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世界の環境関連ニュース(2021年6月第1週)

複数の専門メディアで紹介されていますが、日産自動車が英国のサンダーランド工場で製造する新型カシュカイにて、アルミ製のボンネットの材料にプレス工場から出た新断を戻し、再利用するループを行う事が報道されています。部品メーカー兼材料大手の「ノベリス」を通じてリサイクルされます。ノベリス社はアルミニウムと銅メーカーの「Hindalco Industries」の子会社で、インドのコングロマリット「Aditya Birla Group」の孫会社にあたります。日産はルノーの子会社ですが、既にルノーでは一部プラスチック部品のリサイクル材利用のロードマップが発表されています。
https://www.automotiveworld.com/news-releases/novelis-to-provide-sustainable-aluminium-body-sheet-to-nissan-and-create-closed-loop-recycling-system/

第27回日本・EU定期首脳協議で「日・EUグリーンアライアンス」に関する文書が採択されています。下記リンクの公式文章は駐日欧州連合代表部の翻訳版なので、日本語で内容が確認できます。
https://eeas.europa.eu/sites/default/files/eujpnsummitgreenalliance_j.pdf

マーズ、モンデレズ、ペプシコ、ネスレ、ユニリーバの大手企業が軟質プラスチックのリサイクルを促進する為の基金を立ち上げています。英国では既に2022年4月からプラスチック包装税の導入が決まっており、再生プラスチックを使用しない場合は、製造者も流通者も輸入車も課金されます。この基金は軟質プラスチックのリサイクルを英国で行う為に必要なインフラへの投資を動機付け、雇用を生み出すもの、としています。
https://flexibleplasticfund.org.uk/press

欧州委員会が使い捨てプラスチックに関するEU規則のガイダンスを公表しています。特に2021年7月より禁止になる使い捨てプラスチックの規制と今まで対象になっていなかった漁具と廃棄漁具の監視・報告に関する内容が盛り込まれています。漁具については、加盟国は2024年12月31日迄にリサイクル用のプラスチックを含む廃漁具の最低年間収集率を設定する必要があります。基本的に欧州政府のガイダンスを参考に非EU国も将来規制を作らざるを得ないという事になる為、このガイダンスの方向性を理解する事が重要になってきます。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_21_2710

英国のリサイクル会社による廃棄物エネルギー利用の為の燃料(主にRDF)製造拡大のニュースです。リサイクルが困難な主に軟質系のプラスチックや複合材料で製造された紙、繊維(主に衣類)等の廃棄物を燃料用ペレットに変える動きが徐々に拡大しています。英国のリサイクラーである「North West Recycling」とそのパートナーの「Waste Knot Energy社」が40億ポンド(約60億円)を投資してRDF工場を建設します。Waste Knot Energy社は最近オランダに本社を置く「Komercon」に今後5年間で360万トンの廃棄物由来のペレットを供給する契約を結んでいます。Waste Knot Energyは英国全土に8つの生産工場の建設を計画しています。英国を中心廃棄物のエネルギー利用は投資家も徐々に参画するようなテーマになってきています。
https://www.nwrecycling.co.uk/news/item/17-major-plant-expansion-plans-confirmed

米国での自動車排ガス触媒盗難増加のニュースです。直近では、既に昨年の月間盗難数量の4倍になっているという事です。盗難の多いカンザス州では、新たにスクラップ業者へ触媒を販売(売る)場合、カンザス調査局(KBI)のデータベースに情報を転送する必要があるスクラップ材料リストに触媒コンバーターが追加になっています。今後パラジウムとロジウムはEV化が相当なスピードで進まない限り、現状でも慢性的な供給不足が更に悪化する事が明白な為、色々な地域で規制が強化されると考えられます。
https://carbuzz.com/news/car-thieves-went-wild-in-2020
http://www.kslegislature.org/li_2016/b2015_16/measures/documents/summary_hb_2048_2015.pdf

中国の中央銀行が1日に発表した内容によると、6月15日から中国の金融機関が必要とする外貨預金準備金を現在の5%から7%に2ポイント引き上げる、との事です。これにより、金融機関は外貨保有を高めるので外貨の流動性が下がり、人民元の急騰を緩和する狙いがある、との事です。14年ぶりという事で、為替の影響もあり少し貿易にも関係してくると思われます。

継続しているパーム油ディーゼルのマレーシアと欧州の紛争です。
https://www.argusmedia.com/en/news/2220198-wto-sets-up-malaysiaeu-palm-oil-dispute-panel?backToResults=true

男性用シェービング剃刀の世界最大手の「ジレット社」が、今年初めに発表していた剃刀を交換可能なハンドシェーバーのパッケージの過去最大のアップグレードを開始しています。パッケージがプラスチックからリサイクル可能な段ボールに変更され、英国とアイルランドで市場に投入され始めています。同社では凡そ650万本のペットボトルに相当する量を英国とアイルランドで削減する、としています。又、製品のデザインも変更し、長持ちするように作られています。適切に扱えばハンドル部分は5年以上使用出来、これまでで最も持続可能な髭剃りになる、としています。使い捨ての大量消費を見込んだ収益戦略から、持続可能な製品での収益化を図るという意味でも、大変興味のある内容です。
https://www.gillette.co.uk/blog/shaving-science/sustainable-cardboard-packaging/

持続可能エネルギー開発や投資を行う英国の「Peel NRE社」が、廃プラスチックから電力、熱、水素を生成しエネルギー利用する2つ目の工場の計画を発表しています。第二工場はスコットランドに建設予定としています。同社は「Power House Energy Group社」が開発した「DMG®」というケミカルリサイクルの技術を利用します。同社のHPによると廃プラ40トンから81MWの電力と2トンの水素、その他熱エネルギーを再利用する、としています。廃プラを破砕後に加熱して発生した蒸発ガスから合成ガスを精製して水素化するガス化技術であり、分割したチャンバー内で蒸気を再加熱するのが特徴です。英国はプラスチック廃棄物の半分以上をトルコとマレーシアに輸出してきましたが、両国とも廃プラの受け入れを中止している為、軟質及び黒系の廃プラの行先が困窮しています。これは欧州全体に言える事です。英国のスーパーマーケットでは既に黒色のプラスチック包装の削減、Refillによる包装そのものの削除の動きが急速に進んでいます。
https://www.edie.net/news/8/Plans-unveiled-for-UK-s-second-plastic-to-hydrogen-recycling-plant/
https://www.powerhouseenergy.co.uk/technology/

米国エネルギー省 (DOE) が廃棄プラスチックの削減とリサイクル技術の研究開発に最大 1,450 万ドルを投資する計画を発表しています。この資金提供は1月に発表されたロードマップ、プラスチック・ イノベーション・ チャレンジの一環となります。主にリサイクルが困難なビニール袋、ラップ、フィルム等のプラスチックのリサイクルを促進し、エネルギーを削減する目的です。欧州だけでなく、米国政府も本格的にプラスチック削減とリサイクル促進に乗り出しています。
https://www.energy.gov/articles/doe-announces-145-million-combat-plastics-waste-and-pollution

オーストラリアで投資銀行業務とファイナンシャルサービスを行う「Macquarie Asset Management」が、廃棄物とエネルギー管理会社である「Beauparc Utilities(ダブリン)」とその子会社の多数を買収します。買収には、Beauparc Utilitiesの子会社でアイルランドの大手廃棄物会社「Panda」と「Greenstar」が含まれます。
Beauparc Utilitiesは英国とオランダで廃棄物管理と環境サービスで活動する会社です。Beauparc Utilitiesは自社を「処理主導のリサイクラーでは無く、廃棄物から資源を開発するビジネスの会社」と位置付けていました。買収金額は1地元紙の報道では10億ユーロ(1300億円)と見積もられているようです。
https://beauparc.ie/macquarie-asset-management-agrees-to-acquire-beauparc-utilities/

欧州のプラスチック指令ではリサイクルし易いデザインの導入が求められています。リサイクル可能な「Pure-Pak」という製品を主軸とするノルウェーの「Elopak」が、「Pure-TwistFlip」という飲料用カートンのフタをカートンから取らずに開閉できるキャップトップを発表しています。プラスチックのフタが取り付けられたまま回収されるので、廃棄物として棄てられずカートン容器と共にリサイクルが可能です。同社は今月オスロ証券取引所への上場を申請する予定です。エコデザインの実装という事は今後、企業価値の維持と共に社会責任に繋がります。
https://www.elopak.com/2021/06/01/elopak-announces-tethered-cap-solution/

欧州連合の 「LIFE プログラム助成金」を受けPS材のリサイクルを大規模で行う為に進められている 「PolyStyreneLoop(ポリスタレンループ)」が、6月16日オランダに工場をオープンします。「CreaSolv®」という物理的な溶解リサイクルプロセスを使用します(短鎖重合を分解するケミカルリサイクルではありません)。プロジェクトではオランダ、ドイツを中心に、その周辺の国々から集められた建設用断熱廃材をリサイクルし、新しい高品質の原料に変えます。このプロジェクトはEUのポリスチレンの業界代表(70団体以上)で作る、オランダの非営利団体「PolyStyreneLoop Cooperative」によって設立されています。PSリサイクル材を再度製品に利用する試み、及び「CreaSolv」のスケーラビリティーという意味では大変注目されるプロジェクトです。
https://polystyreneloop.eu/

複数のメディアが伝えていますが、世界最大の海運会社であるデンマークの「マースク」がクリーンな代替燃料への移行を促進する為に、船舶用燃料に対する炭素税の導入を呼びかけています。マースク社の提案内容は、燃料1トン当たり少なくとも450ドルです。炭素換算で1トンあたり150ドルとなる、という事です。マースクのCEOは、この税案を「船舶が消費する化石燃料と、より高価な環境に優しい代替燃料とのギャップを埋める為の課税」と呼んでいます。燃料税に関するマースクの呼び掛けは、国連機関が海運部門からの排出量を削減する方法を検討する事になっている今月下旬の国際海事機関の会議に先立って行われました。マースク社は国際海運事業者としてほぼ唯一、脱炭素の積極的且つ具体的なロードマップを示しています(海運業界は基本的に炭素税や排出量制限取引(EU ETS)に大反対しています)。
https://www.spglobal.com/platts/en/market-insights/latest-news/agriculture/060221-maersk-calls-on-carbon-tax-for-fossil-fuel-bunkers-to-bridge-transition-gap

バッテリー材料の技術開発会社であるカナダの「Nano One Materials Corp.」がリチウムイオン正極材料開発メーカーである「ジョンソン・マッセイ(Johnson Matthey))と共同開発契約を発表しています。Nano One社のカソード製造技術の特徴は、通常行われている前駆体から金属成分を取り出し(炭酸)リチウム(化合物)を加え焼成、その後に炭素をコーティングするという3段階の工程ではなく、金属粉末と炭酸リチウムから直接カソードを製造し1つの加工工程で行う事です。ナノ・クリスタルというコーティング技術を使用する、としていますが詳細は特許を見ないと分かりません・・。最近、韓国「ポスコケミカル」もGMとLGの合弁会社である米「Lithium Cell社」にニッケル90%カソード材の供給契約を発表したばかりでした。材料の需給バランスや将来の価格上昇見込みもあり、高ニッケルカソードの製造技術への投資と協業は欧米で流れになっています。車体側でも高ニッケルLiBに対応する為の安全や温度管理技術もどんどん進んでいます。
https://nanoone.ca/news/news-releases/nano-one-and-johnson-matthey-enter-into-a-joint-development-agreement-for-lithium-ion-battery-materials/

世界最大のタイヤメーカーである「ミシュラン」が新たな取り組みを始めるようです。2021年の「Movin’On グローバル サステナブル モビリティ サミット」で2つの新しいソリューションを発表しています。
1つ目は「Wisamo」というプロジェクトで輸送船に収縮性の「帆」を装備し、海上輸送での燃料消費を減らします。これを自社の製品輸送に使うとしています。2つ目は自動車の耐久レースで使用するレーシングタイヤに46%のリサイクル材を利用する事です。「GreenGT Mission H24」というプロジェクトで、走行する自動車は水素を燃料として利用します。
https://www.engineeringnews.co.za/article/michelin-introduces-decarbonised-shipping-recycled-material-racing-tire-solutions-2021-06-02/rep_id:4136
https://www.youtube.com/watch?v=No6qTbn0J4s

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