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NEWSCONの気になるNEWS(2023年11月第2週)

原料や生産コスト高で苦しむインドのアルミニウム生産者団体は、政府にアルミニウムスクラップの関税引き上げを提案しました。政府への要望を行ったのはインド最大のアルミニウム生産団体であるAAI(Aluminium Association of India)で、関税を現在の2.5%から10%に引き上げるように提案しています。今年インドはスクラップを含むアルミニウムの輸入が増加しており、ダンピングに対する抑止力としても10%の関税を課すことを提案しています。インドは低品質の外国産スクラップのダンピングの主要な輸出地となっており、AAIはスクラップ輸入に対してもダンピングを適用するよう求めています。更に一次アルミニウム製品の輸入関税を10?15%に引き上げる事も求めており、国内のアルミニウム生産を奨励するための税金の軽減措置も提案しています。鉄鋼にも同じような動きがあり、今後インドでの動きがあるかも知れません。インドでは銀行の流動性の問題や外貨準備の事もあり、政府の決定は単に国内産業の保護だけではない理由も加わりそうです。
https://www.financialexpress.com/business/industry-aai-seeks-10-per-cent-import-duty-on-aluminium-scrap-3295117/
http://aluminium-india.org/

輸出監視機関である民間団体のバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)は、米国のWEEE関係者が法律を遵守する為のe-Stewardsガイドラインを公開しました。これは米国の電子スクラップ会社がマレーシアに違法にWEEEを輸出している事を受けての行動となります。米国はバーゼル条約に加盟していません。BANは米国からWEEEが輸出される際の民間のe-Stewards認証プログラムを管理しています。ガイドラインではWEEEを輸出する業者は輸入する業者が輸入国の環境基を遵守し、WEEEに含まれるプラスチックが適切にリサイクルされ無害なポリマーに変換される事が証明できた時のみWEEEを輸出する事が出来るとしています。既にバーゼル条約は2025年からWEEEを付属書II(特別の考慮を必要とする廃棄物の分類)に含める決定をしており、国際取引に制限を課す予定です。BANはSERI、RIOS、ISRI等と協力しています。
https://www.ban.org/

米国のフォードやGMの電池工場延期に続き、VWも第4電池工場の計画を延期します。VWは2030年迄に世界で6つのギガ工場を設立すると発表していました。延期の理由は、欧州でのEV市場の鈍化等、市場が悪化している為です。既に欧州では3つのギガ工場の計画が進んでいますがVWのEV受注は昨年の30万台から15万台に減少しています。
https://electrek.co/2023/11/01/volkswagen-delays-fourth-ev-battery-plant-over-sluggish-sales/

再生可能エネルギーに関して日本にもかなり影響がありそうなニュースです。EU、米国、UAEは、COP28で再生可能エネルギーを3倍にするという協定を採用し、他国にも誓約署名するよう促す動きを見せています。COP28は今月末からドバイで開催されます。米国の政府報道官は、このサミットで再生可能エネルギーを3倍にするという開始打ち上げイベントが開催される可能性を認めています。主導するのはEU、米国、そして主催国のUAEで、草案は地球の気温上昇を1.5度に抑える為に2030年迄に世界で1万1000GWの設備を導入するというものです。また世界のエネルギー効率を2030年迄に4%上げる事も盛り込まれています。日本は毎回EUや米国の方針に従う為、実際に行われれば、この協定に誓約署名せざるを得ない為、補助金による再生可能エネルギーが復活しそうです。実は裏を返せば、EUも米国も再生可能エネルギーは民間投資も減り上手くいっていません。政府による予算追加にも抵抗が激しく、こうした国際的な「誓約」が必要なところまで来ている、という事です。
https://oilprice.com/Latest-Energy-News/World-News/EU-US-UAE-Pressure-Other-Govts-To-Join-Deal-To-Triple-Renewable-Energy.html

インドの鉄スクラップ消費量は2030年迄に50%増の6,000万トン、輸入量は倍増して約2,000万トンになると推定されています。インド材料リサイクル協会の会長は、EUの新たな規制によりインドへの鉄スクラップの供給が厳しくなる可能性が高く「非常に厳しい状況になるだろう」との見解を示しています。これはEUが鉄スクラップの輸出に一定の制限を掛ける方向に動いている事を反映しています。インドはトルコに次ぐ欧州の鉄スクラップの最大の輸入国です。インドの一部の鉄鋼メーカーは、鉄リサイクル工場の設立に動くと同時に国内供給を確保する為のシステム構築に積極的に取り組み始めています。昨年、EU鉄鋼生産者協会は鉄スクラップの域外輸出に制限を掛けるようプレスリリースを出し、その後もロビー活動を続けています。
https://www.business-standard.com/economy/news/steel-expansion-plans-threatened-by-scrap-metal-export-restrictions-123110300250_1.html

プラスチックのケミカルリサイクルに関する懸念が主要な国際環境団体から上がっています。NGOのBeyond Plasticsと国際汚染物質除去ネットワーク(IPEN)は報告書を発行し、石油化学産業が推進するプラスチックのケミカルリサイクルを痛烈に批判しています。報告書は実際のケミカルリサイクルの現場では汚染物質が生成され、更に非効率なリサイクルが多発しており、プラスチック廃棄物の危機を解決するには信頼性に欠けていると訴えています。ケミカルリサイクル施設の殆どは未だ実証規模であり、実際にリサイクルされているプラスチックの量は非常に少ない事も指摘しています。Beyond PlasticsとIPENはケミカルリサイクルの一時停止やプラスチック生産量の削減を求めています。しかし米国のプラスチック産業協会や米国化学評議会等の関連団体はこの報告書に対するコメント要請に応じていません。Beyond Plasticsはこの報告書関する記者会見を11月1日に開催しています。
https://www.beyondplastics.org/publications/chemical-recycling
https://www.youtube.com/watch?v=CjEOLgoFXl0

欧米で洋上風力発電への逆風が続いています。デンマークの大手風力エネルギー開発会社であるオルステッド(Orsted A/S)社は、米国ニュージャージー州の2つの巨額洋上風力発電プロジェクトを中止すると発表しています。中止の理由は、サプライチェーンの問題、金利の上昇、税額控除の問題としています。洋上風力発電産業は補助金でしか成り立たず、支持者と反対者の間で議論が起きています。同じ懸念が欧州の国々でもあり、コスト高や電力価格の低下で採算が疑問視されています。オルステッドの株価はこのPJTの中止発表後に下落しています。あまり語られませんが、オルステッド社は過半数をデンマーク政府が持ち、残りの殆ど全てはブラックロックやバンガードを含む欧米の多数の資産運用会社やファンドが所有しています。補助金=税金の補助によって電気を売る会社は「必ず利益が出る」ように最初からプランが立てられている為、同じ構図は世界中の再生可能エネルギーで起きています。税金を間接的に利益(配当)に変えるマジックです。これがCOP28でEU、米国、UAE政府が再生可能エネルギーを3倍にする誓約を他国に推進している本当の理由かも知れません。
https://fortune.com/2023/11/01/danish-wind-giant-orsted-writes-off-4-billion-offshore-new-jersey/amp/
https://www.marketscreener.com/quote/stock/ORSTED-A-S-28607554/company/#AL

今週、フランス政府は欧州職員の採用試験が英語で実施されている事に対し、欧州委員会に法的手続き(法的異議申し立て)を開始しました。特に宇宙、防衛、経済等の分野における欧州連合の新規職員雇用を対象としています。これら職種の採用試験の選考過程では英語のみで実施される試験が幾つか含まれています。フランス政府はEUの雇用慣行で英語の使用が拡大している事に反対し、英語を話さない候補者を差別していると主張しています。フランス政府はEUの公約である「全国民の平等な待遇を促進する為」に英語のみの試験を差別の一形態として非難してきました。イタリアはフランスの立場を支持し、多言語主義を推しています。この問題はフランス国内で長く盛り上がっており、その動きを反映したものです。
https://www.express.co.uk/news/world/1829813/macron-sues-eu-commission-english-language-tests

米国で鉄鋼やアルミニウムへの国境炭素税導入の法案が支援を得ています。米国鉄鋼協会(AISI)と鉄鋼製造者協会(SMA)は共同で現在法案が提出されている「外国汚染手数料法(Foreign Pollution Fee Act of 2023)」に賛成する声明を出しています。この法案は上院で提起されているもので、米国内の企業に対しては温室効果ガス排出量(GHG)に応じた課金を行わず、米国と競合する海外製品が米国製品の排出量原単位よりもGHG原単位が高い輸入品に対してのみ、炭素国境税を課すという法律です。対象製品は鉄鋼製品、アルミニウム、セメント、ガラス、鉄、鋼鉄、石油化学製品、紙等が含まれます。法案を提出した上院議員は「米国の製造業者に成長の機会を提供し、中国やロシアなどの環境負荷が大きい国を孤立させる事を目指している」と述べています。この法案は今後中国のみがターゲットでなく、他の過剰生産能力を持つ地域からの製品にも対応すると見られています。欧州の国境炭素調整メカニズムは域内の企業にもGHG排出キャップを設けるEU排出権取引制度(EU ETS)と連動していますが、米国の法案では国内企業への課金は行わない為、事実上の非常に強い保護貿易政策となります。ロシア産の金属輸入が制裁により減る中、中国を中心とする他地域からの流入をも減らすという政策で、米国から締め出された余剰の製品はダンピングで他地域に流れる可能性があります。米国では大統領選挙まで1年を切り、今後一層、保護主義的な動きがみられる事は確実です。
https://www.steel.org/2023/11/aisi-comments-on-ghg-border-fee-bill-introduced-today/

韓国のタイヤ大手が「タイヤからタイヤへの循環モデル」のコンソーシアムを公式にスタートさせました。コンソーシアムを先導するタイヤメーカーは韓国大手ハンコックタイヤ&テクノロジー(ハンコックタイヤ)で、同社は11月1日に韓国の大田市で行われた式典でキックオフを宣言しています。コンソーシアムは使用済みタイヤを新しいタイヤに変える革新的なアップサイクルプロセスを開発する事にあります。参加企業は韓国の官民大手でハンコックタイヤ、韓国環境産業技術研究院、LDカーボン、韓国履物皮革技術研究院、HD現代オイルバンク、HD現代化学、HD現代OCI、SK仁川石油化学、SKジオセントリック、LG化学、錦湖を含む12社が名を連ねています。欧州では同じタイヤからタイヤへのアップサイクルプロジェクト「BlackCycle」が2020年からスタートしています。現在フランス、スペイン、ドイツ、ギリシャ、スイスの5ヶ国で運営されており、官民パートナーを含む13の組織が参加しています。
https://www.hankooktire.com/global/en/company/media-list/media-detail.629470.html#:~:text=Initiated%20by%20Hankook%20Tire%2C%20the,life%20tires%20into%20new%20tires.

韓国の電池メーカーは、材料メーカーにもRE100を要求する見込みです。最近、LG電子、ロッテ化学、サムスン火災等の韓国企業7社がRE100に参加し、韓国企業の総数は34社になりました。韓国の4大企業グループ(サムスン、SK、ヒュンダイ、LG)は既にRE100に参加しています。韓国は米国、英国、日本に次いで4番目にRE100に参加している企業数が多い国です。LG電子、サムスン電子、SKハイニックス等は再生可能エネルギーの利用率を高めており、今後、電池材料サプライヤーにRE100基準を満たす材料の提供を義務付ける予定があると一部で伝わっています。しかし韓国の再生可能電力利用率はまだ低く、韓国企業は利用を拡大する必要性が高まっています。韓国は再生可能エネルギー発電の割合がOECD加盟国の中で最も低い部類に入り、供給が不足しています。特に電池メーカーは米国への輸出においてRE100が今後重要になると見込んでおり、材料供給にもその対象を広げる予定と伝えています。
https://www.businesskorea.co.kr/news/articleView.html?idxno=205006#google_vignette

海運業界の世界的な大手企業であるAP Moller-MaerskはQ3の収益減に加え、需要の減退を見込み、今年から来年に掛けて実施している人員削減で約1万人以上の雇用を削減する事を発表しています。同社は世界のコンテナ貿易のシェアが約17%でコロナ禍の消費財需要増加に伴い2021-2022年には記録的な利益を残していました。世界的な指標であるWorld Container IndexとBaltic Dry Indexは世界の主要航路の輸送料金が既に2021年のピークから75-85%下落している事を示しています。プレスリリースでは「需要の低迷、価格の下落、インフレ圧力に直面しており、夏以来、殆どの地域で能力過剰が見られている」と説明しています。ゴールドマン・サックスのアナリストは海運業界が長期的な不況に陥る可能性があり、マースクの株式の売却を推奨しています。JPMの世界製造業PMI指数は年間を通じて50を下回っており、世界経済に対する「警告信号」と見なされています。
https://www.maersk.com/news/articles/2023/11/03/maersk-q3-financial-results

Q3の中国の海外直接投資は史上初の四半期赤字を記録しました。11月3日遅くに発表された中国国際収支の暫定データによるとQ3の直接投資負債は118億ドルの赤字となりました。これは中国の外国為替規制当局が1998年にデータの作成を開始して以来、四半期で初の赤字であり、地政学的な緊張が影響していると考えられています。中国への海外直接投資は5月以降毎月2桁のペースで減少し、9月には34%も減少しました。実際の流出は昨年Q2に既に始まっています。資金の中国回避には金利差も影響しています。中国の金利は長期間低下している一方、他国の金利は長期間に亘って上昇している為です。中国からの資本流出圧力は今後も続く可能性が高いと見られています。また基礎的財政収支も32億ドルの赤字となり、四半期としては過去2番目の額となりました。中国当局は人民元を支援する為に介入を継続すると予想されています。GSのデータによると9月の中国からの外貨流出額は750億ドルに急増し、月間としては2016年以来最大となりました。
https://www.zawya.com/en/world/china-and-asia-pacific/chinas-first-deficit-in-foreign-investment-signals-wests-de-risking-pressure-cd3g3ymj

EUは希土類磁石のリサイクルを推進する法律を準備し始めています。今年提案された「EU重要な原材料法」の第27条では、磁石メーカーに対して製品に含まれる「全ての個々の永久磁石の重量、位置、化学組成」に関する情報を開示すると共に、永久磁石へのアクセス方法と取り外し方法についての指示を提供する事が義務付けられています。更に第28条ではメーカーに対して自社製品に含まれるネオジム、ジスプロシウム、プラセオジム、テルビウム、ホウ素、サマリウム、ニッケル、コバルトの割合を回収してリサイクル出来るように
無料のサイト」で公開する事を義務付けています。今後、欧州委員会は新しい永久磁石がリサイクル材料を含む最小比率を設定する規則を採択する計画があります。これらの規則は、使用済みの廃棄物から回収される重要な原材料の「最低比率を定める」特別委任法で規定する予定で、それは遅くとも2030年12月31日までに採択されるべきであると現在の法律案は明記しています。
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:52023PC0160

輸出量が年間820万トン、世界でトップ3(2022年は2位)に入る鉄スクラップ輸出国のである英国で、高炉から電炉に変換する計画が急速に推進されています。既にタタスチールはウェールズ地方の高炉2基を廃止し、最大3基(当初は2基)の電炉を設置する事を決めています。中国資本のブリティッシュ・スチールもScunthorpe市とTeesside市にある高炉をそれぞれ電炉に置き換える計画を発表しました。両社共にこの変更に伴い政府と支援金の交渉をしています。英国では年間1,000万トンから1,100万トンの鉄スクラップが発生し、その80%はトルコ、バングラデシュ、パキスタン等の国々に輸出されています。雇用の問題から地元は電炉への変換に反対の意向を示していますが、一方で英国内の炭素取引市場とEUの輸入炭素税に対応する為に、鉄鋼メーカーは電炉への変換が急務となっています。仮に2027年前後に4基の電炉が稼働した場合、年間1,000万トン以上の鉄スクラップが必要となる事から、英国からの鉄スクラップ輸出は大幅に減ると見込まれています。既にEUでも鉄スクラップ確保への動きが続いており、後5年で国際鉄スクラップ流通は変化しそうです。
https://www.bbc.co.uk/news/uk-england-humber-67338410

欧州消費者組合事務局(BEUC)はコカ・コーラ、ダノン、ネスレの各ブランドの水ボトルが「100%リサイクル可能」や「100%リサイクル」と謳う事が誤解を招くとう理由から欧州委員会に苦情を申し立てました。同事務局はそれらの大手飲料会社の主張は「グリーンウォッシング」であると指摘しています。実際にはリサイクル率は低く、リサイクル不可能な要素も含まれている為、この主張は消費者を誤解させています。EUは持続可能性の主張に対して裏付けのない広告禁止規則を制定し、グリーンウォッシングを取り締まる方針で立法作業が進行中です。今後EU加盟国の各国当局は、広告規則に違反した企業に罰金を課す可能性があります。
https://www.beuc.eu/press-releases/consumer-groups-launch-eu-wide-complaint-against-major-water-bottle-producers

韓国の電池関連企業の海外計画は延期が続いています。LGエナジーはフォードとトルコでの合弁事業計画を延期しています。この合弁事業は今年末迄に稼働予定でしたが、開始時期や建設場所は未だ決まっていません。またポーランドの電池工場はフォルクスワーゲンのEV生産量の下方修正に合わせて稼働率を下げる予定です。SK Onはフォードとケンタッキー州での第2合弁工場の計画を延期しています。これらの延期は世界のEV市場が当初予測よりもゆっくり成長している事や自動車メーカーの投資計画の見直しによるものです。LGエナジーやSK OnはEV需要の伸びを見越して設備投資を行ってきましたが、現在は需要の伸びが予想よりも遅い為、計画を遅らせる必要があると判断しています。電池材料メーカーの韓国亜鉛社も銅箔の能増を延期する予定です。またL&F社も正極工場の入札を延期し、アノードや前駆体、LFP材料の設備規模を縮小する事を発表しました。EV計画の延期には余り語られませんがEV販売の構造的な問題が挙げられます。EVはインフラや法整備が進み、高金利でも自動車ローンを組んで買う事ができる裕福な国や地域に限られています。それらの市場に相次いで多数のメーカーが多数のEVモデルを投入した為に供給過剰が起こり、価格競争と在庫が積み上がるという事態が発生しています。手頃な価格のEVとインフラ整備が無ければ、今後も成長はしても、スピードを維持する事は困難と見られています。米国EV最大手のテスラはメキシコでの10億ドル規模の新工場計画を延期する可能性がある事を示唆したばかりです。更にフォードとGMも数十億ドル規模のEV投資の延期と生産量の削減を発表したばかりです。ニュースではカリフォルニアや北西欧州のEV販売の伸びばかりが強調されていますが、その他の地域は決して追随しておらず、統計データを冷静に分析する必要があります。
https://www.kedglobal.com/batteries/newsView/ked202311070011

インド政府は、鉄鋼やアルミニウムに関して欧州の国境炭素調整メカニズム(CBAM)が不公正にあたるとしてWTOと協議し、他国にも支援を求める意思がある事を伝えています。インド政府は既に炭素税に対する懸念をEUとWTOに報告していると述べています。インドの鉄鉱石ペレット、鉄鋼、アルミニウム製品の輸出の26.6%はEU向けで、2023年にはその額が74億ドルに上ります。CBAMはこれらの製品輸出に大きな影響を与えます。インド政府は2030年迄に鉄鋼生産量を年間約3億トンにするという目標を掲げており、EUへの貿易障壁は大きな問題となります。インド政府のこの動きは今後地政学や経済安全保障を含めた大きな問題になっていくと思われます。
https://www.deccanherald.com/india/india-will-not-accept-unfair-taxes-on-steel-aluminum-industry-says-piyush-goyal-on-eus-carbon-tax-2760162

韓国の大手バッテリーメーカーであるLGエナジーは、最近、海外での工場拡張計画を延期しました。しかし、この延期はNMCからFLPへの転換への時間的余裕と考えているようです。これはLGだけでなく、韓国の電池業界が同じ考えの様で需要の低迷による事業計画の見直しを、電池材料再編の機会と捉えているようです。LFPに関しては、韓国は中国の後塵を拝している事もあり、この機会を利用してNMCからLFPへの転換を視野に入れているようです。
https://www.digitimes.com/news/a20231107PD213.html

英国財務省は、来年初めにESG格付けプロバイダーに対する規制を纏める予定です。企業や投資に対するESG格付けは世界的な統一性や比較が容易に出来ないという批判が続いていました。特に英国市場と世界市場には様々なESG格付けプロバイダーが存在している事と、ESGの成果をそれぞれが容易に比較できない事から問題となっていました。英国の財務相は2022年12月に規制に対する取組を発表し、ESG格付け市場の透明性と健全性を確保したいとの意向を示しています。この協議は3月から行われ、規制導入の範囲について検討してきました。企業やプロジェクトのESG格付けは、投資資金の呼び込みに影響を与えます。英国はESGの金融的なルールで先行したいと考えているようです。背景には英国の投資家がESG投資から資金を引き揚げ続けている事があげられます。
https://www.professionaladviser.com/news/4143957/uk-outline-esg-ratings-regulation-january

Recycling International誌は欧州の非鉄金属市場の予測を出しています。現在、欧州の非鉄金属市場は活気に欠け、価格変動はほとんどありません。金属スクラップ市場も動きがなく、需要がある時のスポット注文が主流です。欧州の経済状況も悪化しており、金属スクラップ業界の見通しは悲観的です。引続き価格は上値が重いと予想され、銅の市況も良くありません。国際銅研究グループ(ICSG)は2023年の世界の銅の供給不足は約2万7000トンになると予想しています。しかし、これは今年4月に同研究グループが出した11万4000トンの供給不足から大きく改善しています。2024年には約46万7,000 トンの供給余剰が見込まれますが、これも4月に予測されていた29万8,000トンの余剰と比較し大きく伸びています。
https://recyclinginternational.com/latest-articles/non-ferrous-outlook-all-quiet-as-markets-pause/55463/

インド政府は、他国から輸入される鋼材についてダンピングの調査を開始しています。現在インド政府の鋼材省は、輸入鋼材に関する監査を実施しており、一部のダンピング品は地元の鋼材業界に深刻な影響を与えている事を示しています。今後、ダンピングを行っている可能性のある企業に対しては、より詳しい調査を行い、必要に応じて制裁措置を取る予定です。インド政府は現在鉄鋼企業に対し、技術革新や製造プロセスの改善に力を入れるよう推奨しています。今後、ダンピング問題に関する厳格な監視体制を確立することが予測されており、輸入品の監視は厳しくなると見込まれています。昨日インド政府は国内の鉄鋼生産能力が1億6,100万トンを突破したと発表し、継続的に成長する態勢が整っている事を強調したばかりでした。米国、欧州、インドが中国材を締め出すと、より中国鋼材が国際市場でダブつく可能性が出てきます。
https://infra.economictimes.indiatimes.com/news/urban-infrastructure/govt-looking-into-dumping-issue-of-certain-steel-products-steel-secretary/105054165

欧州最大の銅精錬会社Aurubisは北米ジョージア州オーガスタにリサイクル材を原料とする銅の精錬所を建設(拡張)する為に約7億ドル(約1050億円)という巨額投資を行うと発表しました。試運転は2024年下半期、工場の拡張工事は既に開始されており、2026年から基板や銅ケーブル等の処理を年間18万トン行う予定です。米国でのPCBや銅ケーブルスクラップの輸出にかなりの影響が出そうです。
https://uk.investing.com/news/stock-market-news/aurubis-to-invest-about-700-million-to-build-smelter-in-us-3229468

欧州の自動車排ガス規制であるユーロ7は、当初の案より緩和された修正案のまま欧州議会を通過しています。賛成329票、反対230票、棄権41票と反対票も多くありましたが、現在の経済状況と自動車メーカーによる強いロビー活動により、NOxの緩和と乗用車への規則適用の延期を決定しました。欧州委員会は当初2025年から規則を適用することを望んでいましたが、最終決定では変更されることになりました。この変更は当初ユーロ7を非常に厳しいものにする事で自動車メーカーのEV投資を加速させて、更に補助金でEVシェアを伸ばす事でした。しかし思惑通り進まず、現実路線に戻らざるを得なかったという政策的失敗の背景があります。欧州ではEVの拡大ペースが若干落ちる可能性が高くなっています。
https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20231106IPR09026/euro-7-meps-support-new-rules-to-cut-down-pollutant-emissions

HSBC(銀行)は中国企業がアジアを中心に世界各国に急速に進出している事を明らかにしました。中国は経済成長モデルの転換を進めており、中国発のサプライチェーンと世界への供給にも変化が起きると予想されています。HSBCは「中国の顧客企業が中国本土外でビジネスモデルを多様化する支援活動は今年70%増加した」と報告しています。中国企業の国外移転は地域もアジア、アフリカだけでなく多角化するパターンが続いており、製造業も海外に投資を強めています。ベトナムやインドなどへの生産移転でも、それらの工場では中国製の部品を使う為、国外移転した中国企業は、新しいビジネスモデルを構築しつつあります。欧米、台湾、インド等には進出が難しくなっている面もありますので、日本への投資が増えている事が伺えます。
https://amp.cnn.com/cnn/2023/11/08/economy/hsbc-ceo-china-exodus-trend-intl-hnk/index.html

CNBCのサプライチェーン調査によれば、世界的な貨物不況は2024年も続くと見られています。調査は物流管理者を対象に10月21日から10月31日まで実施されました。世界の海運業界は今年、貨物不況に陥っており、厳しい状況が続いています。調査結果は、この不況が2024年の上半期まで続く可能性が高い事を示しています。その間、貨物市場が殆ど成長せず、輸送価格は安定から下落すると予測しています。しかし2024年下半期には取引量が増加する可能性がある事も示唆しています。問題は海運を含めたコンテナ輸送能力が需要を超え続けている事にあり、需給バランスが均衡する時期は少なくとも2024年後半まで無いと見込んでいます。
https://www.cnbc.com/amp/2023/11/07/freight-recession-will-continue-in-2024-cnbc-supply-chain-survey.html



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