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世界の環境関連ニュース(2021年2月第4週)

2018年にウィスコンシンで起業し廃棄物リサイクルの教育アプリケーションを開発しているBetterbin社が、市に住民用にアプリを提供しています。住民が廃棄物を回収施設、若しくはリサイクル施設に持っていく前に、その施設が受け入れできる廃棄物を知る事が出来るように設計されています。このようなアプリは今後需要が増えると予測されています。
https://about.betterbin.app/
https://www.recyclingtoday.com/article/keeping-communities-loop-wausau-recycling-app-betterbin/

リチウムイオン電池のリサイクルを目指し2019年にアメリカHeiritageグループによって設立されたHeritage Battery Recyclingが、カリフォルニアのバッテリーテクノロジー企業(上場)であるRomeo Power Incと共同で、アメリカ南西部にバッテリーのリユースとリサイクルの施設を作る事を発表しています。
https://www.heritage-enviro.com/heritage-invests-in-future-of-battery-recycling/
https://romeopower.com/company/

本日WWFが、アメリカが本日正式にパリ協定に復帰した事により「America Is All In」という運動を立ち上げました。WWFは前大統領であるトランプ氏の就任時にはWelcomeメッセージを出さなかったのですが、バイデン氏には就任日にメッセージを出しており、その翌日にはバイデン氏がパリ協定復帰の大統領命令を出すという流れでした。
https://www.worldwildlife.org/press-releases/wwf-and-partners-announce-new-coalition-for-climate-action

欧州ソフト・ドリンク飲料協会(UNESDA)がサーキュラ―・パッケージ・ビジョン2030を発表しています。以下の内容が含まれています。
– 2025年までに(飲料パッケージは)100%リサイクル可能とする
– ペットボトルは2025年までにリサイクル材利用50%、2030年までに100%を目指す
– 2030年まで飲料パッケージ廃棄物を90%以上回収する
– 詰め替え可能なパッケージの使用増加

既に欧州大手メーカーはこの基準を満たす為の計画を発表しています。
https://www.unesda.eu/news/unesda-soft-drinks-europe-announces-new-circular-packaging-vision-2030/

オーストラリアのASX市場に上場している建築用鉄鋼材製造の大手Blue Scope Corporation社が、今後も暫くは鉄鉱石と原料炭を使用した伝統的な高炉の製鋼工法を継続する事を発表しています。ニューサウスウェールズ州(NSW)の第6高炉は2026年~2030年まで終了する予定の第5高炉に置き換わる計画ですが、水素等の新燃料の利用やEAFのような工法の転換をする予定がないと発表しています。理由は、水素工法では現在の6倍のコストが掛かり、スクラップは安定した品種を十分に供給できるシステムが無い、としています。欧州や日本では水素による高炉の燃料転換の開発が進んでいますが、Blue Scope Corporationに由ると、まだ実用化の時間的な目途が立たない事による決定、としているようです。
https://www.bluescope.com/

今イギリスで問題になっているのは、民間人や違法な処理業者によるゴミの不法投棄です。埋め立て地削減の為の環境税がトリガーとなり不法投棄が急激に増えています。廃棄物処理料金が上がる為、違法な業者や個人によって不法に投棄されるゴミが増えて社会問題化しています。パンデミックもあり、人の活動が減り、目撃しにくい状況も一層状況を悪化させているようです。
https://www.theguardian.com/environment/2021/feb/12/uk-landfill-tax-seems-to-have-incentivised-fly-tipping-says-watchdog

マレーシア政府が新たに粗パーム油に増税を課す旨、官報で発表しているようです。但し、生産の機械化には助成金を出す、としています。
https://www.theborneopost.com/2021/02/24/please-no-new-cess-palm-oil-associations-tell-govt/

欧州の大手製紙メーカーであるSappi社が、菓子用の多層ラミネート包装材を紙べースに変更する事に成功したと、Package Europeが伝えています。ドイツの包装用機械製造会社のSyntegon社製の機械に専用アタッチメントをつけるだけで、可能としている事が特徴です。既存ラインに小改造で代替え材料を入れる事ができる為、大きなメリットです。Syntegon社の前身は、ボッシュのパッケージ技術会社です。
https://packagingeurope.com/sappi-enters-into-strategic-partnership-with-syntegon-technology/

世界最大の鉄鋼メーカーである中国のChina Baowu Steel Group(Baowu)が、中国の鉄鋼業界で初めて2050年までにカーボンニュートラルになる事を発表しています。また2035年までに炭素排出量を30%削減する予定を発表しています。
https://www.mysteel.net/article/5021664-050105/Baowu-as-1st-Chinese-mill-to-target-carbon-neutral-by-2050.html

Argusがコバルト価格の上昇予測を伝えています。供給逼迫と中国国内の需要増予測により、今後も価格が高値で推移する旨伝えています。
https://www.argusmedia.com/en/news/2189882-tight-feedstock-supply-higher-demand-boost-co-prices?backToResults=true

世界経済フォーラムがマイクロプラスチックに対する欧州グリーンディールの役割と同問題のESG投資に対するタクソノミーの有用性をHP上で発表しています。既に(投資家の)お金が動いているので宣伝しているような見え方ですが、今後メディアでも頻繁にマイクプラスチックは登場すると思います。
https://www.weforum.org/agenda/2021/02/how-the-european-green-deal-can-stop-ocean-paint-microplastic-emissions-right-now/

仏ミシュランが2050年までに全ての製品を持続可能なものにする事を発表しています。全ての製品がリサイクル可能で、再生、油化、その他の材料も持続可能な材料を使うとしています。天然ゴム、合成ゴム、金属、繊維、カーボン、シリカ、樹脂が含まれています。
https://www.michelin.com/en/news/100-sustainable-tires/

ヨーロッパの包装用鋼最大手メーカー5社による「包装用鋼ヨーロッパ生産者協会(APEAL)) が、リサイクルに関する2025年のビジョン「Zero steel packaging to landfill(鉄鋼製包装材の埋め立てゼロ)」を発表しています。同協会は1986年に設立、メンバーにはアセロールミッタル、リバティー、タタスチール、テッセンクルップ、USSteelKosiceです。この5社でヨーロッパだけでも20万人以上を雇用しています。空き缶が回収されず埋立てになる事が無くなる事が一つの例です。
https://www.apeal.org/news/apeal-announces-2025-vision-for-recycling/

二軸延伸性(配向)のPETフィルム(BOPET)を促進する業界団体「BOPET Films Europe」が、会員と共にVita Novaコンソーシアムを立ち上げました。このコンソーシアムは、フレキシブル包装のリサイクルを促進する為のものです。BOPET市場は、2020年から2024年にかけて年率6%以上伸びると予測されています。BOPETは、製品寿命の延長、強引張強度、柔軟性など優れた性能を持つ機能性PET樹脂で、様々な用途に利用される事が期待されている材料です。
https://www.bopetfilmseurope.com/news/introducing-the-vita-nova-initiative-promoting-mono-pet-flexible-packaging-for-a-circular-economy/

デンマークの世界的な海運会社であるMaerskが、「コペンハーゲン・インフラストラクチャ・パートナーズ」と共にゼロエミッションに向けてヨーロッパ最大のグリーンアンモニア生産施設の設立計画を発表しています。海運に於けるゼロエミッションは大きな課題となっており、Maerskの取組は大きな一歩と言えます。
https://www.maersk.com/news/articles/2021/02/23/maersk-backs-plan-to-build-europe-largest-green-ammonia-facility

EUが新規にて10のパートナーシップ(プロジェクト)設立を発表しています。また、これらのパートナーシップに100億ユーロ(1兆4000億円)を提供する事も同時に発表しています。いずれも「グリーン」と「デジタル」への移行の為です。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_21_702

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