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世界の環境関連ニュース(2022年09月第2週)

米国のカリフォルニア州でバッテリー、及びバッテリーを含む製品の回収・リサイクルプログラムに関する法律が可決されました(上院法案 BS 1215 と下院法案 AB 2440)。カリフォルニア州はバッテリーを有害廃棄物に分類し(有害な金属や腐食性物質が含まれている為)埋め立てを禁止しています。この新しい法律は、州の電子廃棄物リサイクル法を拡大し、簡単に取り外せないバッテリー付き製品を含めます。AB2440は拡張生産者責任 (EPR) を確立します。電池内蔵の製品の廃棄物を安全かつ効率的に収集・処分する標準化されたシステムは今まで存在せず、新しい規制となります。リチウムイオン、アルカリ、ニッケルカドミウム、ニッケル水素電池、製品に組み込まれた電池を含む全ての電池が対象となります。
https://www.cawrecycles.org/sb-1215-ab-2440

Oil.comによると、ロシア産のガスを輸入した中国が密かに中国製のガスとして欧州に販売しているという事が伝えられています。欧州はロシア産ガスの輸入量の減少でエネルギー危機が深刻化しています。記事によれば、大手 LNG トレーダーである中国のJOVO グループは最近、欧州のバイヤーにLNGカーゴ船を転売した事を認めています。中国最大の石油精製会社Sinopec Groupも4月の報告で過剰なLNGを国際市場に流していることを認めています。中国メディアによれば、Sinopecだけで45カーゴのLNG船、およそ315万トンを国際市場に販売した、と報じています。再販された中国のLNGの総量は、おそらく 400 万トン以上と推測されています。これが全量欧州に販売されたか不明ですが、仮にそうである場合は6月末までの半年間のヨーロッパのガス輸入量の7%に相当します。Oilprice.comによると、これらの一部または全部は、「中国産」として転売されている、という事です。ヨーロッパのLNG輸入は2022年上半期で前年比60%増加しています。
https://bit.ly/3wQilWE

欧州最大の鉄鋼メーカーであるアルセロールミッタルがガス価格の高騰や需要の低迷を理由に、ドイツのブレーメンにある製鉄所の高炉の2つの内、1つを9月末から停止すると発表しています。この炉の銑鉄生産量は年間120万トンです。また、今年の第4四半期からは、ハンブルグ工場の直接還元鉄の生産工場も閉鎖し、両方の工場で勤務時間を短縮する事も発表しました。 CEOの談話:「エネルギー集約型産業として、私たちは非常に大きな影響を受けています。ガスと電気の価格がわずか数か月で10倍になり、輸入品が25%を占める市場では、もはや競争力がありません」 化学、アルミニウム、製紙、セメント産業と並んで、鉄鋼産業は最もエネルギー集約型の産業です。アルセロールミッタルは、スペインのアストゥリアス工場にある2高炉の内、1つを、既に休止しています。
https://reut.rs/3KEr6c1

英国ではエネルギー価格の影響だけでなく天然ガス価格の上昇により、天然ガスから生産される様々な二次製品の価格が上昇し、食料品への影響が出始めています。英国最大の鶏肉生産者の1社は、二酸化炭素 (CO2)の価格が3倍以上に上昇した為、消費者が「価格ショック」に晒される可能性があると警告しています。二酸化炭素は、家畜を屠殺前に気絶させる為に使用されます。英国は1日2,000トンの二酸化炭素を必要としています。現在、原料の高騰で採算が合わない為、大手企業CF Industriesの肥料工場とエタノール工場が一時的に閉鎖されています。食品グレードのCO 2は肥料の原料であるアンモニアの生産で副次的に製造されます。アンモニアの原料は、天然ガスです。このFC Industriesが生産する二酸化炭素は日産1,300 トンを占めており、英国が輸入可能とする量は、現在1日わずか600 トン程度です。食品グレードの二酸化炭素の価格は、昨年の200ポンドから直近は4,500ポンドに暴騰しており、英国の食品インフレが9%となる事の要因にもなっています。事態が危機的な状況である為、対策を求める声が上がっています。これは、英国だけでなく欧州全体で同じ事が起きつつあり、欧州と米国政府はロシア産の石油とガスの価格に上限を設定する事を急いでいます。ロシアは、上限価格を設定した国への石油とガスの販売を行わない事を発表しています。しばらく地政学的な影響が続きそうです。
https://yhoo.it/3AIyLS6

欧州ではエネルギー危機の話題が中心です。ロシアが(シーメンス製タービンのオイル漏れの為)無期限でノルドストリーム1のガス供給を止めた為、ガス価格が急騰し様々な影響が出ています。シーメンスはロシアから撤退し、タービンの部品は制裁でロシアへの輸出が禁止されています。ただし、本当にオイル漏れなのか西側先進国がロシアの石油とガスに上限価格を設定した報復なのかは定かではありません。価格CAPが決まった直後の事なので、多分報復と思われています。ソ連崩壊と欧州東西統一前は、地政学、安全保障、イデオロギーが産業や金融政策より優先していましたが、また、欧州では30年以上前のようになってきました・・・。 英国で最初にリチウムイオン電池のギガファクトリー建設を進めているBritishvolt(ブリティッシュボルト)がエネルギー価格の上昇により、事業開始の延期を発表しています。エネルギーコストの高騰により、英国北東部にあるブライス地区の工場は、主要な建設工事を来年2月まで停止せざるを得ない状況になった、と伝わっています。同工場への投資額は38億ポンドで、英国史上最大の産業投資の1つであり、日産が1984年に最初に英国東北部で投資して以来、同地区では最大級のものです。米国のフォードモーターが、計画していたスペイン・バレンシアの工場でのEV関連の投資計画を保留したばかりです。計画保留の理由は、「ヨーロッパ計画見通しの修正」と説明されており、エネルギー価格の高騰が暫く続き、インフレや経済減速が確実視されている中での決定としています。
https://bit.ly/3wZxRPQ

欧州のエネルギー危機が政治的な不安定性に波及し始めています。 3日にチェコで大規模なデモが起こりました。極右政党と極左政党がそれぞれ参加し、7万人の大規模なデモにより、ロシアとのガス取引の再開を要求、ウクライナ戦争をめぐる制裁を終わらせるよう求めています。また、フィンランドとスウェーデンは、自国の電力会社に数十億ユーロの流動性保証を提供する計画を発表しています。これは、比較的小規模な電力会社の流動性がエネルギー価格の上昇により不足する事で、それらの企業が債務不履行を起こす危機が非常に高まっている為である、と伝えられています。フィンランドのミカ・リンティラ経済相は「これは一種のエネルギー産業のリーマン・ブラザーズの要素を持っている」と発言しています。エネルギー価格の上昇により産業への負の影響が大きくなっている事から、ドイツでも炭素排出量の多い製品に課されているドイツ国内の炭素価格が上昇しており、政府は向こう1年間、炭素価格を凍結する事を発表しています。
https://bit.ly/3Rm3wmQ
https://bit.ly/3elLKl1

プラスチック国際条約の交渉を支援する「High Ambition Coalition」(HAC)が結成されています。今年3月、国連環境会議(UNEA5.2)にてプラスチックとプラスチック廃棄物に関する法的拘束力のある国際条約の交渉を開始することが決まりました。審議期間は2024年末までを予定しており、最終草案を策定後に外交会議で採択される予定です。HACはプラスチックの消費と生産を持続可能なレベルに制限すること、プラスチック循環経済を可能にすること、プラスチック廃棄物の管理とリサイクルを達成すること、の 3つの戦略的目標を概説しています。このグループの共通の目標は2040年までにプラスチック汚染を終わらせることです。議長国はルワンダ共和国とノルウェーとなります。同団体は大きなロビー力がある為、国際条約の方針について注意深く進捗を追う必要がありそうです。
https://hactoendplasticpollution.org/

現在、欧州ではタカ派的に行われてきた気候変動政策が修正を迫られています。欧州議会が保険部門の持続可能性基準(気候変動情報の開示)を巡って、意見が割れています。欧州議会の中道派から出された保険部門の持続可能性基準には、EU委員会が健全性規則に含めることを提案した気候条項のほとんどが含まれていません。社会が気候変動対策に進むと、化石燃料産業企業の多くの社債や株式が無価値になる可能性があるという事です。保険会社がこうした「座礁資産」のリスクを適切に考慮しない場合、保険業界の安定性が脅かされる可能性があります。背景には、明るみになったエネルギー危機により、今後も化石燃料への投資が継続すると市場が見ている事が要因のようです。
https://bit.ly/3ANALZf

今年に入って投資を活発化させているノルウェーのアルミ二ウムメーカー「Norsk Hydro AS(Hydro)」ですが、ハンガリーで新しいアルミニウム・リサイクル工場の建設を開始した事を発表しています。この施設の生産能力は年間90,000 トンで2024年第1四半期に生産を開始する予定です。総投資額は約€8,800万と報告されています。
https://bit.ly/3D2yJXU

ロシアはウクライナとの戦後のエネルギー輸出で€1,580億の収入を得たと報道されています。フィンランドのシンクタンクCREAが5日に発表した内容では、収益の半分以上が欧州からのもの、という事です。この数字は2月24日のロシアのウクライナ侵攻後の6ヵ月のものです。この期間中においても欧州連合がロシアの化石燃料輸出国の最大の輸入地域であり、輸入額は€851億に上ると推定しています。中国は€349億、トルコは€107億でした。EUはロシアの石炭の購入を停止しましたが、ロシアの石油を段階的に禁止しているだけで、依存度の高い天然ガスの輸入に制限を設けていません。化石燃料価格が高水準にとどまる限り、短期的にはロシアが莫大な収入を上げ続けると警告しています。意外と知られていませんが、ロシアには世界有数のウラン濃縮施設があり、世界のウラン濃縮施設のほぼ半分を占めています。その為、簡単に代替先を見つける事ができません。米国はロシアからの化石燃料の輸入を禁止しましたが、ロシアのウラン輸入を禁止していません。2021年に米国はウランの約14%と全濃縮サービスの28%をロシアから輸入しました。欧州連合は輸入と濃縮サービスでそれぞれ20%と26%でした。ロシアは推定486,000トンのウランを保有する世界最大のウラン資源国の1つであり、これは世界の供給量の8%に相当します。中国も自国の需要を満たす為に濃縮施設に投資しており、2030年までに世界の生産能力のほぼ3分の1を保有する事を計画しています。
https://energyandcleanair.org/russia-fossil-fuel-exports-july/

CDPが今月発行した最新のデータでは、G7の企業が今後行う温室効果ガス削減の取組では、パリ協定が目標とする1.5度の気温上昇を達成する事ができず、2.7°C の気温上昇のシナリオとなる事が示されています。昨年のCOP26に向けて勢いが増し、気候目標をコミットして設定する企業の数が急速に増加しました。CDPの分析ではG7の企業が公開している温室効果ガス(GHG)排出削減目標では、プラス2.7度となるとしています。仮にスコープ3を含めたとしても2.4度の上昇になります。 (※ただし、CDPは企業が温室効果ガス削減目標を掲げて評価する事で儲けるビジネスモデルの団体なので、ネガティブな数値は少し留意しても良いかと思います)
https://bit.ly/3qcXzN6
https://www.oliverwyman.com/our-expertise/insights/2022/sep/cdp-temperature-ratings.html

欧州の作る環境正義があまり当てにならない典型的な例の論調が報道されています。欧州ではここ何年も「一次木質バイオマス」を再生可能エネルギーから外す事を推進し、欧州再生可能エネルギー指令の第三回改訂においても、欧州議会の環境委員会(ENVI)が、一次木質バイオマスを使用する全てのバイオエネルギーを持続「不可能」であり再生可能では無いと宣言することを提案しています。しかし、この提案が採用された場合、欧州の再生可能エネルギーの20%、欧州の総エネルギーの4%が失われます。エネルギー危機真っ只中の現在、エネルギー供給源を減らすとエネルギー価格が上昇し貧困が増加する、としてこの提案に反対するという意見が、バイオエネルギーヨーロッパから出されています。あれ程「環境悪」と称した石炭の欧州での使用量は昨年14%急増し、更に今年も7%増加する見込みです。世界の石炭需要は2022年に過去最高に戻る見込みです。
https://bit.ly/3QiQ55F

欧州で人工芝に利用されるゴムチップが禁止される法律が可決される可能性が高まっています。これは先月30日に欧州委員会が委員会規則 (EU) である:「合成ポリマー微粒子に関する化学物質の登録、評価、認可および制限 (REACH) に関する欧州議会および理事会規則 (EC) No 1907/2006  附属書 XVII の修正案」、の中で示されたものです。
https://bit.ly/3qitFad

2022年9月23日のREACH委員会のWebex会議で議論される事になっています。この会議で、サイズが5mm未満の充填材の販売を制限する提案を採択する予定、と伝わっています。現時点では決定ではありません。採択後に規則として制定された場合、その後6 年間の移行期間を経て、使用済みタイヤやその他のゴムリサイクルからの粒状充填材の使用を、新しい合成ピッチ表面材に使用することを防止します。提案された法律では、現在使用されているものの遡及的な措置は要求していません(つまり現在使用しているものは、遡って回収したりする必要はない)。欧州委員会の決定は、全ての「マイクロプラスチック」充填材の禁止を求めた、欧州化学機関のリスク評価委員会(RAC)による2020年の勧告に基づいています。 欧州タイヤリサイクル協会(ETRA)は、ブリュッセルの規制当局がRACから提供された「間違ったデータ」に基づいて決定を下したと失望を表明しています。近年、欧州と英国の業界団体は人工芝と使われる製品への懸念を必死で守ってきました。EUのリサイクル部門では、この措置により開発途上国への廃タイヤの輸出が急増するのではないかという懸念が広まっています。
https://bit.ly/3RGtst9
https://bit.ly/3D26t7R

インドネシアのニッケル鉱山会社の「PT Vale Indonesia」は6日、中国のShandong Xinhai Technology Co. Ltd、及びChina Baowu Steel Group Corp. Ltdと投資契約を結び、Valeのスラウェシ島でのプロジェクトを行う事に同意しました。同プロジェクトは約21億ドル規模の投資となり、2025 年には稼働する計画です(ニッケルはLIBだけでなく軍需が大きく、世界的に需要は増加すると見られています)。
https://bit.ly/3qjVoaI

国際的な鉄スクラップ相場の指標となるトルコで、推定鉄鋼生産率が生産能力の約50%にまで低下している事が伝わっています。トルコは9月1日に産業向けの電力とガスの価格を50%上げた事で、他の産業でも影響が出ているようです。
https://bit.ly/3BlnV64

HSNWの情報では、中国の不動産部門の低迷の為、鉄鋼生産への影響が続くと見られています。これはS&P Global Commodity Insightsが接触した鉄鋼市場関係者の情報として伝わっており、市場関係者は弱気の見方を表明し、不動産セクターからの鉄鋼需要の足枷は2023年まで続くと予測しています。冬の鉄鋼生産量の削減は、弱い需要を相殺するには不十分かもしれないと、予測しています。不動産売上高の減少の主な理由には、人口増加の停滞、ほぼ完全な都市化、パンデミックの再燃による家計収入の停滞が含まれます。不動産部門は、中国の鉄鋼消費の3分の1を占めています。
https://bit.ly/3ev6vdY

ドイツ鉄鋼リサイクル・廃棄会社連邦協会(BDSV:German Steel Recycling and Disposal Cos)が声明を発表しており、鉄スクラップの品質の向上、鉄スクラップの世界的な自由貿易の維持、業界に対するエネルギー供給危機の影響、及び政策的な官僚主義の削減、を発信しています。これは、連邦議会議員と主要鉄スクラップ企業のトップとの会談で話し合われたトピックとして発信されています。現在エネルギー危機でBDSVメンバー企業が苦しんでいる状況と廃棄物輸送規則の改定による鉄スクラップの輸出禁止への動きへの懸念事項が含まれています。ドイツを中心に欧州の鉄鋼業界はエネルギー危機に苦しんでおり、その影響がスクラップ業界にも波及しています。
https://bit.ly/3AWWQEN

英国の新政権がエネルギー危機への対応と、エネルギーの国内生産を加速する事を発表しています。数十件の新しい北海での原油とガス探査のライセンスを与える事も示唆しています。ライセンスの最大数は130件になる予定です。また、現在禁止しているフラッキングを許可する方針と伝わっています。ただし、これらのプロジェクトから産出される化石燃料が市場に出回るには4-10年掛かります。化石燃料増産へのシフトは、大きな方針転換となります。また平均家庭の1年間のエネルギー価格の上限(£2500)を設け、を2年間継続する事を発表しています。現在、インドよりも経済規模が大きく、アメリカ最大の再生可能エネルギー容量を持つカリフォルニア州が電力不足に見舞われており、同じく2万8000機以上の風力発電タービンを設置しているドイツが極度のエネルギー不足に面している事から、英国でもエネルギー独立(Energy Independent)の機運が徐々に高まっています。 ただし、化石燃料への投資は資源国への膨大なドルの流入と国際的なパワーバランスの変化をもたらす為、欧米の官僚機構と金融資本はこの流れに反対してグリーン化を進めてきました。今後、英国の新政権を皮切りに欧米で変化が起きるのか、ボリス・ジョンソンのように圧力に負けてグリーン路線に反転するのかは、様子を見る必要がありそうです。
https://reut.rs/3qk4LqT

リチウムイオン電池リサイクル市場の今後の問題は、技術や投資ではなく、スクラップに回る廃リチウムイオン電池の供給にある事が伝えられています。これはEVが廃車となって電池リサイクル業者に回るまで10年近くの期間が必要という事が要因です。Bloombergが最近発表したレポートで詳細を伝えています。ただし、廃棄バッテリーが市場に出回りリサイクル能力の供給を満たす「変化点」の時期がくれば、業界は時流に大きく乗る事になる、としています。
https://bit.ly/3RrDZsA
https://bloom.bg/3eCquHG

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