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NEWSCONの気になるNEWS(2025年5月第3週)
欧州最大級のグリーン水素開発企業であるノルウェーのエネルギー大手スタットクラフトは、市場の不確実性の高まりや地政学的リスクを理由に、欧州各国での新規水素プロジェクトの開発を一時停止しました。これは同社が再生可能エネルギー分野にて2年連続で成長目標を引き下げる動きの一環であり、今後は水素以外の技術や市場活動への投資を優先する方針です。背景にはグリーン水素市場の発展の遅れや投資不足があり、同様の撤退や中止は欧州やオーストラリアの他企業でも相次いでいます。今後、英国を含む欧州では水素産業振興の為の政府支援や投資促進策の重要性が増すとみられています。
▶ https://www.offshore-energy.biz/statkraft-halts-new-green-hydrogen-projects-citing-market-uncertainty/
英国史上最大級の風力発電所を運営する企業が、突然プロジェクトを中止しました。デンマークのオーステッド社は供給網コストの上昇や金利高騰、建設・運営リスク増大を理由に2.4GW規模のホーンシー4洋上風力発電所の開発を中止しました。この決定は英国の2030年クリーン電力目標に大きな打撃となり、同様のコスト増加で他の大規模再エネプロジェクトも中止が相次いでいます。ホーンシー4は約260万世帯分の電力供給を見込んでいましたが、計画停止で目標達成へのギャップが拡大しています。英国政府は他の案件推進や制度改革で目標達成を目指しますが、経済的・制度的課題が再エネ拡大の大きな障害となっています。
▶ https://oilprice.com/Alternative-Energy/Renewable-Energy/UK-Net-Zero-Goal-at-Risk-as-rsted-Cancels-Offshore-Wind-Project.html
米国による最大145%の追加関税措置により、中国では家具や玩具、繊維等、幅広い分野で企業倒産や工場閉鎖、雇用喪失の懸念が高まっています。アナリストは最大1,600万人の雇用喪失も指摘し、中国政府は経済への深刻な影響と国際的孤立を警戒し始めています。他のアジア諸国が米国と貿易協定交渉を進める中、中国も交渉テーブルに着く機会を失うリスクを認識し、強硬な姿勢から協議参加へと転換しました。5月9日からスイスで米中高官が会談し、緊張緩和と経済安定化を模索しますが、両国の根深い不信感や交渉スタイルの違いから合意には時間を要する見通しです。
▶ https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3309692/china-could-miss-urban-jobs-target-amid-trade-war-property-sector-trouble-analysts
ラテンアメリカの鉄鋼業界は中国からの安価な鉄鋼輸入の急増に対抗する為に地域全体での協調的な貿易防衛策の導入を求めています。ラテンアメリカ鉄鋼協会(アラセロ)によれば、同地域は中国の鉄鋼輸入の影響を最も受けている地域の一つであるにも関わらず、過去25年間で最も少ない保護措置しか講じておらず、貿易防衛措置の実施に18~28ヶ月も掛かっている状況です。先進国では12~14ヶ月で対応しています。メキシコ鉄鋼会議所は、補助金付き価格での中国や東南アジアからの鉄鋼製品流入を阻止する為に関税引き上げや鉄鋼三角貿易の防止を政府に求めています。この動きは米国が2025年2月に発表した鉄鋼・アルミニウムへの追加関税措置を背景に、地域全体の鉄鋼産業保護の必要性が高まっていることを示しています。
▶ https://www.bnamericas.com/en/features/latin-american-steel-industry-urges-coordinated-trade-defense-actions
中国の鉄鋼輸出量は4月に前年同月比13.5%増の1,046万トンを記録し、2015年9月以来の高水準に達しています。3月に続き2ヵ月連続で1,000万トンを超え、1~4月累計では前年比8.2%増の3,789万トンと過去最高を更新しました。背景には中国国内の不動産市場低迷による需要減少があり、鉄鋼メーカーは収益確保のため輸出に活路を見出している状況に変わりはありません。しかし、輸出単価の下落が続いており、国際市場の混乱が続く可能性があります。アナリストは米国の追加関税や韓国・ベトナムによる迂回貿易取締強化の影響で第2四半期の輸出は第1四半期から最大20%減少し、年末に掛けて、更に落ち込むと予測しています。
▶ https://jp.reuters.com/markets/commodities/5HQNALS545KFPLXUOFX27KLNJA-2025-05-08/
EUが米国の関税に対する報復の1つとして輸出制限を検討しており、鉄スクラップが含まれる可能性があります。欧州連合(EU)は5月8日に米国との貿易交渉が失敗した場合に約1,070億ドル(950億ユーロ)相当の米国製品に対する報復関税を課す計画を発表しました。鉄スクラップや食品加工用化学製品の輸出制限も検討しています。欧州委員長は「大西洋両岸の消費者と企業に有益な合意を目指す」としながらも「あらゆる可能性に備えている」と述べています。現在、米国関税は欧州輸出の70%に影響し、更に拡大する恐れがある中、EUは交渉による解決を優先しつつも、7月の猶予期間終了に備えている状況です。
▶ https://thehill.com/policy/international/5290874-europe-trump-tariffs-us-goods/
先進国で移民制限が続く中、Brexit後に移民を増やした英国が、遂に大きな転換をする事になりました。英国の首相は移民政策の白書を発表し、英国への移民数を「大幅に」削減すると約束しました。具体的な数値目標や年間上限の設定は「賢明ではない」として拒否したものの、移民制度のあらゆる部分を厳格化する方針を示しています。新政策では、市民権申請前の英国滞在期間を10年に延長し、英語力要件を厳格化します。また、介護労働者の海外からの採用を制限する計画も含まれています。首相は「移民の増加が経済成長に繋がるという理論は誤り」と主張し、欧州人権条約からの離脱は不要との見解を示しました。
▶ https://www.telegraph.co.uk/politics/2025/05/12/politics-latest-news-keir-starmer-immigration-crackdown/
米中の関税引き下げ合意により、米国企業は中国産レアアースの輸出許可取得が容易になる見込みですが、中国の輸出規制が完全に撤廃される可能性は低いと業界関係者が指摘しています。中国は先月、米国の関税への報復措置として、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムの7種類のレアアースと関連製品を輸出規制リストに追加しています。これらの規制は中国が戦略的鉱物資源に対する支配力を強化する為の広範な措置の一部であり、完全撤廃は見込めないと考えられています。中国は世界の戦略鉱物の最大供給国であり、米国はその最大の輸入国です。
▶ https://www.bbc.co.uk/news/articles/c86je4vyg36o
Microsofは米国のデータセンターから排出される電子廃棄物を活用し、ウェスタンデジタルやCritical Materials Recycling、PedalPoint Recyclingと協力してレアアースの回収プログラムを拡大しています。2025年4月に開始されたこのプロジェクトでは、廃棄ハードディスクの磁石からネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム等のレアアースを、酸を使わずに高効率で抽出、22トン超のドライブを処理し、回収した資源は米国内のサプライチェーンに還元されています。中国の輸出規制リスクを背景に、米国の自給率向上とMSの2030年ゼロウェイスト目標達成に貢献するプログラムとして注目されています。
▶ https://recyclinginternational.com/business/innovation/microsoft-deepens-rare-earth-recovery-efforts/60853/
直近に迫ったポーランドの大統領選は、分断する国民感情をどう抑制するかが焦点となっています。過去1年間、ポーランドは緊張した政治的共存状態に陥っています。問題は、もはや誰が勝つかということではなく、苦境に立たされているポーランドの政治が、過激派を抑え込めるかどうかに集中しています。リベラル派の候補者もここ数週間、より保守的な有権者の支持を集める為にメッセージを転換しています。ポーランドでは5月18日に大統領選挙が行われ、6月1日に第2回投票が行われる予定です。国民はウクライナ人支援に対する疲弊感が高まっていることが顕著になっており、候補者の中には、ウクライナ人への支援を減らすとより多くの票を獲得できると判断した者もいる状況です。
▶ https://www.euronews.com/2025/05/11/anti-immigration-protesters-gather-in-poland-ahead-of-elections
中国の銅精鉱輸入は2025年4月に過去最高の約300万トンに達し、前年同月比で25%も増加しました。 これは中国国内の製錬能力拡大と新規製錬所稼働に備えた戦略的在庫積み増しが主因で、世界的な鉱石不足と処理費用のマイナス化という異例の市場環境下で、国内価格圧力の緩和と製錬業者への安堵をもたらしています。 インドネシアやフィリピンからの供給増も寄与しました。米国向け出荷増や在庫減少等、市場は依然として不安定な状況が続いていますが、このような市場環境の中でGSはQ2とQ3の銅価格予想を上方修正しました。
▶ https://www.mining.com/web/chinas-record-copper-ore-imports-offer-relief-amid-shortage/#:~:text=Stock%20image.,over%20the%20availability%20of%20feedstock.
米国の専門家が中国製太陽光発電インバーターに製品資料に記載されていない不正な通信機器を発見し、これが電力網の不安定化やサイバー攻撃のリスクを高めるとして安全保障上の懸念が高まっています。米上院議員は中国企業6社からのバッテリー輸入を禁止する法案を提出し、一部電力会社は中国製インバーターの使用を減らす動きを見せています。米国政府はサプライチェーンの強化と機能開示の徹底を進めています。
▶ https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/ghost-machine-rogue-communication-devices-found-chinese-inverters-2025-05-14/
AIの活用が進む英語圏や欧州では、企業の雇用にも影響が出始めています。ノルウェー・ウェルス・ファンドは、AI等のテクノロジー活用による業務効率化を重視し、今後の人員増加を見込まず採用を一時停止しました。CEOはAI導入により投資先企業のリスク監視に要する時間が大幅に短縮され、生産性も社内調査で平均15%向上したと述べています。一方、IBMの調査によれば、多くの企業がAIプロジェクトに投資しても十分な収益を得られていない現状があり、AI導入のROI(投資収益率)を実感しているCEOは全体の4分の1にとどまっています。しかし、競争力維持のためAI投資を続ける企業が多く、約64%のCEOがAI導入を怠ることへの危機感を示しています。またAIの進展により、今後は人材の質よりもマネジメントスキルの育成が重視されるとの見方もあります。ノルウェー・ウェルス・ファンドはAIの限界を認識しつつも、今後も技術活用と効率化を推進する方針です。
▶ https://fortune.com/2025/05/13/norway-wealth-fund-freezing-hiring-focus-on-ai/
2025年1~4月の世界EV販売台数は560万台で、前年同期比29%増となりました。地域別では中国が330万台(35%増)、欧州が120万台(25%増)、北米が60万台(5%増)、その他地域が50万台(37%増)と中国と欧州が成長を牽引しました。欧州では排出ガス規制が市場拡大を後押しし、ドイツ・イタリア・スペイン等の主要国が高成長を記録。中国では下取り補助金政策が販売増に寄与しています。一方、米国市場の伸びは限定的でした。4月単月では前月比12%減でしたが、前年同月比では29%増を維持しています。
▶ https://rhomotion.com/news/global-ev-sales-up-29-in-first-third-2025/
世界で使用される1060億トンの材料の内、リサイクル資源由来は僅か6.9%で、2015年から2.2ポイント減少しました。人口増加と消費拡大にリサイクルシステムが追いつかず、廃棄物が増加しています。報告書はリサイクル強化だけでなく、材料消費の削減や耐久性・修理性の高い製品設計、資源効率向上を提案。理論上、全てのリサイクル可能資源を回収すれば循環率は25%まで上昇するが、実際には困難である為、抜本的なシステム変革が求められています。
▶ https://www.circularonline.co.uk/news/6-9-of-106bn-tonnes-of-global-materials-come-from-recycled-sources/
インド政府は米国が鉄鋼・アルミニウム製品に課した25%の追加関税に対抗し、一部の米国製品に報復関税を課す方針をWTOに通知しました。 米国の措置はインドから米国への輸出76億ドル相当に影響し、インドは米国との貿易協定交渉で関税格差の縮小を提案していましたが、米国側が中国への関税引き下げを行ったことを受けて、更なる譲歩を要求する姿勢を強めています。 報復関税の具体的な対象品目は明らかにされていませんが、新たな両国間の火種になりかねない状況となっています。
▶ https://www.fortuneindia.com/business-news/india-toughens-trade-position-with-wto-tariff-warning-as-us-fta-talks-loom/123095
2025年3月のEUの工業生産は前月比1.9%増、ユーロ圏では2.6%増となり、比較的安定していました。 前年同月比ではユーロ圏が3.6%増、EU全体で2.7%増となっています。 加盟国別ではアイルランドが月間14.6%増と最も高く、マルタ(4.4%)、フィンランド(3.5%)が続きまました。 一方、ルクセンブルク(▲6.3%)、デンマーク・ギリシャ(▲4.6%)、ポルトガル(▲4.0%)は減少となっています。これに対し て、エネルギー生産はEU全体で前月比1.7%減少しました。
▶ https://ec.europa.eu/eurostat/web/products-euro-indicators/w/4-15052025-bp
インドとパキスタンの紛争でフランス製戦闘機が中国製戦闘機に撃墜された事がフランス国内で大きな話題となっています。インドとパキスタンの軍事衝突では、パキスタンは中国製J-10C戦闘機でインド空軍のラファール戦闘機を含む複数機を撃墜したと主張し、中国側もこの実績を評価しました。しかしインドは損失を公表していません。 一方、インドはロシア製S-400防空システムでパキスタンのミサイルやドローンを迎撃し、その有効性を証明しています。 パキスタンの中国製HQ-9防空システムはインドの精密攻撃を防げず、信頼性に疑問が生じました。 今回の衝突は中国製兵器の実戦性能が注目される契機となり、中国はパキスタンを通じて自国兵器の評価と市場拡大を図っていると言われています。意外と注目されませんが、軍備予算はどの国でもGDPの数パーセントに上る為、先進国では武器輸出は大きな産業として成り立っています。
▶ https://www.france24.com/en/asia-pacific/20250514-chinese-weapons-pass-combat-test-in-india-pakistan-clash-%E2%80%93-with-flying-colours
タイ当局が米国からの電子機器廃棄物を200トン以上押収した事が話題になっています。タイ当局はバンコク港で米国から違法に輸入された電子廃棄物238トンを押収しました。 今年最大規模で廃棄物は金属スクラップと偽って申告されていましたが、実際は回路基板等が含まれていました。 タイは2020年から電子廃棄物の輸入を原則禁止しており、違法輸入は健康や環境への重大なリスクとなる為、当局は関係者の訴追や廃棄物の再輸出を検討しています。 背景には世界的な電子廃棄物の増加とリサイクル体制の遅れがあります。タイ税関当局は1月、タイ東部の港で日本と香港から違法に輸入された電子廃棄物256トンを押収したばかりでした。
▶ https://www.independent.co.uk/news/thai-bangkok-cabinet-japan-hong-kong-b2750809.html
▶ https://www.offshore-energy.biz/statkraft-halts-new-green-hydrogen-projects-citing-market-uncertainty/
英国史上最大級の風力発電所を運営する企業が、突然プロジェクトを中止しました。デンマークのオーステッド社は供給網コストの上昇や金利高騰、建設・運営リスク増大を理由に2.4GW規模のホーンシー4洋上風力発電所の開発を中止しました。この決定は英国の2030年クリーン電力目標に大きな打撃となり、同様のコスト増加で他の大規模再エネプロジェクトも中止が相次いでいます。ホーンシー4は約260万世帯分の電力供給を見込んでいましたが、計画停止で目標達成へのギャップが拡大しています。英国政府は他の案件推進や制度改革で目標達成を目指しますが、経済的・制度的課題が再エネ拡大の大きな障害となっています。
▶ https://oilprice.com/Alternative-Energy/Renewable-Energy/UK-Net-Zero-Goal-at-Risk-as-rsted-Cancels-Offshore-Wind-Project.html
米国による最大145%の追加関税措置により、中国では家具や玩具、繊維等、幅広い分野で企業倒産や工場閉鎖、雇用喪失の懸念が高まっています。アナリストは最大1,600万人の雇用喪失も指摘し、中国政府は経済への深刻な影響と国際的孤立を警戒し始めています。他のアジア諸国が米国と貿易協定交渉を進める中、中国も交渉テーブルに着く機会を失うリスクを認識し、強硬な姿勢から協議参加へと転換しました。5月9日からスイスで米中高官が会談し、緊張緩和と経済安定化を模索しますが、両国の根深い不信感や交渉スタイルの違いから合意には時間を要する見通しです。
▶ https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3309692/china-could-miss-urban-jobs-target-amid-trade-war-property-sector-trouble-analysts
ラテンアメリカの鉄鋼業界は中国からの安価な鉄鋼輸入の急増に対抗する為に地域全体での協調的な貿易防衛策の導入を求めています。ラテンアメリカ鉄鋼協会(アラセロ)によれば、同地域は中国の鉄鋼輸入の影響を最も受けている地域の一つであるにも関わらず、過去25年間で最も少ない保護措置しか講じておらず、貿易防衛措置の実施に18~28ヶ月も掛かっている状況です。先進国では12~14ヶ月で対応しています。メキシコ鉄鋼会議所は、補助金付き価格での中国や東南アジアからの鉄鋼製品流入を阻止する為に関税引き上げや鉄鋼三角貿易の防止を政府に求めています。この動きは米国が2025年2月に発表した鉄鋼・アルミニウムへの追加関税措置を背景に、地域全体の鉄鋼産業保護の必要性が高まっていることを示しています。
▶ https://www.bnamericas.com/en/features/latin-american-steel-industry-urges-coordinated-trade-defense-actions
中国の鉄鋼輸出量は4月に前年同月比13.5%増の1,046万トンを記録し、2015年9月以来の高水準に達しています。3月に続き2ヵ月連続で1,000万トンを超え、1~4月累計では前年比8.2%増の3,789万トンと過去最高を更新しました。背景には中国国内の不動産市場低迷による需要減少があり、鉄鋼メーカーは収益確保のため輸出に活路を見出している状況に変わりはありません。しかし、輸出単価の下落が続いており、国際市場の混乱が続く可能性があります。アナリストは米国の追加関税や韓国・ベトナムによる迂回貿易取締強化の影響で第2四半期の輸出は第1四半期から最大20%減少し、年末に掛けて、更に落ち込むと予測しています。
▶ https://jp.reuters.com/markets/commodities/5HQNALS545KFPLXUOFX27KLNJA-2025-05-08/
EUが米国の関税に対する報復の1つとして輸出制限を検討しており、鉄スクラップが含まれる可能性があります。欧州連合(EU)は5月8日に米国との貿易交渉が失敗した場合に約1,070億ドル(950億ユーロ)相当の米国製品に対する報復関税を課す計画を発表しました。鉄スクラップや食品加工用化学製品の輸出制限も検討しています。欧州委員長は「大西洋両岸の消費者と企業に有益な合意を目指す」としながらも「あらゆる可能性に備えている」と述べています。現在、米国関税は欧州輸出の70%に影響し、更に拡大する恐れがある中、EUは交渉による解決を優先しつつも、7月の猶予期間終了に備えている状況です。
▶ https://thehill.com/policy/international/5290874-europe-trump-tariffs-us-goods/
先進国で移民制限が続く中、Brexit後に移民を増やした英国が、遂に大きな転換をする事になりました。英国の首相は移民政策の白書を発表し、英国への移民数を「大幅に」削減すると約束しました。具体的な数値目標や年間上限の設定は「賢明ではない」として拒否したものの、移民制度のあらゆる部分を厳格化する方針を示しています。新政策では、市民権申請前の英国滞在期間を10年に延長し、英語力要件を厳格化します。また、介護労働者の海外からの採用を制限する計画も含まれています。首相は「移民の増加が経済成長に繋がるという理論は誤り」と主張し、欧州人権条約からの離脱は不要との見解を示しました。
▶ https://www.telegraph.co.uk/politics/2025/05/12/politics-latest-news-keir-starmer-immigration-crackdown/
米中の関税引き下げ合意により、米国企業は中国産レアアースの輸出許可取得が容易になる見込みですが、中国の輸出規制が完全に撤廃される可能性は低いと業界関係者が指摘しています。中国は先月、米国の関税への報復措置として、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムの7種類のレアアースと関連製品を輸出規制リストに追加しています。これらの規制は中国が戦略的鉱物資源に対する支配力を強化する為の広範な措置の一部であり、完全撤廃は見込めないと考えられています。中国は世界の戦略鉱物の最大供給国であり、米国はその最大の輸入国です。
▶ https://www.bbc.co.uk/news/articles/c86je4vyg36o
Microsofは米国のデータセンターから排出される電子廃棄物を活用し、ウェスタンデジタルやCritical Materials Recycling、PedalPoint Recyclingと協力してレアアースの回収プログラムを拡大しています。2025年4月に開始されたこのプロジェクトでは、廃棄ハードディスクの磁石からネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム等のレアアースを、酸を使わずに高効率で抽出、22トン超のドライブを処理し、回収した資源は米国内のサプライチェーンに還元されています。中国の輸出規制リスクを背景に、米国の自給率向上とMSの2030年ゼロウェイスト目標達成に貢献するプログラムとして注目されています。
▶ https://recyclinginternational.com/business/innovation/microsoft-deepens-rare-earth-recovery-efforts/60853/
直近に迫ったポーランドの大統領選は、分断する国民感情をどう抑制するかが焦点となっています。過去1年間、ポーランドは緊張した政治的共存状態に陥っています。問題は、もはや誰が勝つかということではなく、苦境に立たされているポーランドの政治が、過激派を抑え込めるかどうかに集中しています。リベラル派の候補者もここ数週間、より保守的な有権者の支持を集める為にメッセージを転換しています。ポーランドでは5月18日に大統領選挙が行われ、6月1日に第2回投票が行われる予定です。国民はウクライナ人支援に対する疲弊感が高まっていることが顕著になっており、候補者の中には、ウクライナ人への支援を減らすとより多くの票を獲得できると判断した者もいる状況です。
▶ https://www.euronews.com/2025/05/11/anti-immigration-protesters-gather-in-poland-ahead-of-elections
中国の銅精鉱輸入は2025年4月に過去最高の約300万トンに達し、前年同月比で25%も増加しました。 これは中国国内の製錬能力拡大と新規製錬所稼働に備えた戦略的在庫積み増しが主因で、世界的な鉱石不足と処理費用のマイナス化という異例の市場環境下で、国内価格圧力の緩和と製錬業者への安堵をもたらしています。 インドネシアやフィリピンからの供給増も寄与しました。米国向け出荷増や在庫減少等、市場は依然として不安定な状況が続いていますが、このような市場環境の中でGSはQ2とQ3の銅価格予想を上方修正しました。
▶ https://www.mining.com/web/chinas-record-copper-ore-imports-offer-relief-amid-shortage/#:~:text=Stock%20image.,over%20the%20availability%20of%20feedstock.
米国の専門家が中国製太陽光発電インバーターに製品資料に記載されていない不正な通信機器を発見し、これが電力網の不安定化やサイバー攻撃のリスクを高めるとして安全保障上の懸念が高まっています。米上院議員は中国企業6社からのバッテリー輸入を禁止する法案を提出し、一部電力会社は中国製インバーターの使用を減らす動きを見せています。米国政府はサプライチェーンの強化と機能開示の徹底を進めています。
▶ https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/ghost-machine-rogue-communication-devices-found-chinese-inverters-2025-05-14/
AIの活用が進む英語圏や欧州では、企業の雇用にも影響が出始めています。ノルウェー・ウェルス・ファンドは、AI等のテクノロジー活用による業務効率化を重視し、今後の人員増加を見込まず採用を一時停止しました。CEOはAI導入により投資先企業のリスク監視に要する時間が大幅に短縮され、生産性も社内調査で平均15%向上したと述べています。一方、IBMの調査によれば、多くの企業がAIプロジェクトに投資しても十分な収益を得られていない現状があり、AI導入のROI(投資収益率)を実感しているCEOは全体の4分の1にとどまっています。しかし、競争力維持のためAI投資を続ける企業が多く、約64%のCEOがAI導入を怠ることへの危機感を示しています。またAIの進展により、今後は人材の質よりもマネジメントスキルの育成が重視されるとの見方もあります。ノルウェー・ウェルス・ファンドはAIの限界を認識しつつも、今後も技術活用と効率化を推進する方針です。
▶ https://fortune.com/2025/05/13/norway-wealth-fund-freezing-hiring-focus-on-ai/
2025年1~4月の世界EV販売台数は560万台で、前年同期比29%増となりました。地域別では中国が330万台(35%増)、欧州が120万台(25%増)、北米が60万台(5%増)、その他地域が50万台(37%増)と中国と欧州が成長を牽引しました。欧州では排出ガス規制が市場拡大を後押しし、ドイツ・イタリア・スペイン等の主要国が高成長を記録。中国では下取り補助金政策が販売増に寄与しています。一方、米国市場の伸びは限定的でした。4月単月では前月比12%減でしたが、前年同月比では29%増を維持しています。
▶ https://rhomotion.com/news/global-ev-sales-up-29-in-first-third-2025/
世界で使用される1060億トンの材料の内、リサイクル資源由来は僅か6.9%で、2015年から2.2ポイント減少しました。人口増加と消費拡大にリサイクルシステムが追いつかず、廃棄物が増加しています。報告書はリサイクル強化だけでなく、材料消費の削減や耐久性・修理性の高い製品設計、資源効率向上を提案。理論上、全てのリサイクル可能資源を回収すれば循環率は25%まで上昇するが、実際には困難である為、抜本的なシステム変革が求められています。
▶ https://www.circularonline.co.uk/news/6-9-of-106bn-tonnes-of-global-materials-come-from-recycled-sources/
インド政府は米国が鉄鋼・アルミニウム製品に課した25%の追加関税に対抗し、一部の米国製品に報復関税を課す方針をWTOに通知しました。 米国の措置はインドから米国への輸出76億ドル相当に影響し、インドは米国との貿易協定交渉で関税格差の縮小を提案していましたが、米国側が中国への関税引き下げを行ったことを受けて、更なる譲歩を要求する姿勢を強めています。 報復関税の具体的な対象品目は明らかにされていませんが、新たな両国間の火種になりかねない状況となっています。
▶ https://www.fortuneindia.com/business-news/india-toughens-trade-position-with-wto-tariff-warning-as-us-fta-talks-loom/123095
2025年3月のEUの工業生産は前月比1.9%増、ユーロ圏では2.6%増となり、比較的安定していました。 前年同月比ではユーロ圏が3.6%増、EU全体で2.7%増となっています。 加盟国別ではアイルランドが月間14.6%増と最も高く、マルタ(4.4%)、フィンランド(3.5%)が続きまました。 一方、ルクセンブルク(▲6.3%)、デンマーク・ギリシャ(▲4.6%)、ポルトガル(▲4.0%)は減少となっています。これに対し て、エネルギー生産はEU全体で前月比1.7%減少しました。
▶ https://ec.europa.eu/eurostat/web/products-euro-indicators/w/4-15052025-bp
インドとパキスタンの紛争でフランス製戦闘機が中国製戦闘機に撃墜された事がフランス国内で大きな話題となっています。インドとパキスタンの軍事衝突では、パキスタンは中国製J-10C戦闘機でインド空軍のラファール戦闘機を含む複数機を撃墜したと主張し、中国側もこの実績を評価しました。しかしインドは損失を公表していません。 一方、インドはロシア製S-400防空システムでパキスタンのミサイルやドローンを迎撃し、その有効性を証明しています。 パキスタンの中国製HQ-9防空システムはインドの精密攻撃を防げず、信頼性に疑問が生じました。 今回の衝突は中国製兵器の実戦性能が注目される契機となり、中国はパキスタンを通じて自国兵器の評価と市場拡大を図っていると言われています。意外と注目されませんが、軍備予算はどの国でもGDPの数パーセントに上る為、先進国では武器輸出は大きな産業として成り立っています。
▶ https://www.france24.com/en/asia-pacific/20250514-chinese-weapons-pass-combat-test-in-india-pakistan-clash-%E2%80%93-with-flying-colours
タイ当局が米国からの電子機器廃棄物を200トン以上押収した事が話題になっています。タイ当局はバンコク港で米国から違法に輸入された電子廃棄物238トンを押収しました。 今年最大規模で廃棄物は金属スクラップと偽って申告されていましたが、実際は回路基板等が含まれていました。 タイは2020年から電子廃棄物の輸入を原則禁止しており、違法輸入は健康や環境への重大なリスクとなる為、当局は関係者の訴追や廃棄物の再輸出を検討しています。 背景には世界的な電子廃棄物の増加とリサイクル体制の遅れがあります。タイ税関当局は1月、タイ東部の港で日本と香港から違法に輸入された電子廃棄物256トンを押収したばかりでした。
▶ https://www.independent.co.uk/news/thai-bangkok-cabinet-japan-hong-kong-b2750809.html