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世界の環境関連ニュース(2022年6月第1週)

タイヤとゴムはリサイクル産業の「ダイナミックな分野に成長する」、という事が開催されたBIRの年次総会で挙げられた事がRecycling Todayによって報じられています。年次総会でのタイヤ、及びBIRゴム委員会内での発言で、欧州内だけでも現在の再生ゴムの推定需要25万トンが今後25年間で5倍になり、特に2020年から2028年までの「世界の」再生ゴム市場の年平均成長率が10%を超えると予測している、との事です。また、タイヤに含まれるリサイクル材料は非常に少なく、現在は5%程度が限界だが最近の技術革新により近い将来10-15%のリサイクル材利用が可能になる、としています。技術的な裏付けができた事で多くの投資機関が注目し始めているという状況です。ただし、タイヤメーカーは、RCB、脱硫ゴム、微粒ゴム粉等のリサイクル材の供給と品質の安定を注意深く見ており、一貫したシステムの確立がポイントになる、としています。
https://bit.ly/3MgOag5

世界で中国の次に大きな自動車市場である米国でガソリン価格の暴騰とEVを巡る動向が政治的にどのようなインパクトを与えているかを、Politicoが報じています。フォルクスワーゲンやフォードは既に年内のEV購入予約を地域によって停止しており、半導体の不足と電池原材料費の高騰で生産に影響が出ています。中古EVは市場になく、新車の選択肢も限られ値段が非常に高い為、余裕のある富裕層を除けば、米国では実際の乗り換えが今年予想したペース程、進んでいません。バイデン政権は2030年までにEVの販売を米国市場の50%にするという目標を提起していますが、2021年のEV販売量は新車全体の3.4%でした。過去には米国でガソリン代が1ガロン3ドルを超えると政権が変わると言われた事もありますが、現在は国の平均が4.5ドルを超えており、万策が尽きたと言われています。EVの潜在需要はある程度あるものの、供給が追い付かない状況です。仮に供給が追い付いても充電インフラが整わない地域もあり、インフレと相まって現政権の不支持が急増、バイデン大統領の世論調査による支持率が40%を切る過去最低の大統領となっている状況です。共和党は化石燃料の掘削を増加させるようアピールしており、早急な気候変動対策につぎ込む巨額の予算をあからさまに否定し始めており「ガソリン価格」と「物価」というカタチで政争の焦点になりつつあります。現状では11月の中間選挙で化石燃料の増産を促す共和党が圧勝する雰囲気となっており、秋以降に気候変動に対するアプローチが変わりそうです。
https://politi.co/3PRQ0qG

2022年末から23年、24年は銅の総供給が総需要を若干上回る予測がRBCキャピタルマーケッツから出ています。これは、ペルーのQuellaveco、セルビアのTimok、チリのQuebrada Blanca等の大規模な銅採掘プロジェクトが2022年後半から2023年初頭に生産を開始する為で、需要増に対応できる生産が確保できる、としています。この供給増により2022年に1ポンド(0.454Kg)の平均が4.23ドルに対し2023年には3.75ドルになる、と予測しています。それでも中期的には需要が供給の伸びを上回る事が示されています。現在、利用可能な銅の在庫は歴史的に低い為、(供給が増えても継続的な需要増が)ある程度価格をサポートする可能性があります。
https://cnb.cx/3MimnMn

米国のコロラド州が知事の署名により正式にプラスチックやプラスチック包装を含む製品に対する拡大生産者責任法に署名し、法律が実施される事になります。州の発表ではコロラド州は、資本、運営、宣伝、教育の費用をカバーするために州全体のリサイクルプログラムに資金を提供する責任を生産者に課す拡大生産者責任(EPR)システムを導入した米国で最初の州になる、としています。この法案は、企業とプラスチックリサイクル協会を含むいくつかの環境団体は支持しましたが、米国森林製紙協会、及び全米廃棄物リサイクル協会を含む別のグループには反対されてきました。この法案は22-1355と呼ばれ、プラスチック、アルミニウム、ガラス、紙のリサイクル率を高めることを目的とした州全体のリサイクルシステムを確立するものです。コロラド州のリサイクル率は15%で、全国平均の半分未満、毎年600万トン余りの廃棄物が埋め立て処分されているという現状があります。EPRは米国でも様々な州が法案を出し始めていますので、今後この動きは徐々に増えると思われます。
https://bit.ly/3mi02nl

ウクライナの戦争から100日が過ぎ、欧州の主要なメディアでは欧州で何が変化したのかを報道する記事が増えています。ドイツの主要なメディアであるDWが「ウクライナ戦争が変えた5つ」というタイトルで記事を出しています。全体像の概略を知るには良い記事だと思います。またフィナンシャルタイムズが「ウクライナと第二次冷戦のはじまり」と題した記事を出しています。影響は「これからより顕著化してくる」という事がほぼ全ての記事のコンセンサスになっています。
https://bit.ly/3thR2Tp

N数は多くありませんが、米国人が電子機器を処分する場合の傾向についての調査結果が報告されています。 米国は欧州と違い土地が広くコミュニティーが離れている事、また、廃棄物の埋立て処理が安いこともあり電子機器を回収するスキームが確立されているコミュニティー以外は廃棄処分される場合が多いです。調査対象となった1,114人のうち45%は過去電子機器をリサイクルした事がなく、18%はそのままゴミ箱に捨てる、と回答しています。
https://bit.ly/3mlrdhm

日本では「話題に上がらない」状況ですが、欧米では既にプラスチックや衣類のサーキュラ―エコノミーのデファクトスタンダードになっているエレンマッカーサー財団と共同し、米国商工会議所財団が新しいレポートを発行しています。この内容が、S&P Global Market Intelligenceにて報じられています。これ1つとっても、世界では既に(デファクト)スタンダードとして注目されており、エレンマッカーサーがスクリプトを作っている概念や数値目標のある、サーキュラーエコノミーの各指針は確実に消化しなければなりません。プラスチックにおける指針は、現在の国際条約に向けての土台となっており、早期に理解して方針を打ち出し対応をする必要があります。
https://bit.ly/3zngf2w

投機マネーが入る銅の短期市場の状況をHSNWが伝えています。投機的なフローを評価するLMEブローカーの「MarexSpectron」によると、ロンドンでのファンドのショートポジションは5月18日の約29,000ロットからわずか11,300に削減されています。建玉のパーセンテージは、契約ベースで20%から8%に減っています。中国は解放し始めているが不確実性が強く、ファンドが短期エクスポージャーを積極的に削減、また長期的に銅に投資する傾向をまだ示していない、としています。ただし、中国周辺の銅市場は、弱気から強気に切り替わっているという事です。
https://bit.ly/3mzNNmc

米国でも使い捨てプラスチックの規制が強化されます。米国内務省が長官発行令により、2032年迄に公有地での使い捨てプラスチック製品とパッケージを段階的に廃止すると発表しました。これは、6月8日の世界海洋デーに合わせて発表されたものです。国立公園を含む内務省管轄域内での使い捨てプラスチック製品の調達、販売、流通を減らすことを目的としています。これは、廃棄物を最小限に抑えるよう連邦機関に求めた大統領執行令の一部となります。この大統領令は、内務省に堆肥化可能、または生分解性の材料や100%リサイクルされた材料など、使い捨てのプラスチック製品に代わる無害で環境に優しい代替品を特定するように指示していました。
https://bit.ly/39gHjFS

ドイツの自動車協会が2035年にエンジン車の販売禁止を支持する欧州議会決定に反対の声明を出しています。議会決定の内容が野心的でコスト増となり、市場や市民生活に影響が出るとの見解を示しています。欧州議会は6月8日に投票を行い、大多数が2035年にエンジン新車の販売禁止を支持する事に投票しました。ドイツ自動車工業会の会長は同日に声明を出し、ヨーロッパの充電インフラが不十分であり全面的な禁止には時期尚早であると述べています。内実は、高騰する原材料費、部品代、整備投資により低価格車を開発製造する事が困難で、現実的には「儲けが少ない」、という(裏)事情があるようです。
https://bit.ly/39jtN4r
https://reut.rs/3zJblx9

株式市場は思った程クリーンエネルギー市場に積極的でないという事が表れ始めています。クリーンエネルギー投資の代表指標であるS&P Global Clean Energy Indexが年率マイナス8.09%であるのに対し、石油とガスの指標であるS&P Oil & Gas Exploration & Production Select Industry (SPXSOP)は年率で72.55%伸びています。エクソン株が8年振りの高値を記録する等、エネルギ―価格高騰の中で(市場投資)資金が過去1年間化石燃料セクターに「より」流れている事が明確になっています。ESGもありインフラ投資は脱炭素、クリーンエナジー関連以外に向ける事が難しくなっていても、株式市場に流れるお金は、未だに脱炭素とは真反対の方向に伸びているという事実が見てとれます。欧米では今、ガソリン価格の高騰とインフレが最大の関心事で政権にも影響する事態になり始めています。
https://bit.ly/3xCDKU7
https://bit.ly/3jVwomM

ちなみにイギリスでは1日のガソリン価格の上昇が17年振りの値となり、1Lあたり1.8073ポンド、日本円で1L 300円の大台まで来ました・・・・。一般乗用車に満タン55L 入れると1万6500円、ディーゼルはもっと高いので、輸送運賃の上昇によりインフレが超加速中です。結構深刻です。。
https://bit.ly/3zsXRFm

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