NEWS

世界の環境関連ニュース(2022年07月第2週)

米国でもAIを使った画像解析とセンサー技術をリサイクル選別に応用する新興企業が多額の資金を調達しています。AI技術を廃棄アルミ・ミックス品の選別の為に開発している米国インディアナ州の「Sortera Alloys Inc社」がAssembly Venturesから1,000万ドルの資金を調達した事を発表しています。この資金以外にもBreakthrough Energy Ventures とアルミ製造メーカー大手の「Novelis」からも資金を得ています。同社のAI技術はアルミ・スクラップのミックスを高度に選別する目的で開発が行われています。ここ最近、画像解析とセンサーを組み合わせた高度な選別技術が次々と開発されるようになってきました。
https://bit.ly/3nTM7Vi

欧州議会が、原子力と天然ガスを「特定の条件を満たす場合に「グリーン」に分類する」という提案を事実上認めた事が反響を呼んでいます。EUの投資分類法(EUタクソノミー)は、世界で最初のグリーン・ファイナンス・ラベリングシステムの1つで、投資がEU内だけでなく、グローバル市場全体に影響を与える可能性があります。英国も現在、独自のグリーン分類法を開発しています。英国の分類法はEUのグリーン投資基準をテンプレートとして使用する可能性が指摘されています。EU議会の決定に対して、幾つかの環境団体(WWFやClientEarth等)は法的な措置も検討すると報道されています。欧州全体で180を超える環境グループのネットワークである欧州環境局(EEB)は、EU議会の決定を非難しています。
https://bit.ly/3IpHxaV

英国政府によって発表されていますが、イングランド南東部のケントに所在するリサイクル会社「P&D Material Recovery」が違法な廃棄物輸出により合計で24,000ポンドの罰則金の支払いを命じられた事が伝えられています。2019年3月、同社は「プラスチック・スクラップ」と報告された11個のコンテナ合計約220トンを2回に分けてトルコに出荷しました。内容物に、汚れたおむつ、綿棒、ガラス、下着を含む織物、缶が含まれていました。英国では廃棄物の輸出監視が強化されています。また、火災や死亡事故等への民事訴訟も増加しています。
https://bit.ly/3NSRj6o

銀行の投資・融資に関する気候変動リスクへのストレス・テストの結果が欧州で始めて紹介されています。欧州中央銀行(ECB)が欧州内の204銀行の気候変動リスクに対するストレス・テストの調査結果を伝えました。中央銀行の調査では、現在ほとんどのEU圏の銀行には「気候リスクをモデル化するためのフレームワーク」がなく、通常、融資を行う際にそれを考慮していないことを伝えています。ECBは気候と環境リスクをビジネスに組み込む事に向けた銀行の進捗状況を評価する為に、別個の「テーマ別レビュー」を実施しています。このレビューは、遅くとも2024年末までに完了する計画です。欧州中央銀行によれば、今年起きている洪水と干ばつに加え、炭素価格の突然の高騰はEU圏の銀行に700億ユーロ(711億ドル)余りの損害をもたらす可能性がある、という事です。
https://on.mktw.net/3NQU0Wq

インドが7月1日より19品目の使い捨てプラスチックの利用禁止を実施しています。インドは年間約1,400万トンのプラスチックを使用していますが、プラスチック廃棄物を管理するための組織化されたシステムが存在せず、ポイ捨てが蔓延しているのが現状です。この禁止に含まれるものは、ストロー、カトラリー、包装フィルム、風船用のプラスチックスティック、キャンディーとアイスクリーム包装、タバコの箱等ですが、汚染源の1つであるビニール袋は含まれていません。ただし、ビニール袋は再利用しやすいように暑さを増すことを義務付けています。消費者向け食品に使用される一部のプラスチック包装は禁止から除外されますが、製造業者はそれがリサイクルされることを保証する義務があります。インドについては、国連が2023年には中国を抜き、世界最大の人口を持つ国になる、との予測を発表しています。インドの経済成長はすなわち大量の資源消費となり、世界に与えるインパクトも人口の多さから大きなものになると推測できます。また、この国連の最新の予測によると、世界の人口は2030年には約85億人、2100年には104億人に達する可能性がある、としています。
https://bit.ly/3c6bbGb
https://cnb.cx/3AHGLEl

7月11日からロシアとドイツを結ぶガスパイプラインの「Nordstream 1(ノルドストリーム1)」が定期メンテナンスの為に10日〜12日間停止します。既に先月からカナダで修理されているポンプ機器の返却が遅れていることを理由に、ロシアはパイプラインのガスフローを総容量の40%に削減しています。ドイツでは、この定期メンテナンス後も100%のガスフローに戻らず、更に冬を前にロシアがガス供給を停止する可能性があり備えるという姿勢を取っています。現在、欧州ではエネルギー市場で継続的な供給不足が起きており、ガス供給が逼迫するにつれて石炭が電力の逼迫を緩和する為に利用が増えると見られている事が取り上げられています。フランスでも産業部門の停止を避ける為に、より化石燃料を一時的に利用する動きが出ています。カナダ・オンタリオ州トロントのタブロイド紙SUNは、この状況をカナダの政策を考慮し、社説で「The great reset is back to fossil fuels」(グレートリセットとは化石燃料に戻る事)と皮肉っています。これは、カナダの首相ジャスティン・トルドーが世界経済フォーラム(WEF)の主要な人物として紹介されている為で、そのWEFが提唱したものがGreat Reset(グレートリセット)という事から来ています。Great Resetの主要なアジェンダの1つが持続可能=再生可能エネルギーですが、Great Resetは資源安全保障をないがしろにして行った政策的失敗で結局は化石燃料にまたエネルギーソースを戻す事になった、と皮肉っています。今年の冬が最大の山場と言われており、これからもエネルギー危機は当面続く見込みと見られています。
https://bit.ly/3Ixqgwv
https://bit.ly/3P0bHUy
https://bit.ly/3IuCBS8
https://bit.ly/3IuZjtB

主に欧州の法律や規制を解説する「Lexorogy」が、欧州委員会が6月22日に提案したEU ETS(排出権取引制度)の改定案について解説しています。今回の改定案では海運を含める為の、幾つかの条件が示されています。新たな提案では二酸化炭素だけでなく、メタンと亜酸化窒素の排出量がスキームに含まれる事になります。EU域内航行とバース利用の場合は100%、EUを出入りする航海の場合の排出量は50%が適用になります(距離が300海里未満は排出量の100%が適用)。その他、船のサイズによる条件が含まれます。実施は2024年1月1日からです。実際に海運への適用には国際的な排出削減目標と2重で規制がなされる問題や、燃料供給や船舶のコストから協議が継続されています。しかし、海運がEU ETSに含まれるという事は国際貿易にとって大きな出来事です。EU ETSが採用する(日本も来年から自主参加で採用する)キャップ&トレード方式の排出権取引制度は企業経営を根本的に炭素中心の考え方に変えます。 海運を排出権取引に含める事は産業にとってインパクトの大きな話で、業界は猛反発しています。
https://bit.ly/3nRCzKz

既に広く知られつつある事象ですが、リチウムイン電池リサイクルの市場への投資が活発化して老舗と新興企業が入り乱れて乱立する黎明期(れいめいき)に入っている事が伝えられています。下のリンクには主要なLIBリサイクル企業が出てきており、それらを取り巻く電池産業への活発な投資と政治的インセンティブがより一層リサイクルへの関心を高める結果となっています。EINPresswire.comの最新記事によれば、鉛やLIBを含む様々な産業用電池リサイクルの市場は2030年までに666億ドルを超え、年率19.5%で成長する予測となっています。リチウムイオン電池のリサイクルは、特許工法を開発する取り組みの高まりに対応して、2030年までに大きな勢いを増す可能性が示されています。
https://tcrn.ch/3P1qkHj
https://bit.ly/3c6rEKw

mining.comが金融機関の銅への投機マネーの状況を詳説しています。これは、ロイターのコラムニストであるAndy Homeの意見を編集したものです。CME銅契約においてファンドによる弱気の契約数を示すベア契約が4月の34,837 から 65,962に大幅に上昇、ロング(買い持ち)は76,837 から 39,465に急落しています。ゴールドマンサックスによると、ブルームバーグ商品指数とS&P GCSIの2つの主要商品指数は、それぞれの2022年の高値から18.0%と16.5%下落しています。銅とニッケルは特に大きな打撃を受けており、2022年の初めの投資ファンドによるネットのロングはほぼ完全に消滅しています。下落の理由は景気後退懸念によるものです。懸念材料のもう一つとして、在庫のカバー率が少ない中でベアファンド(弱気指数にヘッジを掛けるファンド)によるマクロベースでの市場のクラッシュが伝えられています(要は売りが売りを呼ぶ悪循環)。ホリデーシーズンで夏は取引が薄い中、明けてからのボラティリティに注意が必要と伝えています。
https://bit.ly/3RpHmQZ

7月12日、EU議会の環境委員会による採決の段階ですが、EUは森林破壊の無い製品に関する規則を採択しています。これは元々欧州委員会が提案していたものです。新しい法律により、企業はEUで販売された商品が森林破壊または荒廃した土地で生産されていない事を確認することが義務付けられます(デューデリジェンス義務)。委員会の提案では、適用される範囲が牛(肉)、ココア、コーヒー、パーム油、大豆、木材で、製品である皮革、チョコレート、家具などを含みます。更に委員会は、発効後2年以内に、規則をサトウキビ、エタノール、鉱業製品などの他の商品に拡張する必要があるかどうか、どの程度実現可能かを評価する予定です。今後9月に欧州議会での議決に掛けられ、加盟国との交渉によって法制度化されるか決まります。提案通りに法制度化された場合、EU市場に製品を投入する企業は、サプライチェーンのリスクを評価する為にデューデリジェンスを実施する義務が発生します。例えば、衛星監視ツール、フィールド監査、サプライヤーの能力開発、または同位体テストを使用する事で、製品の出所を確認するような方法を確立する必要が出ます。その為、この法律によるコスト増が各方面で議論を呼んでいます。木質バイオマス燃料は影響を受けると見られています。
https://bit.ly/3Rllnuu

2022 年5月、英国の10万人以上がプラスチックの使用とリサイクルに関する全国調査対象となり自宅で発生するプラスチック廃棄物数を調査しました。これは、環境団体のグリーンピースとエブリデイプラスチックが運営したもので、「ビッグ・プラスチック・カウント(Big Plastic Count)」と名付けられています。この調査の結果、英国では年間1,000億個近くのプラスチックを廃棄していると推定されています。調査に参加した人々は、プラスチック廃棄物数を数えるだけでなく、プラスチックの種類を記録するように求められました。廃プラスチックの83%は食品、及び飲料の包装廃棄物であり、最も一般的な品目は果物と野菜の包装となりました。プラスチックは種類によってリサイクル率が大きく異なり、慈善団体であるRecoupのデータによると、英国ではペットボトルの61%がリサイクルされているが、プラスチックタブでは36%、プラスチックフィルムはわずか8%しかリサイクルされていません。廃棄プラスチックの半分以上は軟質プラスチックでこれらはリサイクルが困難なものが多く含まれます。恐らくどの地域でも同じ傾向だと思われます。
https://bbc.in/3nU962z

フランス大手タイヤメーカーがコーディネートするプラスチックのリサイクルコンソーシアムWhite Cycle Project(ホワイトサイクルプロジェクト)が今月スタートしています。このプロジェクトは、プラスチック製の繊維(合成繊維)を含む複雑な廃棄物を高付加価値の製品に変換するサーキュラーエコノミーの開発を目的としています。欧州委員会のホライズン・ヨーロッパ・プログラムによって出資された官民のパートナーシップで、17の組織が参画しています。同プロジェクトの目標は、2030年までに、PET(樹脂・製品)を年間200万トン以上リサイクルする事です。それによりCO 2排出量を約200万トン削減し、毎年180万トンを超えるプラスチックを埋め立てや焼却からリサイクルに回す事ができる、としています。
https://bit.ly/3RsLsYJ

最新のニューヨークタイムズ/シエナカレッジ研究所の調査では民主党員の64%がバイデン氏以外が次期大統領になるべきという結果が出ており、年齢的なものとともに不人気に拍車をかけています。世界的なエネルギー危機と欧州での脱炭素の遅れから、何度も繰り返していますが、秋の中間選挙で共和党が議会を奪還すると、気候変動への取組みに大きな影響が出る事が避けられない状況になってきています。
https://bit.ly/3c9sRkg
https://bit.ly/3PiLAIZ
https://bit.ly/3AIk9Ua

米国の消費者物価指数(CPI)が6月に年率9.1%に上昇し、40年振りの出来事で大きなニュースになっています。食料とエネルギーを除くコアCPIは5.9%で、これは3月のピークである6.5%から低下しています。インフレ調整後の労働者時給は過去1ヵ月で1%低下し、1年前と比較すると3.6%低下しています。インフレに所得の伸びが追いついていない事を示しています。最大の要因であるエネルギー価格は7.5%急騰し、12ヵ月ベースで41.6%上昇しました。6月の賃貸料は0.8%上昇し、1986年4月以来最大の月間上昇となっています。バイデン大統領は選挙運動当時に「パーリア国家」と称して関係が悪化したサウジアラビアに原油増産を依頼する為に訪問します。 欧州では、欧州委員会が14日(木曜日)に今年の経済成長予測を発表しますが、インフレ対策が最大のテーマとなる事から成長の鈍化が予測され、現在2.7%程度になると見られています。英国では来年にはインフレが落ち着くとの政治家の発言もありますが、少し長引きそうです。
https://cnb.cx/3uMhHIx
https://bit.ly/3IBPQk1

ドイツ鉄鋼リサイクル処分協会(BDSV)は、ドイツ連邦議会議員と、エネルギー安全保障が与える影響、鉄スクラップの使用、脱炭素化の関係について話し合ったとHP上で伝えています。ドイツの電気炉では、必要なエネルギーの3分の1が天然ガスから供給されている為に、現在影響を受けています。ドイツがサーキュラーエコノミーを強化する為には、鉄スクラップのリサイクルを通じて原材料の供給を行い、ドイツの競争力を確保、更にスクラップ原料の自由な世界貿易を維持する資金調達と投資を保護する必要がある、と訴えています。また、ヨーロッパは世界の鉄スクラップ加工業者としての地位を確立しなければならないと指摘しています。高品質の鉄鋼スクラップの処理は非常に複雑で多くの費用がかかり、鉄鋼メーカーは喜んでそのコスト支払う必要がある、という立場を取っています。更に欧州排出権取引においてスクラップの使用を規定する、あるいは鉄鋼生産で法的に規定された鉄鋼スクラップの最小限の使用比率を定めるよう、直接支援する必要がある事を議員側に伝えた、としています。BDSVは、欧州委員会と炭素国境調整メカニズム(CBAM)に関する直接の情報交換を求め協議を行う予定です。
https://bit.ly/3caVLjM

北米のリチウムイオン電池リサイクル大手の「Redwood Materials」がフォルクスワーゲンアメリカとEV駆動バッテリーのリサイクルで提携をした事を発表しています。この提携では、Redwood Materialsがフォルクスワーゲングループ・オブ・アメリカの1,000個所以上のディーラーと直接連携し、フォルクスワーゲンとアウディの車両から使用済みのEVバッテリーパックを回収、梱包、輸送、そしてリサイクルを行います。ネバダ州にあるリサイクル工場で、ニッケル、コバルト、リチウム、銅など95%以上の金属を回収し、それらを利用してアノードおよびカソード材料を再製造します。回収された金属は海外に出る事なく、米国の電池セルメーカーへと供給されます。
https://bit.ly/3yxnOkY

Airways Magazineが航空産業のネットゼロについて、オンラインで開催されたIBAウェビナーの中身を紹介しています。このウェビナーは「航空産業のネットゼロは不可能な目標か?」というタイトルが付けられています。パネルに参加した専門家から2050年までに業界を全てネットゼロにする事はかなり難しいとの意見が出されています。現実的には2080年位までかかるとの意見も出されていました。主だった論点は、航空を脱炭素化する為に直ぐに利用できる技術が無い事、当面持続可能な航空燃料(SAF:主に農作物から作られるバイオ燃料)に依存するが、2021年の生産はジェット燃料の総需要の0.1%未満であり、価格が3倍である事、中期的な解決策がカーボンオフセットの数を増やす事、としています。何れにしてもコスト増は避けられず、航空運賃に転嫁される事で乗客数の減少が懸念されています。航空産業の財務報告は、既に自主的に標準となりつつあるESGの情報開示が2024年以降、米国と欧州で義務化される可能性があります。
https://bit.ly/3uMTu4W

ここ数日グリーンスチールに関する報道が欧州で活発になっています。Mirror紙は、「グリーンスチール製造には産業革命以来の大転換が必要」との見出しで紹介しています。これは7月12日にUK Steelによって発表された55ページのレポート「Net Zero: A Vision for the Future of UK Steel Production」によるもので、英国がグリーンスチール製造に向かう為の政策的な取り組みを含む、幾つかの方向を記しています。脱炭素化の為の技術は1つでは無く、グリーンエネルギーを使った電炉、発生する炭素の回収と貯留、代替原料・燃料としての水素の利用、が主なものになります。レポートではスクラップの多くは(製品となって)再輸入する為だけに輸出しており、電気炉の増設とスクラップ保管の土地は十分にある事が提言されています。また、効率がよく費用効果の高い炭素回収&貯蔵技術は、水素ベースの製鋼製造もより魅力的になる可能性がある事が示されています。これとは別に、タタスチールのグリーンスチールへの取り組も多方面で紹介されており、グリーンスチールへの大規模な投資が期待されています。グリーンスチールが始まると、スコープ3で不利な海上貿易によるスクラップ貿易はかなりの構造変化が必要になる可能性があります。Mirror紙の言う通り、グリーンスチールは産業全てに用いられる為、産業自体の大転換となる可能性があります。
https://bit.ly/3IClEoR
https://bit.ly/3AOHFPq
https://bit.ly/3RyZnMH

NEWSCON Inc. TEL. 03-3502-1022

営業時間 09:00-18:00
(土日・祝日・年末年始を除きます。)

CONTACTお問合せフォーム