労働党政権は今度の予算案で現行の税制(EV含む)を変更する意図はない事を伝えています。しかし自動車業界のリーダーの何人かはZEV義務化の変更が不可避であると批判しています。ステランティスはZEVの割り当てを巡って政府と対立する中、数ヶ月にわたって選択肢を検討してきました。パリモーターショーでは英国政府が補助金を増やすか、割当を減らす等の援助を行わない場合、今後数週間以内に英国工場を閉鎖するかどうかを決定すると公式に伝えています。しかし現政府はEV推進を標榜しており、ZEV義務化が前倒しになる可能性もあります。英国は中国製EVへの追加関税も行わない計画で、英国内の自動車産業の空洞化の懸念が広がり始めています。
▶ https://www.thisismoney.co.uk/money/markets/article-13959055/Vauxhall-owner-considers-UK-plant-closures-Decision-weeks.html
中国政府が3年前に導入した「共同繁栄(富裕)」政策により、銀行家やファンドマネージャーらが金融業界の仕事を辞めている実態が報じられています。取引や資金調達、取引成立に対する監視が強化され、景気低迷による株式売買の低迷も重なり、プライベートエクイティやベンチャーキャピタルが枯渇し、株式上場市場が壊滅的な打撃を受け、給与や雇用が削減されている、と伝えられています。公式データによれば、弱体なヘッジファンド運営者を特定するためのキャンペーンにより、過去1年間で数千のファンドが倒産する事になりました。多くのヘッジファンドは株価上昇の恩恵さえ受けられず、空売りポジションで損失を被りました。運用資産規模で10大銀行の1つである招商基金管理は、上級幹部に対して、過去5年間に受け取った報酬の内、新たな「共同繁栄(富裕)」の上限を超えた額を返還するよう求めています。こうした政策もあり(超)富裕層の海外脱出が続き、2023年は約13,800人、2024年には、過去最高の15,200人が流出すると見られています。実は英国でも億万長者の海外脱出が続いており、2024年は推定最大9,500人が英国を離れると見られています。ブレグジット以降、2017年から2023年の6年間の国外脱出億万長者数は、計約16,500人でした。億万長者の純流出数では今年、中国が世界1位、英国が2位です。
▶ https://www.asiafinancial.com/chinas-bankers-fund-managers-ditch-careers-amid-crackdown
世界最大の木質ペレット発電企業である英国のDraxは、カナダの原生林を伐採し発電に利用した事が明らかになりました。FTが内部メールを確認し発覚したものです。Draxは 8月に木材の種類を不正確に記録したとして2,500万ポンドの罰金を課されています。Draxには2012年以来、合計で70億ポンド(1兆3000億円)の公的資金が再エネ補助金として注ぎ込まれてきました。この補助金は2027年に全て終了する為、補助金を延期するか政府と協議中です。環境保護団体は何度も補助金中止を求めてきましたが、Draxは政府関係者や金融組織の主要な天下り先であり、大手金融機関が投資してきた企業の為、そうした声は殆ど反映されてきませんでした。Draxはカナダのペレット企業Pinnacleを買収しましたが、木材価格の高騰、輸送費の高騰、森林伐採規制の強化等により、不正が行われた模様です。環境団体は自然破壊と炭素排出が著しい「輸入」産業用木質ペレット発電は再エネ課金を投資家の配当に変え、自然を破壊しながら「グリーン」と宣伝した、今世紀最大のScamの1つと称しています。
▶ https://www.proactiveinvestors.co.uk/companies/news/1058454/drax-emails-show-wood-fuel-sourced-from-old-canadian-forests-1058454.html
インドの鉄スクラップ輸入量は9月に12%減少しました。2024年上半期輸入量は26%減少し、1-7月では、20%減少しています。これは1つの流れで注視する必要があります。1つは輸入への依存が徐々に低下している事です。国内発生が増えており、2030年までに70%増加し、約4,500万トンになると予想されています。DRI(直接還元鉄)への移行も顕著です。輸入スクラップに比べて価格競争力がある為、鉄鋼メーカーは地元のDRIの使用を増やしています。海上輸送費の高騰も要因の1つです。政府は新しい規制の導入で、スクラップ業者の税徴収強化に取り組んでおり、国内のスクラップ市場の調達パターンが変化しています。
▶ https://www.bigmint.co/intel/detail/india-s-ferrous-scrap-imports-drop-12-y-o-y-in-sep-24-31053
幾つかの欧州の指標が発表されています。通貨ユーロを使うユーロ圏の年間インフレ率は2024年9月に1.7%、前年同月の2.2%から低下ました。欧州連合のインフレ率は2.1%で、こちらも2.4%から低下しています。インフレ率は、20の加盟国で低下、2ヵ国で横這い、5ヵ国で上昇しました。東欧でインフレ上昇が見られ、景気が同地域で回復傾向にある事が伺えます。ユーロ圏の貿易収支黒字は46億ユーロで、前年同月比の48億ユーロから減少しました。欧州全体では17億ユーロの赤字でした。また欧州で最も旅行者が訪れた地域はスペインの島嶼地域であるカナリア諸島、2位はバレアレス諸島、3位はクロアチアの沿岸地域のヤドランスカ・クロアチアした。実はクロアチア沿岸部は物価も安く、気候も良く、日本からの観光客はごく僅かですが、知る人ぞ知る、有名な観光値です。
▶ https://ec.europa.eu/eurostat
米国で大きな物議を醸している環境保護庁(EPA)による石炭火力発電所やガス火力発電所の排出規制ですが、最高裁判所はこの規制を当面維持する判断をしました。EPAの規制は、多くの州や業界団体の要請により、連邦規則の執行を保留するよう裁判が起こされていました。最高裁判所は全米27州と電力会社、業界団体による、下級裁判所での訴訟が続く間、規制の一時停止要求を却下しました。この規則は既存の石炭火力発電所と新規の天然ガス火力発電所に対して、二酸化炭素の回収・貯蔵等を通じて排出量を削減することを最終的に義務付けることになるものです。この規則に反対する人々はEPAが予測した規模での炭素回収・貯留・再利用技術は効果が実証されていないと主張してきました。
▶ https://www.voanews.com/a/us-supreme-court-declines-to-pause-epa-power-plant-emissions-rule/7824943.html
GoogleはAIの利用増加に必要な電力を生産する為に小型原子炉からエネルギーを購入する「世界初」の契約締結を発表しました。Googleはカリフォルニア州のカイロスパワーに6基、又は7基の小型原子炉(SMR)を発注しており 、最初の1基は2030年迄に残りは2035年迄に完成する予定です。SMRはインドの鉄鋼業等、電力消費が多い産業向けに注目されています。Googleの今回の動きは、データセンター向けの低炭素電力を確保するのが目的です。現在、生成型AIとクラウドストレージの爆発的な成長により、ハイテク企業の電力需要が大幅に増加しています。先月Microsoftはスリーマイル島原子力発電所からエネルギーを取得する契約を締結し、5年振りに同原子力発電所を稼働させています。Amazonも今年3月、同じくペンシルベニア州にあるデータセンターの電力を、原子力エネルギーのタレン・エナジーから購入しました。
▶ https://blog.google/outreach-initiatives/sustainability/google-kairos-power-nuclear-energy-agreement/
フランス政府は野心的に掲げたリサイクル不可能なポリスチレン(PS)包装禁止措置を2025年から2030年に延期しました。理由は包装業界に持続可能な代替品を開発するための「時間を与える」為、としています。 この延期は今年末には立法過程が終了する予定の「EU包装及び包装廃棄物規則(PPWR)」に沿う内容となっています。フランスは2020年に廃棄物対策法を改正し、2040年までに使い捨てプラスチックを全廃する事を目指しました。この法律には2025年迄に使い捨てプラスチック包装を20%削減する等の中間目標が含まれているもので、PSはその対象の1つでした。特定のPS代替材料開発し、商業利用できる安価な価格で提供する事の難しさを示すものとなりました。
▶ https://www.karmactive.com/france-delays-polystyrene-packaging-ban-to-2030-amid-eu-regulations-shake-up-what-it-means-for-manufacturers/